羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

ルパン三世 6

2016-01-08 20:53:09 | 日記
「うるせぇっ! なんかの間違いだっ。もっかい確かめてやるっ!」ムキになるルパン。二人が車に乗り込むと追っ手の車が路地に走り込み、発車したルパン達の車を追って行った。しかし、実は車には乗っていなかったルパンは一人、絵のケースを抱え、公衆電話を掛け始めた。一人で車を運転する次元は脇道から突進してきた別の追っ手の車に浅く追突され、路地の中で車を反転させられた。「お誂え向きだっ!」車をバックで走らせる次元。片手で運転しながら車窓から上半身を出し、迫る追っ手の車の片方の前輪を銃撃で射ち抜く次元。追っ手の車はスピンして止められた。
件のイタリア資産家? の男と電話を終えたルパンは絵のケースを置いたまま、腹を抱えて笑い出した。「アハハハっ!」一頻り笑い終え、絵のケースを取ろうとしたが、手錠を構えた銭形がケースを踏んで止めた。「何かいいことでもあったか?」「あらら、とっつぁん」「必ずやってくると思ってずっと張り込んでいたんだ。モナリザには指1本触れさせんっ!」「踏んでる踏んでるっ」「今度は宇宙に送ってやろうか? ルパンっ!」銭形はルパンに手錠を掛けたが、即座に次元の車が走り込んできた。「のわっ?!」倒れ込む銭形。「そいつはくれてやるっ! 大切にしろよぉっ?!」いつの間にか手錠を外し車に乗り込んでいたルパンは手を振って次元の運転する車で去った。「待てルパァンっ! ん?」銭形の腕は絵のケースに手錠で繋がれていた。「意固地になりやがって、電話なんてしているからこの様だっ。とにかく、賭けは俺の勝ちだ。豪邸は勘弁してやるが、経費は払ってもらうぜ?」「いや、くれてやるよ次元。飛びっきりの豪邸をなっ!」車中でルパンは次元にそう言ってのけた。
後日、高級車の販売店でフィリップ逮捕のニュースをタブレット端末で見ていた不二子はルパンに電話で呼ばれた。
     7に続く

ルパン三世 7

2016-01-08 20:52:59 | 日記
買った高級車で行ってみると、雑誌に付箋を貼っていた例の海に面した豪邸の前だった。次元、五ェ門もいた。「あれは俺の家だぜ?」「ええ?」次元が偽のモナリザをどこで手に入れたか聞くと「普通に露天で見付けたんだけど?」応えに驚く次元。「やはり偶然だったか」呟く五ェ門。偽のモナリザが高価で売れたと聞くと不二子は戸惑った。「アイルワースのモナリザの例もあるだろ?」「あの絵もダ・ヴィンチが描いた絵、ってこと?」ルパンの言葉に驚く不二子。「えらいモン見付けたもんだよ」ルパンは50ユーロ札を1枚不二子に差し出した。「ま、とにかく俺の見る目が正しくて、お前らの目は節穴だったってことさぁ」「何よ、これ?」「絵の代金だ。こんなもんだろ?」「はぁああ? こんなんじゃ足りないわよぉっ!」「じゃあ、色付けちゃおうっ!」ルパンはポケットから1ユーロ硬貨をどっさり出して不二子に渡した。「あの絵は私が見付けたんだからっ、この家だって私の物よっ!」怒って車から出てきた不二子は硬貨を投げ付け出した。「お金を粗末にしちゃってっ、いーけないんだっ!」「この家の半分は私の物なんだからっ! ルパ~ンっ!!」次元と五ェ門は呆れ、道には1ユーロ硬貨がいくつも転がり落ちていた。
その『男』は隠れ家で1ユーロ硬貨を見詰めていた。不二子に絵を売った男であり、MI-6から逃れた男でもあった。 「この絵、おいくら?」「銀貨2枚だ。1枚でもいい。ただそいつは美術館の物より出来がいい」不二子は1ユーロ硬貨を多数、差し出していた。「ならもっと自信を持ちなさい。売り方次第じゃいいお金に化けるわよ?」『男』はそう言われた。「なぜ『私』の落書きが硬貨に?」1ユーロ硬貨のウィトルウィウス的人体図を『男』は見ていた。
・・・偉人をわりと素の状態で持ってきたね。どーすんだろ?