羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

恋仲 1

2015-08-12 20:55:18 | 日記
帰宅したあかりの様子がおかしいことに高梨が気付き、同じく帰宅した翔太が朝開けた窓が閉まってることに気が付いたその夜、冴木との二人だけの打ち上げから帰った葵は公平に、「七海さんに恋しちゃったみたいなんです!」と打ち明けられた。「マジで?」「マジです!」「勘弁しろよ」お義兄さんと、敬語で公平に絡まれる葵だった。
翌日、あかりが病院で翔太を避けつつ、家庭教師をしている心音の病室に向かうと、心音の同級生の男子が来ていて二人はじゃれるように話していた。「じゃ、俺行くわ。今年大丈夫なの?」去り際、男子が聞くと「うん、たぶん」と答える心音。二人は去年、今年の花火大会に相手がいなければ行こうと約束していた。「へぇ、いいね」話を聞いたあかりは笑って言ったが堪えた様子だった。一方、気持ちを切り替えた葵は仕事の調子もよく、磯原に富永も出展する建築の新人コンクールに参加するよう勧められていた。心音の家庭教師の帰り、翔太に出会したあかりはお茶の誘いをバイトがあると断り、昨日マンションに来たことを窓が閉まっていたことをあげて聞かれたが、「ううん、行ってないよ」ととぼけ、そそくさとその場を逃れて行った。
あかりに断られ、翔太が一人で缶コーヒーを飲んでいると「お疲れ」と現れた同僚の沢田が、昨日翔太が駐車場で男に金を渡していたことを触れ、心配され、これに「関係無いだろ」と突っ張ね、翔太は立ち去った。沢田は関係無いでは済ませず、受け付け名簿であかりの父の名を確認していた。葵は仕事の後で、職場で皆で食事しながら軽く酒を呑み、帰りには磯原に食事の時も話題に出た冴木との復縁を「もう1度考えてあげてもいいんじゃないか?」と諭されていた。
同じ夜、あかりは察していた高梨に事態を打ち明け、手紙のことを翔太に聞き辛いなら
     2に続く

恋仲 2

2015-08-12 20:55:07 | 日記
葵に聞いてはどうかと提案されていた。当の葵は帰宅して、公平に日曜、七海や皆とバーベキューに行こうと誘われていた。「もう吹っ切れたから」と葵は、あかりと翔太を誘うことにも賛成した。
日曜日、葵、公平、七海、冴木が冴木の車で仕度していると、あかりが一人で来た。翔太は仕事だという。バーベキュー会場は冴木の父の仕事の関係で安く借りれたという、海辺のコンドミニアム? はしゃぐ公平。「ねぇ、葵、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」あかりは葵から手紙のことを聞き出そうとしたが、途中で冴木が話し掛けてうやむやになってしまった。「アイツ、あたしのことずっと『キモ眼鏡ちゃん』って言ってたんだよ?!」料理の下準備中、調子の良い公平の好意を疑っている七海だったが、「でも七海ちゃんの為に企画したらしいよ、就活の息抜きに、って」あかりに言われると、少し考える七海でもあった。また別行動の冴木は「ずっと思ってるよ、葵といると楽しいなって」と葵にそう語っていた。
その頃、家で一人でいた翔太は公平に来れなくて残念だったな、と連絡を受け、一緒に貼られたバーベキューをする画像にあかりが写っていることに驚いた。聞いて無い。あかりに電話しても繋がらず、さらに実際、仕事で病院に呼び出されてしまい、対応がままならなかった。病院では翔太がオペ担当になり、代わりに心音の検診を担当した沢田が、心音の持っていたあかりの辞書に書かれた姓名から件の金を受け取っていた男があかりの父であると気付いた。沢田は翔太があかりと付き合っていることも知らず、「ショック?」と毒舌の心音に一撃入れられてもいた。沢田はオペ後の翔太を問い質した、「あれ何? 大丈夫なの?」「言ったよな? 沢田には関係無いって」翔太は言い捨て、立ち去った。
「あっかり」葵はすっかり一人あぶれて、
     3に続く

恋仲 3

2015-08-12 20:54:59 | 日記
夕暮れの海を見ていたあかりに西瓜を持ってきた。一緒に西瓜を食べ、懐かしがって種飛ばしをしたりした後で、「あ、そうだ。なんか聞きたいことあんだっけ?」気になっていた葵。「葵さぁ、手紙のことって覚えてる?」「手紙?」当然葵は何も知らなかった。あかりは慌ててごまかし、何も伝えなかった。合流した公平達と仲良く話す葵を背に、あかりの心は決まっていた。あかりは翔太に電話を掛けた。「明日、会える? 話したいことがあるんだけど」あかりは病院で会う約束をした。
あかりは約束の時間に病院に向かった。覚悟を決め、まだ気付いていない翔太の方へ歩み寄ってゆくと、突然現れた沢田にブロックされた。「芹沢あかりさん、ちょっといいですか?」あかりは例の駐車場に連れ出された。葵が喫茶店で冴木に復縁を申し込まれる中、あかりは駐車場で沢田と対峙していた。「調べさせて頂きました」実家の造船所の倒産もリサーチ済み。「お金目当てなんですよね?」「違います!」「じゃあ、あの50万は何なんですか?」あかりの父が金を受け取っていたことを指摘する沢田!「お父さんと一緒に騙そうとしているんですよね? 彼に近付かないで下さい」沢田は警告し、去った。その父は館山行きの長距離バスに乗っていた。
夜、翔太が帰宅すると、暗い部屋にあかりがいた。「あかり? どうしたの、来るの待ってたのに」「お父さんに会ったの? 沢田さんに聞いた」翔太は観念した。「葵が、仕事先で偶然会ったみたいで」「どうして教えてくれなかったの?! どうしてお金なんか渡したの?」顔を上げる翔太。「私にもう会うなって、言った? ずっとお父さんに会いたかったんだよ?! 理解してくれてるって、信じてたのに、あたし、翔太が何考えてるのかわかんないよ」答えられない翔太。「全部、嘘だったの? 一緒に探してくれたのも、
     4に続く

恋仲 4

2015-08-12 20:54:50 | 日記
あの夏、富山で再会したのも」あかりの目を見る翔太。「葵に返したはずの漫画、どうして翔太が持ってんの? 葵に書いたはずの手紙、どうしてそこに入ってんの?!」鍵付きの引き出しを示すあかり。「手紙読んで知ってたんだよね? あの日、あたしが富山に戻って来るって、葵に会いに来るって、偶然じゃなかったんだよね?」「ごめん」「ごめんってどういうこと?」「俺、好きだったんだ、あかりのことが。会わせたくなかったんだ。けど、そんなことしかできない自分が嫌で、ずっと苦しかった。付き合うようになってからも、不安でたまらなかった」ソファに座る翔太。「葵が東京にいるってわかった時、あかりに会わせようって思ったんだ」「どういうこと?」「葵と会っても、あかりは俺を選んでくれる、て安心したかったんだ」「あたしのこと、疑ってたってこと? あたしは翔太が好きだよ、あの日、翔太に会えて良かったって、ずっと思ってた! 信じてくれてなかったの?」「じゃあ聞くけどさぁ! 葵に会って、気持ちが揺らがなかったって言い切れる? 手紙見付けた時、思わなかった? ちゃんと届いていれば、運命が変わっていたかもしれないのにって」「最低っ」あかりは涙を溢し、部屋を出て行った。
風呂上がりの葵が就活の調べものをしたまま眠っていた七海にタオルを掛けてやると、七海は目を覚ました。「起こしちゃった? がんばれよ」「そっちこそ、どうなの? 瑠衣子さん(冴木)とやり直すの?」「かも」七海は資料を片し、「がんばれよ」と自室に入った。次の日、冴木と連絡を取り合いニヤつく葵は、富永に「今の三浦君(葵)に負ける気しないなぁ」などと新人コンクールについて突っ込まれていたが、高梨から電話が入った。「あかり、昨日から帰って来ないの」翔太の様子もおかしいという、葵は職場を飛び出し、翔太のマンションへ向かった!
     5に続く

恋仲 5

2015-08-12 20:54:41 | 日記
部屋を探し当て、チャイムを鳴らし、ドアを叩く葵!「翔太! 翔太!」ドアが開き、翔太が顔を出した。「お前どうしたんだよ? あかりとなんかあったのか?!」翔太はドアを閉めようとしたが、押し止め、葵は中へ踏み込んだ!「翔太!」答えず、奥へ進む翔太。ちゃんと靴を脱いで上がる葵!「答えろよ!!」「終わったんだ」「は?」「もう終わったんだよ、俺達」疲れきった顔で、翔太はそう答えるのだった。
・・・一気に回収したな。沢田のショートカット力! 序盤は立ち位置もハッキリしないくらいのモブだったのに、突然バスケの凄腕ゴール下ぐらい仕事をしていたぜ。翔太はあかり父に渡した金や、これまでのフォローを差し引いても手紙関連の減点がキツ過ぎる。翔太ルートを無理ゲーに設定し過ぎたね。ただ今回ブチまけて、次回からは翔太も浄化されるかもしれん。まだ前半、意外なオチがあるかもしれんし、意外なオチと思わせて普通に葵とあかりが結婚するかもしれん。と思わせて、7話くらいから富永が本気出して葵を持ってゆく可能性も3%くらいはあるかもしれんよ?!