神前決闘後、急激に衰えたカリカーラはラジェンドラにガーデーヴィを殺さないように願い、ラジェンドラも兄を僧院に送るなどとして受け入れた。「やはりお前に王位を譲ったのは間違いではなかった」カリカーラは静かに息を引き取っていった。花と共に棺に葬られたカリカーラを弔問する無数のシンドゥラ国民は長蛇の列をなしていた。式典中のラジェンドラは儀礼の文句の読み上げもそこそこに号泣し、カリカーラの遺体にすがり付いた。これに「あの男は生まれついての演技者なのさ。自分自身をも騙し切ることができる」とナルサスは評し、アルスラーンもその姿を見詰めていた。
地下牢に入れられていたジャスワントはアルスラーンによって出された。「感謝、するべきなんでしょうね」「これからどうするつもりなんだ?」「もはやこの国に私の居場所はありません」「実は私もお主と同じなのだ」アルスラーンは唐突に自分がおそらく王家の血を引いていないことを打ち明けた。驚くジャスワント。「だがダリューンやナルサスはそれでもついてきてくれる、お主も一緒に来てはくれないだろうか? そこがお主の居場所になればいいと、そう思っている」ジャスワントがアルスラーンを見ていると、「おお、アルスラーンどの!」ラジェンドラが通り掛かった。ジャスワントは一礼して去った。ラジェンドラはアルスラーンを『宴』に誘った。
シンドゥラには王族を処刑する際、宴でもてなす習慣がある。ラジェンドラはガーデーヴィを呼び出していた。ラジェンドラはカリカーラとの約束を反故とするつもりであった。震えて酒を呑むガーデーヴィ。「私はお前の配下となろう!」ガーデーヴィは跪き、命乞いした。ラジェンドラは無言だが、決して許さぬ顔でガーデーヴィを見下ろした。絶望したガーデーヴィは割った壺の破片を手に、
2に続く
地下牢に入れられていたジャスワントはアルスラーンによって出された。「感謝、するべきなんでしょうね」「これからどうするつもりなんだ?」「もはやこの国に私の居場所はありません」「実は私もお主と同じなのだ」アルスラーンは唐突に自分がおそらく王家の血を引いていないことを打ち明けた。驚くジャスワント。「だがダリューンやナルサスはそれでもついてきてくれる、お主も一緒に来てはくれないだろうか? そこがお主の居場所になればいいと、そう思っている」ジャスワントがアルスラーンを見ていると、「おお、アルスラーンどの!」ラジェンドラが通り掛かった。ジャスワントは一礼して去った。ラジェンドラはアルスラーンを『宴』に誘った。
シンドゥラには王族を処刑する際、宴でもてなす習慣がある。ラジェンドラはガーデーヴィを呼び出していた。ラジェンドラはカリカーラとの約束を反故とするつもりであった。震えて酒を呑むガーデーヴィ。「私はお前の配下となろう!」ガーデーヴィは跪き、命乞いした。ラジェンドラは無言だが、決して許さぬ顔でガーデーヴィを見下ろした。絶望したガーデーヴィは割った壺の破片を手に、
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