深沈厚重なるは、是れ第一等の資質なり。
磊落豪雄なるは、是れ第二等の資質なり。
聡明才弁なるは、是れ第三等の資質なり。
──呂新吾『呻吟語』
安岡正篤の本によく出てくる、
- 深沈厚重
- 磊落豪雄
- 聡明才弁
の3種。呻吟語からでしたか。ググって思い出した。
渋沢栄一が、『論語と算盤』で、「偉き人」より「完(まった)き人」を推奨している。
渋沢の定義によれば、この「完き人」ってのは、智・情・意の3つを兼ね備えた人。この三者が円満に具足した者、すなわち常識の人。
呻吟語にいう、第一等の、深沈厚重ってことだろう。
磊落豪雄は、情か意(意思、忍耐力)に傾きすぎている。
聡明才弁は、智に傾きすぎている。
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この
- 深沈厚重
- 磊落豪雄
- 聡明才弁
は、阿川弘之が書いた海軍提督三部作の
- 米内光政
- 山本五十六
- 井上成美
の3者にほとんど当てはまる。ま、聡明才弁タイプの井上成美は、実際は第三等どころか、米内・山本に負けないくらい、とっても魅力ある人間です。
戦後の井上成美の過ごし方なんかは、美学があって、すごくカッコいいと私は思っています。井上成美について書いた本は私みんな持ってます。
いずれにせよ、阿川のこの三部作はオススメです!