「正しさ」は歪み、暴走し、色焦る。
これが私の周りで最近だいぶ刺さっている。何人もから「それ、どういうことですか、説明してください」って言われる。
「正しさ」が歪み、暴走し、色褪せる例を、4つ挙げます。
1 ロボトミー手術
ロボトミー手術は、1949年にノーベル生理学・医学賞を取って(ポルトガルの神経科医アントニオ・エガス・モニス)、5万人が手術した。
でも今は非人道的で誰もやらない。
このロボトミー手術を哀しく描いた名作『カッコーの巣の上で』は是非ご覧になってください。
ジャック・ニコルソンの名演!怪演! 絶対に、人生にインパクトを遺す映画です。一生忘れない映画になることを保証します。
2 森友哉/杉原千畝の人命救助
森友哉(大阪桐蔭→西武→オリックス)が、高校生時代、線路に落ちた人を助けて警察に表彰された。こちら
杉原千畝も、リトアニアの日本領事館で、日本の命令に背いてユダヤ人に独断でビザを発給し、後世にその偉業を遺した。
かように、人命救助のためならルール違反が許されることがある。
「正しさ」は高次の真善美を導く手段にすぎない。正しさは美しさに奉仕する。
3 原爆投下
日本で原爆投下を「正しい」と考える人は1人もいない。
でもアメリカ人の半数以上は、おそらく今でも「正しい、あれで戦争が早く終わって、米兵が死なずにすんだ」と思っている。
4 バンクシー
落書きアーティスト。落書きは建造物損壊・器物損壊。落書きが数億円でオークションにかけられる。それは落書きという犯罪を助長する行為だけど、、、
落書きされたものを盗む事件も多発(こちら)。盗む際に壁を剥がしたりして、さらに建造物が損壊される、、、
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以上4例が、正しさの相対性、正しさの脆さを表すエピソード。
正しさは、歪み、暴走し、色褪せる。
正しさは美しさに奉仕するしもべにすぎない。
正しさは真善美という高次の目標を達成する手段にすぎない。
正しいのみでは足りない。美しくあれ。
Being right is not enough. Be righteous.
※ 「正しさが相対的で、脆く、歪み、暴走し、色褪せる」例を募集しています。いい例あったら教えて下さい!
後記:アメリカの禁酒法、戦後ヒロポンが流行って昭和26年まで覚せい剤取締法はなかった、売春防止法も昭和31年から、、 などの法律の変遷を辿るだけでも、「正しさ」の相対性・脆さは感じ取れますね。