川塵録

『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』重版出来!

コンプラを変え,会社を変え,日本を変える!

『落日燃ゆ』

2007年08月26日 | 歴史
平川克美ブログから長めの引用。

~~~~

一日中、読んでいたのは、『落日燃ゆ』。
再読であるが、ほとんど初見のような
新鮮さで、行を追うことになった。
主人公である広田弘毅は、東京裁判で絞首刑になった七名の
A級戦犯のうち、ただ一人の文官である。
裁判の正当性に関しては、
様々な見解があろうが、
広田という人間が、他の六名とは全く異なった
思想、心情、人間性の持ち主であったことだけは
確からしい。
事実、彼は外交官時代、政治家の時代を通して
一貫して「協和外交」を主張し続けている。
五相会議において、
武断政治を説く皇道派の荒木貞夫陸相と対立して、広田は外交的な解決を主張する。
「開戦の危機というが、いったいどこに戦争の危険性があるのか。
軍部は最悪の場合のみ考えすぎる。むしろ問題は、どうしたら、最悪の場合を来させずに
すむかに在る。つまり、外交が先決であり、何より外交的努力に力を傾注しなくてはならない。」
武断政治、統帥権の乱用、大国の圧力といった
戦前、戦中の空気の中において、
弱腰、楽観主義と謗られながらも、これを曲げることは無かった。

終戦後、広田はよくわからない理由によって戦争の首謀者の一人と看做される。
現在から見れば、広田を戦犯に加えるに足る客観的な証拠はない。
しかし、東京裁判の過程で、弁護人に「無罪」を主張するように諭されて
「戦争について自分には責任がある。無罪とはいえぬ」とこれをはねのける。
その後も、広田は一切の自己弁護を拒んだのである。
彼は戦争裁判によって裁かれるより前に、
どこかで戦争を食い止められなかった自分を裁いていたのかも知れない。
燃え尽きた落日のように、広田はこの世を去っていった。

当今の自己弁護と居直りに終始する、
立身出世主義的、あるいは威信の薄い政治家たちと
この本に出てくる広田弘毅、山座円次郎、尾崎行雄、加藤高明といった
政治家を引き比べてしまう。
政治家に高潔を求める気持ちはないけれど、
今日、ひとりの広田弘毅が政界、官界にあるのだろうかと、思う。

~~~~

城山三郎『落日燃ゆ』を読まずして東京裁判は語れない。
A級戦犯も語れない。ということは靖国参拝も語れない。

俺が靖国参拝賛成派なのは,学生時代にこの本を読んだことが
1つの大きな原因だと思う。

いたく感動したので数度繰り返し読みました。
皆様も是非是非。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

悲報(なれん)

2007年08月26日 | 野球
サヨナラ負けです。

来年こそは全国制覇!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする