長久手市にある名都美術館30周年記念特別展
『志村 ふくみ展』へ
現在94歳になられる織物作家 志村ふくみ先生の世界を存分に堪能して来ました。
昭和34年から平成15年までの44年間の作品が前期後期にわたり
展示されました。
ふくみ先生の着物は素朴な紬織~縦糸に生糸 横糸にくず繭からとる糸で織られている。
紬というと普段着の着物ですが~フォ-マルにも着て欲しいとのこと~
私には手が届かないものです。
学芸員さんが~
この着物に こんな色の帯がいいんじゃないかな~と
想像するのもいいですよね~と
はい それはできるかな~~
70歳過ぎた頃から『源氏物語』シリ-ズに打ち込まれ
源氏の放つ香気に包まれながら物語を読み解き
場面ごとに象徴的な色彩が浮かび創作意欲が刺激されたと記されています。
余談ですが~下記写真の着物『薄雲』
ふくみ先生の着物のファンである 女優の吉永小百合さんが
最近の放映されたマツコさんのTVに出演された際に着用されていらしたそうです。
植物からは染まらない”緑色”
初めに”黄色”に染めてから ”藍”を掛け合わせて ”緑”を染めるとのこと
闇に近い色である青と、光に近い色である黄を掛け合わせる。
『松風』は明石の君の悲しみに満ちた青と
明石に姫君の明るい未来を表す輝かしい黄によって染められているに違いない。
ふくみ先生が使用されている附糸箪笥と同様の箪笥を
皇后さまがご病気で声を失った時に 天皇さまが皇后さまに送られたそうです。
桑を栽培し蚕から繭~糸紡ぎされていらっしゃる皇后さまにとって素敵なプレゼントだったことでしょうね。
学芸員さんのお話を伺いながら 更にゆっくりと拝観しました。
また今回は名都美術館のみ 限定販売の本を購入して来ました。
『志村ふくみ~いのちの色に導かれて~』
大切にしたい一冊になりそうです。