デ某の「ひょっこりポンポン山」

腎がんのメモリー、海外旅行記、吾輩も猫である、人生の棚卸しなど。

11月の葉書

2020-11-17 13:52:58 | 人生の棚卸し
 11月に入り俄かに葉書が増えました。殆どが喪中欠礼です。毎日届きます。初めて知る友の旅立ちもありました。驚きと嘆息と哀しみがいっぺんに襲いかかります。小さな葉書の中に故人とご家族の悲しみとともに、お人柄と歩んでこられた道程が偲ばれます。
                              

                              Painted by QP

 H君は私と同い年でした。28歳の頃、或る活動に際して彼ともう一人のH君と私の三人で「花のニッパチ三羽烏」と称し取組みを始めました。若さゆえしばしばぶつかり合いながらも本気で必死の活動は、その時代!その年齢!でこその思い出ではあります。

 そのH君が亡くなったとの報せは、後輩の元同僚からの電話で知りました。「この時期ですから」と家族のみの葬儀となり、止む無く遠くからご冥福を祈りました、烈しい諍いをしたこと、心あたたまる晩年の出来事など様々な思いが脳裏を錯綜しつつ…。


 そのH君の奥様からの喪中欠礼は封書で届きました。お地蔵さんの絵が添えられ  
 『誕生日をとても大切にし手づくりのケーキをプレゼントするような人でした』
 『テニスの楽しさをたくさんの人に伝えたいと半世紀余り活動をつづけてきました』
 『この絵の”おじぞうさんに "ラケット" を背おわせたい気持ちです』と。


 彼の運動神経は並外れていて、軟式テニスでは若い頃から国体の常連、数々の入賞歴があります。或る全国大会のシニア部門で優勝し市から特別表彰されたこともありました。奥様が記されているとおり、この絵のお地蔵さんにラケットを背おわせたいです。

  

 Yさんからは「妻 〇子が去る七月に永眠致しました」と。余白に「看護を六年間やりました」と嘆息のように短い一言が添えられていました。鎌倉に隠棲され年賀状ぐらいのお付き合いしかなくなりましたが、奥様の看護について詳しくは存じませんでした。

 Yさんは某中央官庁のキャリア官僚で枢要な部門の局長の任にありました。しかし利かん気の強い時の総理と経済政策を巡り衝突、辞表を叩きつけ官庁を去りました。その後、関西の某私大教授に就かれた頃、仕事の縁で知遇を得、多くのご教示を頂きました。

 或る時、Yさんから『それはOECDの "〇〇に関する報告" が参考になりそうなので次の会合までに読み解きご報告下さい』。そのOECDの報告を検索すると、総て英文の百頁を超える論文でした。お手上げ!のところに偶々邦訳が見つかりなんとか切抜けました。

 中央官庁のキャリアの仕事のスタイルを垣間見ました(笑)。でもまぁ私の粗い仕事のスタイルもそれなりにお認めになり 刺戟あふれる?経験をさせて頂きました。数年後、私がその仕事を離れる際は 労い!の席を設けて下さるなど暖かいお心遣いを頂きました。



                     自然食レストラン「菓歩菓歩」の佇まい
                   
 11月に入って和知(京都府)には三度目。一昨日は冷込み且つ晴渡り、眩しいまでに秋色が広がっていました。いつも行く自然食レストラン「菓歩菓歩」は『お席に掛けられるまで2時間ほどかかります』の貼紙、入れば更に一時間余!ですからあきらめました。


                 由良川にそって和知から美山へ 由良街道の紅葉

 和知ではビオラの苗をたくさん仕入れ、道の駅「和(なごみ)」でどっさり買い物をして美山に向かいました、途中にある「大野ダム」の紅葉と美山の道の駅の「干柿用の柿」を求めて…。お昼は蕎麦処「延」にしたいところですが、数年前に店を仕舞われました。


                             大野ダムと紅葉

 美山の道の駅は凄い人!車!バイク! 柿どころか旬のものは殆ど総て売切れ。みなさんコロナ禍で自粛、引籠っていた反動でしょうか…。それにしても何処も見事な紅葉。心の芯まで燃え広がりそうな…或る種 "脆なさ" さえ感じる萌えて燃え上がる紅葉なり!

  前記Yさんは「岸洋子の歌があれば他の音楽はいらない」人。岸洋子「海よ おしえて」を!



過去ログ目次一覧
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~140 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f
吾輩も猫である141~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/b7b2d192a4131e73906057aa293895ef
人生の棚卸し http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ddab58eb8da23a114e2001749326f1f1
人生の棚卸し(2) https://blog.goo.ne.jp/00003193/e/22b3ffae8d0b390afee667c0e9ed92ed
かんわきゅうだい(57~) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/20297d22fcd28bacdddc1cf81778d34b
かんわきゅうだい(~56) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
新聞・TV・映画etc. http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a7126ea61f3deb897e01ced6b3955ace
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c



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6 コメント

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こんばんは (ムベ)
2020-11-17 20:29:50
私は大切な友人に、三人も先立たれてしまいました。
あの時は人目もなく号泣してしまって・・不覚を取りました。

主人の時は、人前で泣かなかったのはなぜ?と思うのですが、
家族の場合は、じわじわと何年も立ち直れませんでした。

親友を失った時「あなたの代わりは居ない」と約束しました。
長生きすることは、孤独という友と付き合うことになります。

今年は柿が大変な不作だそうです。いつも頂く方からも便りがありません。
散歩コースにも、毎年見るあの鮮やかな柿色を見ていません。

でも、今日町を歩いていると「ご自由にお持ちください」
と書かれていて、7~8個の柿が並べられてあるのを見ました。
なんかホッとしました。
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Re : ムベさん「こんばんは」 (デ某)
2020-11-17 21:19:10
ムベさん
早速のコメント ありがとうございました

> 私は大切な友人に、三人も先立たれてしまいました。

大切な友の死は...さぞきつかったことでしょうね。
号泣されたムベさんのお気持ちに思いが至ります。
私は ここ数年、健やかに長生きはしたいけど、
みんな先に逝き友が一人も来ない葬式になるなら 長生きしたくないなぁ…と。

> 家族の場合は、じわじわと何年も立ち直れませんでした。

家族は日常の総てにリアルに思い出がありますからね。
食事をしていてもTVを見ていても何をしていても...
いつも傍にいる感覚がなくならないのだと思います。

> 親友を失った時「あなたの代わりは居ない」と…
> 長生きすることは、孤独という友と付き合うことになります。

でもムベさんにはいつも神様がいらっしゃって けして独りではありますまい。
素晴らしい写真をお撮りなるご子息もついてはります。
だいじょうぶですよ(笑)

> 今年は柿が大変な不作だそうです。

そうでしたか…。
生協から結構!高価な柿を十数個 取り寄せました。
ちょうど寒さがきつくなる時期に届き ベランダに吊るしました。
今が食べごろ ... なかなか良い出来、美味! 大満足しています

> 今日町を歩いていると「ご自由にお持ちください」と 7~8個の柿が並べられて...

ほんとうに心が和みますね。
並べられた柿の一つ一つに豊かな心が宿っていることでしょう

『柿の実みてる子 一、二、の三人/さよならしてる子 三、四、の五人
 ごはんになるまで おもりする/おんぶをする子は なんにんだろな』

https://www.youtube.com/watch?v=b9DkVdbWRSc
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友との別れ (ふじのりんご)
2020-11-18 11:15:40
デ某さん、お早うございます(^^)/
齢を重ねるごとに、悲しい別れに会う虚しさ
生きていく、、とは寂しく悲しいばかりなり
・・なんて

これからの最後の別れ方を考えないとーー
お互いに出来るだけ程々に元気で、程々に楽しみ、長生きしましょう
返信する
葉書 (リーのママ)
2020-11-18 11:17:29
わが家にも、定型文のみの喪中欠礼が届き始めました。ほとんどが、母が…父が…というものですから、まだ親しい友人との別れは体験していません。
可愛いお地蔵さんの絵と、手書きのコメントが入った喪中欠礼に、お人柄が偲ばれます。
母の喪中欠礼葉書は父がパソコンで作りました。
私は友人に寒中見舞いの葉書を、百合の花を添えて作り送りましたが、手書きの一言でも添えれば心が通ったのかもしれません。
葉書一つでも、その人の人柄は偲ばれますね。
見事な紅葉の写真が素敵です。
毎日見ていた広場の銀杏はもう散ってしまいました。
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Re : ふじのりんごさん「友との別れ」 (デ某)
2020-11-18 14:09:00
ふじのりんごさん
コメントありがとうございました

> 齢を重ねるごとに、悲しい別れに会う虚しさ
> 生きていく、、とは寂しく悲しいばかりなり

逢うが別れのはじめとは...(別れの磯千鳥)と歌われるように
出会いは別れのプロローグ(序章)とは なんともやるせませんね。

> これからの最後の別れ方を考えないとーー

でもねぇ...別れの準備はしたくないですよねぇ。
とは言うものの 自身であれ周りの誰かであれ
そういうこともある!との覚悟を求められる歳にはなりました。
なりたくなかった!ですけどねぇ

> お互いに出来るだけ程々に元気で、程々に楽しみ、長生きしましょう
程々に!ではなく 大いに元気に楽しみつつ長生きしましょう

井上ひろし「別れの磯千鳥」
https://www.youtube.com/watch?v=pGfkVlVf1L4
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Re : リーのママさん「葉書」 (デ某)
2020-11-18 14:53:31
リーのママさん
コメントありがとうございました

> わが家にも喪中欠礼が届き始め...ほとんどが、母が…父が…
> まだ親しい友人との別れは体験していません。

親しい友との別れがないこと...何より!と存じます。
友との別れは、親族とはまた異なる喪失感に襲われます。

> 可愛いお地蔵さんの絵と、手書きのコメントが入った喪中欠礼に、お人柄が偲ばれます。

彼がケーキを手作りしたことは初めて知りました。
四十代の初めに「おじいちゃん」になったH君、
大変なことの多かった彼の人生ながら、
ご家族には 羨ましくなるほど! 恵まれていました。

> 友人に寒中見舞いの葉書を、百合の花を添えて作り送りましたが、
> 手書きの一言でも添えれば心が通ったのかもしれません。

活字であっても 定型文であっても... 何処かにその人!が偲ばれるものだと思います。

> 見事な紅葉の写真が素敵です。
> 毎日見ていた広場の銀杏はもう散ってしまいました。

お褒めいただきありがとうございます。
「いいでしょ」と妻に(写真のみ)見せたら 「いいですね」。
まぁ型どおりの相槌ながら通じた!と思うことにしました(笑)
美山には存在感のある大きな銀杏の樹があり... 撮りました。
でも 写真にしたら「もう一つ」 否! もう三つ!ぐらい、
UPするのは差し控えさせていただきました

ちあきなおみ「惜別の歌」
  死別!の歌ではありませんが、
  最愛の夫君 郷鍈治との別れを歌っているようで心うたれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ifjNIo1zdNI
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