(旧) 地球のどこか片隅で

今まで行った旅行先のエピソードを中心に、日々感じたことなどをつぶやいてます!!

素敵な旅の終わり方

2004-07-31 | ヨルダン

終わり良ければ全て良しといいますが、旅行でも第一印象とともに、旅の終わりはとっても重要なファクターです。

僕が今まで一番満足のいくエンディングを迎えられたと思った旅を挙げるとすれば、それはヨルダン旅行のときでしょう。

ヨルダンでの最終日。
僕は夕暮れの市街地を見渡せるアンマンで一番のビューポイントのアンマン城へと向かっていました。

ぼくをその場所に向かわせたのは、ワディ・ラムという赤い砂漠の一日ツアーで一緒になった星野さんの言葉でした。

「日が沈んだ後に、何かが起こるんです。でもそれは今は言わないでおきましょう。」

その謎解きをするために、僕は丘の上のサンセットビューポイントを探し、そのときを待ったのです。

待ってる間、僕はタクシードライバーのアリが買ってくれた、やたら種の多い果物を食べてました。一粒一粒噛締めながら食べていると、アンマンで出会ったたくさんの親切が思い出されて、夕陽が目に沁みました。


やがて日は沈み、いよいよあの瞬間がやってきました。
いったい何が起きるのでしょう?

しばらく待ってみましたが何も起きません。
仕方ないあきらめるかと思ったそのときでした。


突然街中がコーランの声で包まれたのです。四方八方のモスクから湧き上がる声。まるで大舞台で喝采を浴びているかのような快感と興奮

それまで、朝早くから起こされてうるさいとしか思っていなかったコーランの響きが、そのときばかりはとても神秘的なものに感じられました。

やがて街が静けさを取り戻す頃、夕景は夜景へと変わってました。

街への道を下りていくと、そこには少し恥ずかしげに「ハロー」と話しかけてくれる子供達の笑顔また笑顔

そんな至福のときの中、僕の旅は幕を閉じたのでした。

この写真を見ると今でもあのときの気持ちを思い出します。
終わりが良かった旅の思い出は、時が経っても美しいままなのです。

ラクダの足はどこにいったのか?

2004-07-29 | チュニジア

砂漠にたたずむ1頭のラクダがいます。
このラクダはヒトコブラクダ。サハラのあたりじゃドロマデールと呼ばれています。

ドロマデールって響き、なんか泥臭くて、のろまそうで、はっきり言ってあまりかっこよくないと思いませんか?
でもラクダの顔ってすごく優しくて、それでいてぬけてて、ドロマデールって名前がしっくり来るのです。

なのでここからはラクダ君じゃなくて、ドロマデール君と呼ぶことにしましょう。

このドロマデール君、実は日本人の70%が嫉妬するくらい足が長いのです。

ドロマデール君が立ち上がるときの順番は決まっていて、まず長い後ろ足を伸ばして、次に長い前足で踏ん張ります。

足が長いだけに、初めて乗る人は、最初に前につんのめりそうになって「うぉー」と驚き、次に体がぐいっと持ち上げられて、また「うぉー」と叫ぶ。そんなスリリングな気分を味わうことになります。

突然ですが、ここで写真をじっくり見てください。
しつこいくらい長い長いと言ってきた、ドロマデール君自慢の足はいったいどこにいったのでしょうか?

じーっと見て下さい。良ーく見て下さい。
なにか砂を掘った跡が見えますねぇ。
「実は足を砂に埋めて、暑さから守っているのです」














なんて事を言われて、素直に信じるのは、今まで人を疑ったことの無い僕くらいのものでしょう(実話)
正解は「ただ折りたたんでいるだけ」

それにしても器用に折りたたんでますね。

スラリとした長い足を、フラミンゴのように見せびらかすことなく、折りたたんで隠す。
「能ある鷹は爪隠す」とは、まさにドロマデール君のためにあるような言葉でしょう。

こんな奥床しいドロマデール君に僕は親近感を覚えます。

皆さんも綺麗な足を、カモシカとかフラミンゴに例えるのはもうやめましょう。
「君の足は、まるでドロマデールのようだ」
これからは、これで決まりです

ミナレットに登りたかったら、まずポリスを探せ

2004-07-28 | ウズベキスタン

イスラム教のモスクには付き物のミナレット

いくら「○○と煙は」と軽蔑されても登れるならば登りたい。そう思いませんか?

シルクロードの真珠と呼ばれるウズベキスタンには、数多くの美しいモスクが、そしてミナレットが残っています。

有名どころなら、受付でお金を払ってという正規の方法で登ることが出来るのですが、一見登れなさそうなところでも、実はほとんどのミナレットは登れてしまうのです。

でもどうやって?

困ったときは警察です。
モスクについたら、警備でうろうろしている暇そうな警官を探し、いかにもミナレットに登りた気な目をしてみて下さい。

きっと警官は「○○払えば登らせてやるよ」と言って寄ってきます。
ここで「ふーん、ウズベキスタンの警官は大変だなぁ。ミナレットの入場整理もやってるんだぁ」なんて呑気に感心していてはいけません。
この警官、絶対に最初は吹っかけてくるので、警官相手でもしっかりと価格交渉はしましょう。
何本かミナレットに登れば、だいたいの相場はわかるはずです。

警官に入場料(賄賂ともいう)を払ったら交渉成立。

でも入り口はどこ?

警官の後をついていくと、彼はおもむろに絵葉書売りのボードをずらします。するとあら不思議、そこには秘密の入り口が。

警官は、後は階段をひたすら登ればいいというところまで案内すると戻ってまた表の顔に変身です。

邪魔者も消えた後は自分だけの世界、ゆっくりとミナレットからの景色を満喫して下さい。

てっぺんからの景色は最高です。
皆さんもイスラム圏の国に行ったら、是非足がボロボロになるまでミナレットに登りまくってみてください。

マンタで占う、あなたの運勢

2004-07-27 | 

海の中は水族館ではないので、見たい魚が必ず見れるとは限りません。

海の大物に会えるかどうかは、その人の運次第だと言われます。

ダイビングと言うのは、一人では無く、何人かで一緒に潜ります。
雨男または雨女と一緒にアウトドアしたくないように、悲劇的に運の無い人よりは、大物運がある人と潜りたいというのはダイバーみんなの正直な気持ちでしょう。

沖縄の石垣島にマンタロードという、かなりの高確率でマンタ(イトマキエイというでっかいエイ)が見れる人気のポイントがあります。
僕も一度石垣島に潜りに行った事がありますが、そのとき石垣島の空港が濃霧で空港が使えず、沖縄本島で一日足止めを食ってしまいました。

翌日の飛行機で石垣島に着くと、宿で足止めを食っていなければ一緒に潜っていたはずだった人が撮影したビデオを見せてくれました。

そこに収められていたのは優雅に泳ぐマンタの姿

そのビデオを見て期待に胸を膨らませながら、翌日から三日間ダイビングしましたが、結局マンタを拝むことは出来ませんでした。

本島で足止めさえ食らっていなければ、いや待てよ、僕がいなかったからマンタが見れたのかも。

もしかして僕は運の無い疫病神?
嫌です。そんなの認めたくありません。

そして月日が経ち、僕は小笠原に向かいました。

イルカに、サメに、クジラに、マグロの群れに

そしてあのマンタも、なんと4枚同時に泳いでいるのを拝むことが出来たのです。

今なら自信を持って言えます。
僕は疫病神じゃありません。
幸運の男なんです。


皆さんもマンタで運勢占ってみませんか?

写真には写らないもの

2004-07-26 | 日本

今日の写真は、下北半島のむつ市の夜景です。

釜伏山の展望台からの夜景はまるで羽を広げた蝶のようです。

闇に浮かぶ光の蝶ってロマンチックだと思いませんか?
デートコースにいいかもなんて思ってませんか?

ところが、ここに行くには、ちょっとした気合が必要なんです。

最初の難関は展望塔までの肝試しドライブです。

むつ市から、明りも無い道をあの恐山に向かって走るのです。
道沿いの巨木が風で揺れ不気味な音を立て、目の前でいきなり落ち葉がウズを巻きます。
誰でももれなく森に迷ったヘンデルとグレーテル気分を満喫できるでしょう。

無事、展望台に辿り着いたら、出来るだけ展望台の入り口の近くに車を止めましょう。
ここでも強風があなたの行く手を妨げます。吹き飛ばされないように、姿勢を低くして展望塔を目指しましょう。

風が弱い日を選んで行けばと思うかも知れませんが、風が弱い日は霧で夜景がはっきり見えなくなってしまうそうです。
ここから夜景を取ったら、それこそ何も残りません。楽しては綺麗なものは見れないのです。

展望塔の二階に登ると、そこから窓越しの夜景が見えます。
それで十分な人はそれでいいのですが、薄汚れたガラス越しじゃ嫌だという人には、最後の難関が待っています。

外にでると寒いのです。当たり前ですが、これがものすごく寒いのです。

しばらく見てると体が芯まで冷えてしまうので、中に入って缶コーヒーで体を温めてから再チャレンジの繰り返しです。

さぁ、どうでしょう。
これでもデートに最適なんて思いますか?

水面下の白鳥の足のように、写真には写らないものがあるのです。

それでも行くという勇敢な皆さんに1ポイントアドバイスです。
綺麗な夜景の写真を撮りたかったら、野球の試合が無い日を選びましょう。

僕の写真の、一点だけ妙に明るくて浮いているのが球場の照明なんです。