お金があれば何でも出来るのか?
そう疑問に思う人はドバイに行ってみるといい。
自由港で稼いだお金で造られた砂漠の摩天楼都市。
ある日突然現れたような、連続性を感じない高層ビル街。
イエメンとドバイ。
同じアラビア半島にありながら、対極的とも言える、この二つの国。
昔から守り続けてきた頑固なまでの当たり前の生活が新鮮に見えるイエメン。
豪華だけど、オリジナリティがどこにあるのかわからないドバイ。
例えば砂漠ツアー。
空港で電話すれば、すぐにピッカピカの最新ランドクルーザーがやってくる。
快適な高速道路を走り、サービスエリアのようなところに入れば、そこがもう砂漠。
ジェットコースターのように縦横無尽に砂漠を走り回り、時間が来たらアトラクションはおしまい。
お次は楽しいバーベキュー。
ああ、なんて快適なんでしょう。
でも、何故か満たされない心。
どことなく、檻の中で飼いならされた動物達や、良く出来た巨大な東武ワールドスクエア的なものを感じてしまうのです。
極論すれば、すべてがフェイク。
誰かが唱えていた「旅人マゾ説」
「感動って、それに出会うまでにした苦労に比例する」なんて思ってる僕も、その仲間なのかも。
イエメンからの短いフライトの間に、気持ちを切り替えられなかった僕は、ドバイに物足りなさを感じてしまいましたが、インスタントな楽しみを求める人には最高の国。
逆にドバイモードでイエメンに行ったら、不自由極まりない最悪の国に感じてしまうことでしょう。
オリジナリティが無いって書いてしまったけど、何事も突き詰めれば、それが個性になります。
このままフェイク道を突き詰めれば、それがドバイのオリジナリティになるのかも知れません。