今日の写真は、下北半島のむつ市の夜景です。
釜伏山の展望台からの夜景はまるで羽を広げた蝶のようです。
闇に浮かぶ光の蝶ってロマンチックだと思いませんか?
デートコースにいいかもなんて思ってませんか?
ところが、ここに行くには、ちょっとした気合が必要なんです。
最初の難関は展望塔までの肝試しドライブです。
むつ市から、明りも無い道をあの恐山に向かって走るのです。
道沿いの巨木が風で揺れ不気味な音を立て、目の前でいきなり落ち葉がウズを巻きます。
誰でももれなく森に迷ったヘンデルとグレーテル気分を満喫できるでしょう。
無事、展望台に辿り着いたら、出来るだけ展望台の入り口の近くに車を止めましょう。
ここでも強風があなたの行く手を妨げます。吹き飛ばされないように、姿勢を低くして展望塔を目指しましょう。
風が弱い日を選んで行けばと思うかも知れませんが、風が弱い日は霧で夜景がはっきり見えなくなってしまうそうです。
ここから夜景を取ったら、それこそ何も残りません。楽しては綺麗なものは見れないのです。
展望塔の二階に登ると、そこから窓越しの夜景が見えます。
それで十分な人はそれでいいのですが、薄汚れたガラス越しじゃ嫌だという人には、最後の難関が待っています。
外にでると寒いのです。当たり前ですが、これがものすごく寒いのです。
しばらく見てると体が芯まで冷えてしまうので、中に入って缶コーヒーで体を温めてから再チャレンジの繰り返しです。
さぁ、どうでしょう。
これでもデートに最適なんて思いますか?
水面下の白鳥の足のように、写真には写らないものがあるのです。
それでも行くという勇敢な皆さんに1ポイントアドバイスです。
綺麗な夜景の写真を撮りたかったら、野球の試合が無い日を選びましょう。
僕の写真の、一点だけ妙に明るくて浮いているのが球場の照明なんです。