砂漠にたたずむ1頭のラクダがいます。
このラクダはヒトコブラクダ。サハラのあたりじゃドロマデールと呼ばれています。
ドロマデールって響き、なんか泥臭くて、のろまそうで、はっきり言ってあまりかっこよくないと思いませんか?
でもラクダの顔ってすごく優しくて、それでいてぬけてて、ドロマデールって名前がしっくり来るのです。
なのでここからはラクダ君じゃなくて、ドロマデール君と呼ぶことにしましょう。
このドロマデール君、実は日本人の70%が嫉妬するくらい足が長いのです。
ドロマデール君が立ち上がるときの順番は決まっていて、まず長い後ろ足を伸ばして、次に長い前足で踏ん張ります。
足が長いだけに、初めて乗る人は、最初に前につんのめりそうになって「うぉー」と驚き、次に体がぐいっと持ち上げられて、また「うぉー」と叫ぶ。そんなスリリングな気分を味わうことになります。
突然ですが、ここで写真をじっくり見てください。
しつこいくらい長い長いと言ってきた、ドロマデール君自慢の足はいったいどこにいったのでしょうか?
じーっと見て下さい。良ーく見て下さい。
なにか砂を掘った跡が見えますねぇ。
「実は足を砂に埋めて、暑さから守っているのです」
なんて事を言われて、素直に信じるのは、今まで人を疑ったことの無い僕くらいのものでしょう(実話)
正解は「ただ折りたたんでいるだけ」
それにしても器用に折りたたんでますね。
スラリとした長い足を、フラミンゴのように見せびらかすことなく、折りたたんで隠す。
「能ある鷹は爪隠す」とは、まさにドロマデール君のためにあるような言葉でしょう。
こんな奥床しいドロマデール君に僕は親近感を覚えます。
皆さんも綺麗な足を、カモシカとかフラミンゴに例えるのはもうやめましょう。
「君の足は、まるでドロマデールのようだ」
これからは、これで決まりです