のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

筆跡からわかったコト

2011年05月29日 23時22分06秒 | 日常生活
地元トモダチとの飲み会にて筆跡鑑定士の方に出会い
ご厚意で筆跡を見ていただくことができました。
常々、「文章と文字に性格って出るもんだよなー。」
と思ってはいましたが、やっぱりね・・・と納得の結果で
幼馴染とふたり、感嘆しつつ納得しつつ、
満足感の高い時間を過ごさせていただきました。

以下、なるほどねー、と納得したこと。

・モノゴトを客観的に見る目がある。
 だから、他人に対して(特に自分より上の立場の人に対して)
 視線が厳しくなりがち。
・上昇志向。それゆえに、自分に対して厳しい。
 他人にも厳しい。
・正しいことを容赦なく言う傾向にある。
・人あたりがよいけれど、「いい人ゆえ」の人当たりのよさではなく
 「見返りを求めて」の人当たりのよさ。
 だから、同じような反応が返ってこないと、怒る傾向にある。
・安定した愛情をたくさん受けて育った人特有の安定感がある。
・普段は自分から積極的に表に出ったり、周りを引っ張ったり
 することはないけれど、いざというときには逃げ出さない
 気の強さを持っている。

えー。特に「他人に対して厳しい」という内容は
手を変え品を変え、言葉を変えてたとえも変えて、
5回ぐらいは繰り返し言われました。
はっはっはー。まったくもって否定はしません。できません。

でもって、うっそだー!と不思議に思ったこと。

・美的センスに優れている。
・創造力に恵まれている。

ないないない!
美的センスに恵まれたことなんて一回たりともありません!
んなセンスに恵まれていたら、
学生時代に美術であんなに苦労していません!
創造力も間違いなくありませんっ!
んな能力を持っていたら
会社生活でこんなに苦労しておりませんっ!
言われたことしかできないから
(むしろ、言われたことすらできていませんが。)
書類作成で、仕事の企画でいっぱいいっぱい苦労しているんだってば。

と、憤慨しつつ、上記の話を母上にしたところ、
ひとつめの「美的センスうんぬんかんぬん」については
「んな馬鹿な!じゃあ、なんで部屋があんなに汚いの?
 いつも変な格好ばっかりしてるし。」
と母上も疑問を呈し。
ふたつめの「創造力うんぬんかんぬん」については
「やっぱりね!
 あんた創造力も想像力もありすぎるんよ。
 作り話ばっかりしようもんね。」
と、身も蓋もない納得の仕方をしておりました。

・・・信頼感ゼロのコメントありがとう。
つまるところ、母上の中での娘のポジションは
「嘘つき」や「ほらふき」にことごとく近いところにあるらしい。
というコトも筆跡鑑定結果によって分かりました。

カテゴリの場所が近い感じ

2011年05月28日 14時45分12秒 | 日常生活
バスを降りる際、バスの運転手さんに
「ありがとうございました。」とお伝えするつもりが
なぜかまったく「ありがとう」という言葉が出てこず。

なんだっけ、なんだっけ・・・と焦った末に出てきた言葉が
「よろしくお願いします!」でした。

言われた運転手さんもきょとん。
口にした私はもっときょとん。
そして、周囲の方には、ほんの少しだけくすりとされました。

・・・なんで。
なんで「ありがとう」が出てこなかったんだろう。

虚実混交

2011年05月28日 14時01分05秒 | 日常生活
現在のプロジェクトがひと段落ついたので、メンバで呑みに行きました。
怠惰な幹事(つまり、私ですが)が仕切っていたため、
当日までにしたことといえば参加者のチェックのみ。
お店もなんとなく「このお店でいいですよね?」と昼過ぎあたりに
参加メンバにお伺いを立て、定時終了してから開始時刻を告げる始末。

でも、まあそんな感じの「なあなあな雰囲気」に
後輩はとてつもない安心感を抱いた模様。
みんなでのんびりまったりと楽しみました。
私も呑み放題ではなかったので、安心してゆっくりとお酒を楽しみました。

貧乏性の私は「呑み放題」にしてしまうと、
ついついお酒を呑みすぎてしまうきらいにあり、
先週金曜に手ひどく呑みすぎてしまったばかり。
そのために、今回はあえて「呑み放題」にしない方向を選択したのですが。

一杯の焼酎にたっぷり時間をかけてゆっくり楽しんでいる私を見つめながら
後輩が不思議そうに言いました。
「会社の人と呑むたびにのりぞうさんのことを聞くんですけど・・・。
 のりぞうさんって、外で聞く噂と実際の姿がまったく異なりますよね。
 なんか飲み会でのりぞうさんの話を聞くたびに不思議な気持ちになります。」


・・・この子、一体、外で何を聞いてきているんだろう。
と、一度、膝をつきあわせて話をしたい気持ちになりました。

夏の始まりを告げる音

2011年05月22日 22時30分59秒 | 日常生活
友人の結婚披露宴に参加するため、日曜日の博多駅経由キャナルシティへ。
天真爛漫で人が大好きな友人らしい明るい笑顔いっぱいの披露宴で
泣いたり笑ったり笑ったり笑ったり美味しい食事に舌鼓をうったり、と
精神的にも胃袋的にも忙しい1日でした。
大学時代の同級生とも卒業以来10年ぶりに再会でき、一期一会を実感。
進む道も住む地域も、今の生活環境も異なるので
おそらくもう2度と会うことはない気がするけれど
それでも大学時代の4年間をあの特殊な空間で共に過ごした仲間と
再会できたこと、お互いの近況を知ることができたことは大きな喜びでした。

そんなこんなで心を震わせすぎて(なおかつ、美味しい食事を
美味しいがゆえに許容量以上に食べすぎて)若干お疲れモードで
小倉に戻ってきました。
あまりに(胃袋が)疲れたために、我が家へは歩いて帰ろうと決め
徒歩20分ほどの帰路をのんびりぶらぶらと歩いていたところ
小倉の町並みが博多に比べると格段に静かなことに気が付きました。

もとい。
博多が(特に駅周辺部が)いかに喧騒に満ちていたか
どれだけ人であふれかえっていたかに気付かされました。
そして。
小倉のこの静かな日曜の昼下がりにほっと一息ついている自分、
我が家に帰ってきたような気持ちを味わている自分にも気付かされました。
博多駅の中にいるときはまったく気付かなかったけれど
私はあの音が氾濫している空間に
ものすごく気を張り詰めていたんだな、と思いました。

たぶん。
今の私にとって、博多駅のあの空間は
エネルギーを必要としすぎるんだろうな、と
小さなこじんまりとした小倉城を右手に眺めながらしみじみと思いました。
人がたくさんいればいるほど、なんとなく寂しい気持ちになってしまう。
まるでひとりぼっちのような錯覚を抱いてしまう。
それは今の私が若干、パワー不足だからなんだろうな、と思いました。

そんなしみじみとした気持ちになっていた私を
迎えてくれた小倉の町で耳にしたのは今年初めての太鼓の音。
あたたかい空気と鳴り響く太鼓の音に夏が近づいているな、と思い
なんだかものすごく嬉しい気持ちになりました。

さあ夏だ、と思いました。

ジェンダーフリー

2011年05月19日 23時52分26秒 | 日常生活
久々のジョシ会。
女子会のすごいところはお酒がまったく入っていなくても
充分に盛り上がれるところだと実感できる非常に実りある4時間でした。
参加者5名中3名がノンアルコールという状況の中
アルコールが入っている私がひたすら圧倒されっぱなし、笑わされっぱなし。

飲み会の帰り道、みんなと別れた駅で
思わず、満足感あふれるため息をつきました。

はー!楽しかった!!

・・・なんで。
なんでこんなに悪口や仕事の愚痴って面白いんだろ。
会社生活は面倒なことも多いけれど
でも、話題にはことかかない毎日を提供してくれているんだなー、と実感。
4時間話してネタがまったく尽きないどころか
「時間が足りんよね!!」と言いながら別れるってすごいなー。
オモシロイ人がたくさんいる会社なんだなー。

ところで。
ワタクシの勤める会社は、合併による影響なのか、
事業所によって雰囲気がまったく異なるのですが、
ある事業所では女性が非常に優遇されているらしいという噂を耳にしました。
なんでも女性は飲み会のお店も好きなところを選ばせてもらえるし
会費もおごってもらえることが多いんだとか。
会費が発生されたとしても、
その場合は男性の半額ぐらいに設定されるんだとか。

なにそれー!?
とジョシ会の空気が荒れに荒れました。
あたしたち、そんな優遇を一回たりとも受けたことないよね?!
いつだって割り勘上等!だったよね?!
あたしたち、別に男女平等なんて求めてないのにね?!
と、おおいに憤慨する参加者一同。

そーですよ!
大体、あたしは飲み会でも女性扱いされたことすらないですよー!
一回ぐらいちやほやされてみたいですよー。
男女の比率を考えたら、
「オンナノコ」としてかわいがってもらった時期が
あってもよくないですか?
(既に「オンナノコ」期間を通り過ぎた自覚はあるらしい。)

と、ワタクシもその会話に嬉々としてのっかったところ
その場にいらっしゃった諸先輩方全員から即効で
「いや、のりぞうちゃんは「オトコ」やし。」
と切り捨てられました。

あまりの即答ぶりがむしろ気持ちよく。
思わず「そっかー!」と納得してしまいました。

が。
よくよく考えると、
本日の参加者はみな私以上に男らしい方々ばかりだと思うのです。
ドラマの中でよく見かけるOL像とは無縁。
女同士のいざこざとかそういっためんどいものとも無縁。
実にありがたい関係を築かせていただいている諸先輩方で。
そういったメンバーの中でなにゆえに私が代表選手のように
名指しで「オトコ」と言われてしまったのか
未だに納得いきません。まったくもって腑に落ちません。

木の葉聖書/阪田寛夫

2011年05月17日 22時41分35秒 | 備忘録
「おなかのへるうた」や「さっちゃん」の童謡が有名な詩人、阪田寛夫さん。
彼のすべての詩が収録された詩集が刊行されたというニュースと共に
「木の葉聖書」という詩が今朝の新聞に掲載されていました。

あまりに素敵な詩だったので、自分用のメモとして記録。
詩集もぜひぜひ本棚に並べたい。

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神さん
なんでおれひとり
いじめられてばっかり
おらんならんのか
と、悲しむ者は
しあわせや
木の葉が一枚
おまえの肩にとまっても
泣くほどうれしく
なるやろが
ほんまにわしは
きみらに告げる
わし一枚が
風に吹かれて落ちるのも
じぶんかってに
ひらひらするのやないわいな
とこ
とんやれな

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読みながらまさしく聖書だな、と思いました。
言葉を大切にする詩人という生き方ってすごい。
こんなにも分かりやすい言葉で聖書の世界観を再構築できるなんて。

読み返すうちに、ドラマ「セクシーボイスアンドロボ」で
浅丘ルリ子さんが演じた謎の夫人の科白を思い出しました。

「そうよ。あなたのせいよ。
 だってあなた一人で生きているんじゃないもの。
 この世界にあなたは関わっているの。
 どうしようもなく関わっているのよ。」

オカネスキー

2011年05月16日 23時03分53秒 | 日常生活
先週日曜日、ぶらりと寄った古本屋で「4冊1000円」の
セールが行われていました。

「4冊1000円」が安いかどうかというと微妙なところ。
なにせ、私が古本屋でいつもチェックするコーナーは
1冊100円のコーナーのみなのです。4冊で400円!
でも、昔から好きな作家さんは文庫になった時点で
ついつい買ってしまうことが多く、ほとんど持ってるし
最近、好きになったばかりの作家さんは
まだ読んだことのない作品を新刊で買えるほどの冒険はできないけれど
100円コーナーにちっとも降りてこないし・・・、と思案しつつ、
ぶらぶらと本棚を覗いて回りました。

すると。
家族全員(除・父上)が大好きな作家さんの本を上下巻2冊で発見!
わー!これはぜひともほしいー!連れて帰りたいー!!
と即効、左手で抱え込みました。

その数分後には
現在、絶賛再読中の京極作品をこれまた上下二巻で発見!
京極さんの作品はすべて集めると、本棚がどれだけあっても足りないぐらい
1冊が分厚くて、集めるのにためらいを感じるけれど、
でもでもこのシリーズだけは集めたいと思ってたんだよね。
分厚いだけに新刊で購入すると文庫本とは思えないぐらい高いし。
でも、本棚にはもう余裕がないような気もする・・・。どーしよー。
と迷いながらも「4冊で1000円だからね。」と右手で抱え込みました。

と、その直後。
その文章から垣間見える人柄さえも愛してやまない作家さん
北村薫さんの作品を2冊発見!
3作目が見事、直木賞を受賞したシリーズ作品の最初の2冊を発見です。
なんて美しい色合いの表紙!と装丁を見ただけで幸せな気持ちに。
即座に左手で抱え込みました。

・・・しまった。
現在、腕に抱えている本は全部で6冊。
でも古本屋さんのセールは「4冊で1000円」。
なやむー!!選べないー!!と、散々、逡巡に逡巡を重ねた挙句、
「もっとも読みたい本」ではなく、
「もっともコストパフォーマンスがよい本」という観点で購入することに。
となると、1秒で本の選定が終わります。
コストパフォーマンスを考えるのであれば、断然、京極作品!
だってまっとうに買ったら、文庫なのに1冊800円、1000円するのです。

でもねー。
北村作品の装丁の美しさと来たら。
あの文庫本はぜひとも我が家にお迎えしたいなー。
そもそも京極作品2冊がきちんと本棚におさまるのか、そこも不安だしなー。
と逡巡をさらに繰り返し。
でもやっぱりコストパフォーマンスだよね!
と本来の金額との差額の大きい京極作品2冊を選んだのでした。

で、本日。
購入した本を本棚になおそうと本棚を開けたところ
本棚の中にまったく同じタイトルの京極作品と再会を果たしました。

おーのー!!
あんなに!あんなに悩んで悩んで悩んで悩んで
購入を決めたのに、まさか我が家に既にいらっしゃろうとは。
朝から大きなダメージを受けて会社に出発する羽目に。

正直なところ。
ずぼらな私はお財布の中身なんてほとんど把握していないため
財布の中から1,000円冊3枚ぐらい抜き出されても
気付かない可能性大で(これはこれで大問題。)
お金への執着は少ないほうだと思っていたのです。

それなのに、「500円も損した!!」
と朝から大きなダメージを受けた自分に対して
なんだ、やっぱりお金に執着あるんじゃないか
お金が大好きなんじゃないか、と思いました。

だったら、お金を大切に使いなさいよ、と。
せっかく新しいおうちに連れてこられたと思ったら既に同じ子がいて、
新しい「我が家」に到着すると同時に追い出されるなんて
そんな切ないことをしちゃだめだよ、と切実に思いました。
ホントに申し訳ない・・・。

人は人。自分は自分。と言われて育った人。

2011年05月15日 23時16分18秒 | 日常生活
礼拝終了後、青年会の役員会が開催され、
次回の例会のテーマや進め方について、話し合いを行いました。

「やっぱり情報共有後のわかちあいは少人数のほうがいいよね。」
「1グループ5人以下ぐらいで話し合うと、意見の出方が変わってくるよね。」
「やっぱり少人数のほうが意見を言いやすいんだろうねぇ。」
「そういえば、この前も話が盛り上がったけん、時間を延長したもんね。」

といったような検討をみんなが行っている中、
ひとり話についていけないワタクシ。

・・・何グループかにわけて話し合いをしたことなんて、あったっけ?
それ、いつの話?私、出席してた??

「いた!いた!」
「前回ですよ!のりさんも出席してましたよ!」
とそっこーで返されましたが、記憶がちっとも蘇りません。

うん。前回の例会には出席した。ちゃんと覚えてる!
・・・でも、グループに分けたりした?本当に?!

「しましたよ!のりさんのグループには
 ちょみちゃんとか先生がいましたよ?」
と、具体的な名前を出されて、
ようやくようやく少しずつ記憶が蘇ってきました。

した!した!私もその場にいた!
グループに分けて、話し合った!ちょみちゃんとも意見を言い合った!
と、徐々に鮮明になる記憶をがっしりと捕まえて喜びました。

「じゃあ、各グループのリーダーを決めましょうか。
 前回は3名だったんですよね。今回も3名かなぁ。」

・・・え?りぃだぁ?
リーダーねぇ。



・・・。
いましたっけ?本当に??
ちなみに。
念のために聞くだけですけど、ちなみに。
私、どのリーダーとご一緒させてもらってましたっけ?

と、追加確認を行ったところ、
その場にいたメンバ全員から一斉に
ものすごくまっとうなご意見をいただきました。
意見をいただいたというよりは、「思わず」という感じで叫ばれました。


「もっと周囲に関心を持って!」

・・・まったくもって反論できませんでした。
うん。
もっとね。もっと人に関心を持ちたいなー、と思ってはいるんだよね。
もっと人としっかり向き合えたらなー、とも思ってるの。
ただね。ただ、その能力があまりに不足しているというか
0に何を掛けても0というか。

そういえば。
ゴールデンウィーク直前のセレブ女子会でも
友人ふたりに同じようなことを言われたなぁ、と
懐かしく思い出しました。

「のりはさ、『これだけは譲れん』っていうものってないと?」
という問いかけに悩んでいた私に、友人が差し出してくれた助け舟。

「傍から見てると、のりが一番こだわっているのは
 やっぱり『自分』なんじゃないかな、と思うよ。」

「自分最優先」ってすごいなー。(思わず他人事。)
そして、このときもやっぱり反論できず。
反論と言うよりもむしろ、その意見に心の底から納得してたっけ。


・・・もっと人を見て過ごそうと思います。

2011年4月の読書

2011年05月14日 15時40分48秒 | 読書歴
今年はこのペースで読書と向き合うことになりそうです。
他にもちょこちょこ流し読みしている仕事関係の本があるものの
流し読みの上に部分読みで、「読んだ本」としてあげられません。
つまるところ、私は純粋に「読書」が好き、というわけではないんだろうな、
と思いました。「活字中毒なんです!」と言える人、
どのジャンルももれなく楽しめる人に心底憧れます。

33.触れもせで-向田邦子との20年/久世光彦
34.夢あたたかき-向田邦子との20年/久世光彦

■感想 ☆☆☆☆*
 久世さんにとって、向田さんは永遠に触れられない大切な人だったんだろうな
 と思いました。「恋愛感情ではない」と何度も書いているけれど、やっぱり
 どこかに恋愛感情のようなものが混じっていたのではないかと思います。
 それぐらい、彼女を思う気持ちが伝わってくる文章の数々でした。

35.誰よりも美しい妻/井上荒野
■ストーリ
 ヴァイオリニストの夫、夫の先妻と若い愛人。息子とその恋人。
 誰よりも美しい妻を中心に愛の輪舞が始まる。

■感想 ☆☆*
 誰よりも美しい妻を誇りに思いながら、次々に若い恋人を作る夫。
 恋を求めずには生きられない夫に次々と訪れる新しい恋をすべて
 把握している妻は、そんな夫をただひたすらに見守り続けます。
 恋愛と結婚は違うし、愛情と情も違う。でも、どちらにせよ、
 つながりたい誰かがいたり、関わりたいと思う大切な誰かがいるから、
 人は孤独を感じるんだろうな、と思いました。

36.池袋ウェストゲートパーク/石田衣良
37.少年計数器 -ウェストゲートパークⅡ-/石田衣良
■ストーリ
 池袋で八百屋を営みながら、退屈しのぎになんでも屋のようなことを
 しているマコト。今夜も池袋はトラブルがいっぱい。刺す少年に
 消えた少女、潰し合うギャング団。少年たちは事件解決を求めて
 池袋を駆け抜ける。

■感想 ☆☆☆☆
 テンポのよい文章で、楽しませてくれるザ・エンターテイメント!な
 作品。メリハリの利いた文章とノリのよさを重視した会話、作りこまれた
 キャラクターと世界観で徹頭徹尾楽しませてくれます。
 それにしてもクドカンはすごい!ドラマを見てこの作品を読むと、
 あのドラマがいかに原作のテイストをかきけすことなく、話が
 再構築されているかがよく分かります。そして、原作のテイストが
 かき消されていないのに、見事にクドカンテイストにもなっていて
 そのバランスのよい話の作り方に感動しました。
 いまや、この作品はあのキャスティング以外に考えられないもの。
 また見たいなー。再放送熱烈希望。

38.ぜつぼう/本谷有希子
■ストーリ
 俺はぜつぼうしているが故に俺なのだ。
 ぜつぼう、から人間は立ち直れるのか?売れなくなった芸人の絶望の
 人生。希望よりも絶望することの方が生きる力に溢れているという
 人間の性を描く。

■感想 ☆☆☆
 文章はとても読みやすいのに、文章が読みやすいからこそ、文章の
 ざらざらした質感が特徴的な作品。読んでいる最中も、読み終えた
 後もひたすらに眉間に皺を寄せていました。主人公に共感はできません。
 それなのに、分かってしまう部分もある自分にやるせなさを感じました。
 おそらく自己顕示欲が強く、自意識過剰な人ほど、この主人公の
 気持ちの移り変わりが分かってしまうんではないかと思います。
 立ち止まることにエネルギーを費やすことで生きる実感を得る。
 そういうことってあるのかもしれない、とも思いました。
 ラストのかすかなかすかな希望が、本当にかすかなのに、
 かすかだからこそ、「それでも希望はある」と感じさせてくれる
 力強い作品でした。

39.クレヨン王国月のたまご(1)(2)(3)/福永令三
■ストーリ
 小学6年生のまゆみは、私立受験に落ちたショックで自暴自棄に
 なっていたところを見知らぬ青年三郎に助けられます。彼の運転する
 トラックでいつのまにかクレヨン王国に入ってしまったまゆみ。
 彼女はそこで、三郎、ブタのストンストン、ニワトリのアラエッサと
 ともに、「月のたまご」を救出する旅に出ることになります。
 それは、危険がいっぱいの愛と冒険の旅だったのです。

■感想 ☆☆☆☆*
 大好きなクレヨン王国を久々に読み返しました。月のたまご第1巻は
 大好きだったけれど、第2巻からは当時の私にとっては話が難しく、
 途中で放棄していました。今回、久々に読み返して、第2巻、第3巻の
 話の面白さ、描かれている人間の業の深さ、哲学的な話の展開に
 驚きました。最後まで読み通したいなぁ。月のたまごは全8巻。
 その後に4冊続編が続いて全12冊で完結だそうです。買っちゃおうかな。

42.砂漠/伊坂幸太郎
■ストーリ
 「大学の一年間なんてあっという間だ」。入学、一人暮らし、新しい友人、
 麻雀、合コン。普通のキャンパスライフを楽しむ5人の大学生は
 社会という「砂漠」に巣立つ前の「オアシス」で、超能力に遭遇したり
 不穏な犯罪者に翻弄されたり、恋をしたりしながら、あっという間に
 過ぎゆく日々を送っていく。パワーみなぎる青春小説。

■感想 ☆☆☆☆
 物語の核となるものは通り魔強盗と空き巣事件。2つの事件が登場人物
 5人の日常に少しずつ影響を与え、大学生活の四季を彩る。
 それぞれの季節に起こるちょっとした事件とその結末。そして迎える
 旅立ちのとき。読み終えた後、胸にこみ上げてくるものがあった。
 それにしても、キャラクターの造詣が見事。特に中心人物、西嶋は
 初読の際に、なんて自分勝手で自己流で都合よくポジティブなんだろう、
 と少しイライラしながら見守っていましたが、今回、読み返してようやく
 彼の魅力に気付くことができました。その場その場で意見が変わっても
 ぶれることなく「自分の気持ち」を優先させるその姿勢が彼の言葉に
 説得力を与えていた。
 「目の前の危機を救えばいいじゃないですか。
  今、目の前で泣いている人を救えない人間がね、
  明日、世界を救えるわけがないんですよ。」

43.アイスクリン強し/畠中恵
■ストーリ
 ビスキット、チヨコレイト、アイスクリン、シユウクリーム、スイートポテト。
 南蛮菓子から西洋菓子へと呼び名が変わり、新たな品々が数多登場。
 そんなスイーツ文明開化の東京で、孤児として生まれ育った真次郎は、
 念願の西洋菓子屋・風琴屋を開いた。そこには甘い菓子目当てに元幕臣の
 若い警官達が訪れ、それに伴い厄介ごとも次々と現れて・・・。

■感想 ☆☆☆
 作者お得意のキャラモノ作品。世界観が作りこまれています。
 さくさくと読み終えて読後感は爽やか。ただ少し軽すぎて物足りなさを
 感じることも。楽しく読める1冊であることに間違いありません。
 続編「若様組参る!」もある模様。こちらも読みたいなー。

44.ブルータワー/石田衣良
■ストーリ
 悪性の脳腫瘍で、死を宣告された男が200年後の世界に意識だけ
 タイムスリップした。地表は殺人ウイルスが蔓延し、人々は高さ2キロ
 メートルの塔に閉じこめられ、完璧な階層社会を形成している未来へ。
 平凡なひとりの男が世界を崩壊から救う物語。

■感想 ☆☆☆
 9月11日の自爆テロを見た著者が「書いておきたい」と思った物語。
 戦い、いがみ合うことでは「明日」も「希望」も望めないという
 著者の想いが伝わってくる作品でした。

45.イキルキス/舞城王太郎
■ストーリ
 物語には生をもたらすキスと、死を招くキスがある。青春、恋愛、
 セックス、暴力、家族。みんなカナグリ生きている。

■感想 ☆☆☆
 これでこそ舞城さん!と思わず喝采したくなるようなハチャメチャな
 でもリズム感があるおかげで読み続けると癖になる文章。
 とんでもない話の構成と発想力。そして、何より人間に対する希望。
 誰かが誰かを思う気持ちが与えてくれる希望の大きさをまったく
 素直でない描写でじんわり温かく描いてくれていました。
 読みこなすのに力がいるけれど、やっぱり癖になる。
 そう思える大好きな作家さんです。

46.阪急電車/有川浩
■ストーリ
 恋の始まり、別れの兆し、そして途中下車。関西のローカル線を
 舞台に繰り広げられる、片道わずか15分の胸キュン物語。
 人と人が交差する物語。

■感想 ☆☆☆☆☆
 1冊の薄い文庫本に16の短編。1編1編は、読みやすい文章という
 こともあって、あっという間に読み終えられます。けれど、各編が
 リンクし合い、ある話の主人公が他の話でチョイ役で再登場したり
 ふたたびヒロインとして再登場したり、と連携しているためか、
 短編集にありがちな物足りなさをまったく感じさせません。
 人生には出会いがあって、別れがあって、電車の中という限られた
 空間で出会っても、お互いの人生にちょっとずつ影響を与え合って。
 誰もが自分の人生の主人公で、そして誰もが誰かの人生の脇役なのだ
 ということをしみじみと味あわせてくれる温かい作品でした。
 そして、登場人物がみなまっすぐ背筋を正して生きている清清しい
 作品でもありました。
 
47.冬の薔薇/パトリシア・A・マキリップ
■ストーリ
 ロイズは人には見えないものを視る目を持つ風変わりな少女。
 ある日、彼女は森の泉のほとりで、ひとりの若者が光の中から歩み出て
 くるのを見た。若者の名はコルベット。呪われていると噂され、廃墟に
 なっているリン屋敷の跡取りだという。

■感想 ☆☆☆*
 スコットランドの民間伝承「タム=リン伝説」を題材にした作品。
 同じく「タム=リン伝説」を題材にしたダイアナ・ウィン・ジョーンズの
 「九年目の魔法」を私が大好きだと知った教会員の方が貸してください
 ました。同じ伝説がテーマとなっていて、話の筋はやはりどこか同じもの
 を感じさせてくれますが、作者や作風が異なるため、(当たり前では
 ありますが)まったく異なる作品。同じ伝説をテーマにしてここまで
 異なる物語を作り上げられるのか、と作家さんの発想力に敬服しました。
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品はファンタジーでもどこか
 かわいらしさとコメディを持ち合わせた作品ですが、マキリップの
 この作品はどこまでも幻想的で美しく、どこかモネの絵を思い出させる
 雰囲気でした。物語の始めでは幼く恋とは縁遠い「少女」だった
 ヒロインが長い長い冬を越えて、ラストで一気に美しく花開くその
 瞬間が美しく圧倒的な作品でした。 

呑んだ呑んだ

2011年05月14日 02時38分03秒 | 日常生活
ひっさびさにしこたまお酒を呑みました。
週末だしね。
仕事に終わりが見えてきて気持ちよく週末を迎えられちゃったしね。
呑み始めたらエンジンかかっちゃったよね。
と自分に言い訳をしつつ。
呑もうと思えば呑めるもんだなー、と自分に感心しました。

呑みモードにエンジンがかかった私を見ていたかのように
今月は飲み会が盛り沢山で入っています。

呑むぞー!!

と息巻いていたら。
本日、ご一緒した呑み友達からにこやかに
「呑み方が実に男らしいね。」と褒められました。


・・・あれは。
褒めてなかったのかな。
褒めてなかったような気もするな。

でも、今月は呑みます。