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『明日カノ』最終巻言いたい放題・その1。

2024年03月19日 | 言いたい放題
【完結おめでとうございます!】

をのひなおさんの大人気漫画『明日、私は誰かのカノジョ』が無事に完結し、電子コミックと紙コミックが発売されました。

いやー、おめでとうございます

20年前くらいになっちゃうかもしれないけど、ここまで普段漫画を読まない層にも読まれた作品は矢沢あいさんの『NANA』以来かもと私は思いました。

『明日カノ』を描いている間にをのさんは20代から30代になられたそうで、

「読み返すと描いていた時と全く違う気持ちになることもあった」

と。

それが成長なのだろうなあ…しみじみ。

たしかこの作品はをのさんのデビュー作でもあり、最初はかなり荒削りの構成や作りこみが私には目につきました。

雪さん編最初期(ソータくんとの物語)からリナちゃん編はまさしくそう。

ただ

「この気持ちは本当だ」

という最大の魅力は当時もあったよね。

彩さん編もその域を出ませんが、リアルさを追求してクオリティを大幅アップ・かつ新しい読者層に広く刺さったのが萌ちゃん編。

チャンスを実力でつかみ、ものにしたのが素晴らしいですよね

(萌ちゃん編は長く言いたい放題記事を書かせていただきました。
   ↓
 ・萌ちゃん編『明日カノ』言いたい放題・その1。

「最初にしっかりとゴールや設定を決めておかないと描けない」

とおっしゃる漫画家さんはたくさんいて、もしかするとをのさんもそうなのかなーと思ったのが、結局リナちゃん・彩さんの二人を深く描けなかったところ。

特にリナ。

苗字も歴史もわからなかったよ…。

なんで最終巻であんなにリナが成長したのかも描かれませんでしたしね。

私はリナちゃんがけっこう好きなので寂しい…けれど仕方ない。

とにもかくにも、完結おめでとうございます。

連載中は本当に何度もをのさん体調を崩されていたので、しっかり休んで体を治してほしいです。

では、ラスト『明日カノ』言いたい放題、書かせていただきます!

当たり前ですがネタバレしかしていないので、ネタバレ嫌な方はこの記事じゃなくて単行本を読んでくださいませ

【好きなのに…太陽くんとの縁を断ち切る】

最終巻のオープニングは、毒母に初めて反抗できてテンションおかしいことになってる彼氏=太陽くんと、毒母を信じてみようと思ったのにあっさり裏切られてズタズタに傷ついてしまった彼女=雪さんが

「お互いの心に向き合う余裕がないゆえに、傷つけ合って別れる」

という悲しい場面。

二人共ちゃんと好き合っているのに、心がボロボロすぎて・思考回路を捻じ曲げられすぎて全然上手くいかない…。

こういう悲しい擦れ違い・傷つけ合いって人生でうんざりするほどあるね…

二人共頭では自分のことを客観視できるのに、実際大切な人を前にすると傷ついた本心がわーっと出てきてしまってうまくいかない。

いやーもう、雪さんも太陽くんも本当に賢い良い子でね…。

太陽くんは

「嫉妬して疑うのに疲れてた。

 これでやっと疑わずに済む」

と、雪さんは

「これでやっと捨てられるかもって怯えずに済む」

と悲しい別れをそれぞれ冷静に分析しているのがとても悲しい。

相手のせいじゃない、自分のせいだって二人共わかってるんですよね。

毒親に傷つけられて心をめちゃくちゃにされた被害者なのに。

かなしい(かなしい)。

まあでも。

『明日カノ』の男性キャラの中で突出して魅力的に描かれていますよね、太陽くんは。

ものすごく良い子。

女性キャラは魅力的に描く一方で男性キャラは残虐性・幼稚性を感じる描かれ方が多かったので(男性→女性への仕打ちならそれはけしてリアリティーのないものではないし)、太陽くんもそういった面を強調されるかと思ったら

「雪さん(女の子)と同じように苦しみ、もがき、一生懸命生きている健気な人」

に描いている。

それがすごく作者からの愛に思えて、をのさん男性キャラにも愛がすごく感じられるようになったなーと私はジーンときました。

【リナの成長はどこから?】

太陽くんと別れた雪さんは、いつの間にやら内定も決まったらしくレンタル彼女のバイトに逃避するようになります。

抜群の自己プロデュースぶりに磨きをかけ、

「理想のカノジョになりきって、言ってほしそうな言葉を返して、代わる代わるそれを演じて、ああ楽だな、何も心が動かされない」

と仕事を入れまくります。

「楽だ楽だ」

というわりに仕事を終えて家に帰ると疲れきっていて、どんどん家が荒れていくのが実にわかりやすい逃避依存行為なんだと示唆されている。

ワーカーホリック=仕事中毒だねえ

1ヶ月後にリナちゃんに太陽くんとの別れを報告し、なんでなんでと聞かれても言葉を返せない雪さんにリナはサインを感じ取り深追いせず、かつちゃーんと思いやりの心で包みながら話してくれる。

「いつでもリナは雪の味方だよ」

という愛を込めながら。

…すごく美しい友愛だし、リナちゃんの成長は素晴らしいけど、何由来でこの成長ですか?(笑)

をのさんが意識していたかはわからないけど、当初のリナって愛さん=雪実母。に重なるようなキャラ作りだったんですよ。

ルックスが良いけれど男性依存症で、気分の浮き沈みで平気で雪さんを雑に扱うという。

男がいれば大してより付かず、寂しい時にだけ雪さんに全力ケアを当然のように求めて。

男が寄ってきたら何も考えず雪さんを捨ててそっちへ行って、全部やったこと忘れちゃう。

誕生日ディナーに雪さんが決まっていた仕事を正之さんに直々にお願いしてまで延期してもらって、店を予約しケーキまで頼んでちゃんと待っていたのにパパ活買○男といたすためにすっぽかしたじゃないですか

ちなみに幼げな甘い話し方もリナと愛さんはそっくり。

こういう女性に振り回されるのに雪さんは慣れちゃってる…という伏線回収になると思ったんだけどなあ。

主人公雪さんに対して正ヒロインの扱いを受けて貫き通したキャラクター・リナ。

もったいない…でも描けないなら仕方ないのか。

【愛さん、彼氏に振られる】

似たようなリナちゃんがいつの間にやら健やかで思いやり溢れる素晴らしいレディーに成長していたのに対して、雪母=愛さんは何も変わらず。

雪さんとの約束をすっぽかしラインブロック(!!)する理由になった復縁彼氏に相変わらず夢中です。

男性依存症なんだよなー。

いるいる、こういう人いる

ちなみに時系列でいうと、江美さん&幸子さんとのプチ同窓会の直前になります。

愛さん…友達にならふつうに感じよく振舞える人なんだろうなあ。

家族・恋人にだけ激ヤバになる人は男女ともたくさんいるから…。

ルンルンでデートしていたのに、彼氏は心ここにあらず、いかにもな無表情。

これを女性でありながら読み取れない愛さんて。

「喫茶店入ろう、話がしたい」

とうながされ…。

予想通り振られたご様子。

(をのさんは細かい描写あんまりしない)

マスカラが溶けるほどボロ泣きして

「あたしよりただ若いだけの女を選ぶわけ

 男なんて結局 最後にはあたしを捨てるんだ」

ですって。

このリアルで美しくない激昂の表情、白髪っぽく入れられる髪の白いライン、リップメイクしてるのに全主要女性キャラの中でたった一人黒く(赤かな?)ガビガビに描かれる唇…。

おそらく

「汚らしい女」

として描いてこれなのだろうなあ。

おっそろし…。

年が近い江美さんは少しシワってるだけで雪さんと同じように綺麗だし、幸子さんだって可愛いのになあ。

さあ愛さんはどうする?

そして同じ頃雪さんは…。

次回に続きます。

続き書きました!
  ↓
・『明日カノ』最終巻言いたい放題・その2。

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