東京下町・新小岩駅の不動産屋二代目のつぶやき

東京の下町・葛飾区新小岩で今年創業49年を迎えました不動産屋の二代目が気ままに書き綴った独り言ブログです。ブツブツ・・・

ルパンでびゅー

2012年10月26日 09時28分22秒 | 美味しい話

以前から一度行ってみたかった老舗・BAR「銀座・ルパン」へ行った。

1928年(昭和3年)に開店したルパンは、 開店にあたり、里見・泉鏡花・菊池寛・久米正雄といった文豪たちの支援を受け、そのお蔭で永井荷風・直木三十五・武田麟太郎・川端康成・大佛次郎・林芙美子と言った文壇たち、藤島武二・藤田嗣治・有島生馬・安井曽太郎・岩田専太郎・東郷青児・岡本太郎と言った画壇たち、古川緑波・小山内薫・宇野重吉・滝沢修などの演劇人たちも常連だったそうだ。その後、戦火を逃れ、戦後は飲食営業緊急措置令で酒類の販売は出来ず、 1946年(昭和21年)1月にコーヒー店として再開、 1949年(昭和24年)5月に酒類が自由販売になるまでは様々な手立てで酒を仕入れて売るという時代が続き、織田作之助・坂口安吾・太宰治など無頼派と言われる作家や、また同じ時期に木村伊兵衛・濱谷浩・秋山庄太郎などの写真家にも多く愛され、1960年代にはサトウ・サンペイ・小松左京・星新一・後藤明生なども来店したとのこと。

創業84年の歴史にも感銘を受けつつ、今回私が来店するきっかけとなったのは太宰治のこの画像である。あの席に座りたい・・・と雨の中、小ぶりなドアを開け、暗くて細い階段を下って行く。BGMが一切流れない薄暗い店内には歴史を感じさせるタモのカウンターがでぇーんと鎮座している。1972年の新ビル建築時にカウンターも内装もすべて丁寧に取り外したそうだ。店内には常連客と思われるお客さんが3名・1名が座っており、楽しげにマスターと話している。私が座りたかった席は3人組が占領していた。残念・・・閉店間際の来店だったので、アプリコットブランデーとスロージンをシェークした「チャーリー・チャップリン」と卵黄がゴールデンでもしつこくなく爽やかな口当たりの「ゴールデンフィズ」の2杯を飲む。帰り際に気さくな店員さんから来店土産にマッチを頂戴した。圧倒的な歴史の佇まいに酔いしれ、少し大人の階段を登った気がした気持ちの良い夜に、雨の銀座もまたイイ感じに映った。 

まったくの余談であるが、以前、友人たちと温泉旅行へ行った時、地元のタクシー運転手さんのおススメのスナックの名前が「ルパン」だった。「峰不二子みたいなママがいるんじゃねえ?」と期待しながら店に入ると、そこには「銭形警部」似のママがいた。そっちかっ~と思った

有限会社やな瀬不動産

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ごめんね、寺内 | トップ | 見知らぬ街 »
最新の画像もっと見る

美味しい話」カテゴリの最新記事