富岡製糸場世界遺産伝道師協会 世界遺産情報

「富岡製糸場と絹産業遺産群」は日本で初めての近代産業遺産として2014年6月25日付でユネスコ世界遺産に登録されました。

「蚕神総合調査」の説明会を開催

2017年08月08日 11時58分56秒 | 世界遺産伝道師協会

「蚕神総合調査」の説明会を開催

 

  8月1日(火)午後1時30分から、県庁101会議室で蚕神総合調査の実施に伴う説明会が、「蚕神総合調査」に賛同した25名の調査員(伝道師)を集めて開催されました。

 町田PT(プロジェクトチーム)リーダーの司会で進められ、まず、近藤会長が挨拶で、『この事業は、①「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界遺産に登録されて3周年を迎えることから、節目の事業として実施する。②養蚕業の衰退とともに、養蚕信仰が人々の生活から忘れ去られようとしている。こうした状況の中、「蚕神」を総合的に調査し、その保存と活用をはかることが目的』と述べられました。

 続いて、今回の蚕神調査を共同研究調査として取り組むこととなった新潟大学の飯島准教授からは、「群馬の蚕神について」と題しての講演があり、前段で「人々の切実な願いの表れとして、超越的存在のカミ神に祈願し「幸福・安寧」を約束してもらう。そして、近世以降は養蚕が農家の生計に大きな地位を占めるに従って蚕の当たり外れは家の盛衰に結びつくことから、養蚕信仰が蚕神として祀られた。」と述べられた後、具体的に①祀られる目的、②祀られる対象、③蚕神の由来…と、それぞれを分かり易く、そして丁寧なお話をお聞きすることができました。

 次に、町田PTリーダーから本題の「蚕神総合調査の実施要領と留意事項について」として、次のとおり具体的かつ詳細な説明がありました。

 始めに、「蚕神の調査項目」については飯島先生の分類案に基づいて実施したいとの説明から始まりましたが、「実施要領」の概要説明は次のとおりです。

1.  調査の目的

近藤会長の挨拶にあったように、県下の蚕神の現状を踏まえ、総合的に調査し、その保存と活用をはかることを目的として実施をする。

2.  調査の時期等

全体の期間   平成29年8月1日~平成30年3月31日とし

①    現地調査は、平成29年8月1日~平成29年12月31日

②    結果まとめは、平成30年1月1日~平成30年3月31日とする。

3.  調査内容

①    現地調査、文献調査及び聞き取り調査とし、所有者の承諾を得られないものなどは、対象外とする。

②    確認された蚕神は、市町村別に一覧表を作成する。

③    調査後、「蚕神総合調査票」を作成する。

④    調査結果を「群馬県蚕神総合調査報告書」(仮称)として、公表する。

4.  調査方法

①    調査地域の分担は、調査員を1組2~3名で12組編成とする。

②    調査員は調査にあたって「調査野帳」を持参し、項目に沿って記帳する。

③    調査員は「調査野帳」から「蚕神総合調査票」に転記しPTリーダーへ送付する。

④    報告された「蚕神総合調査票」は、事務局で分析・検討し、「群馬県蚕神総合調査報告書」として刊行し、市町村、図書館、関係機関に配布して地域の活性化対策に活用してもらう。

5.  調査員の留意事項

①    調査中は「蚕神調査員証明書」を着用する。

②    対象の蚕神等を汚染・損傷しないよう細心の注意をはらい丁寧に扱うこと。

③    担当地区の市町村(教育委員会文化財課等)を訪問し情報を入手すること。

(各市町村には文書で協力依頼済み)

④    自家用車利用は安全運転とし、事故がないよう同乗者も含め注意する

⑤    蚕神などが危険な場所等にある場合は調査の対象外とする。 

説明後の質疑応答での確認として、撮影した写真は大量に事務局へEメール送信するとパソコンの容量を超えるので原則としてCD(R)にコピーし送付することとし、説明会を終了しました。

  (S.N 記)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする