つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ 耳

2022-02-25 16:42:11 | 楽しい仲間


                    先生の講評・・・バスの客3態。最後のケースに人生がのぞく。居酒屋ケースが、この儘だと弱い。


                    エッセイ 耳  課題【耳】 2019.1.29
 
             出かける時は、バスに乗ることが多い。
             最近とても疲れやすくなった。
             余程急用でなければ、座席に座るようにしている。
             渋滞などでの時は立ってでも乗るが、停留所が近づく度に、席が空かないかとキョロキョロするから恥ずかしい。

             入口から後ろの席は二人掛けが多く、そこに座ると連れの人との会話が耳に入る。
             すぐ後ろの席の女性が、バイト先のあれやこれを話している。
             ラストオーダーが遅いとか、お通しがどうのこうの、店長に文句を言われて泣いたとか。
             居酒屋に勤めているのかなと言う様な会話だった。
             そんな話の後に、
             「就職が決まっておめでとう」
             「それはいいのだけれど、お給料が安いので心配、保険とか引かれると二十万円にならないみたい」
             「バイトでは、幾ら位貰っているの」
             「夏休みや多い時は三十万円以上あったわ」
             「でもいいじゃない、夕方早く帰れるし、毎月決まったお給料が入るもの]
             降りる時、それとなく見たら近くの大学の学生のようだった。
             華奢な体の地味な学生が、夜の居酒屋で頑張っているのだ。
             「へ―― 凄いな、アルバイトの方がいいのだ」、なかなか聞けない話だ。

             昼間のバスは空いている。
             斜め後ろの座席は、母親と娘さんらしい二人が座っていた。
             「今月は何時お金を入れるの、自分の物ばっかり買って」
             「・・・・・」聞き取りにくい。
             「すぐ、直ぐにと、先月も言ったよね」
             「だからね・・・・・」
             「今日帰り、銀行に・・・・・、いつも胡麻化すのだから、父さんも・・・・・」

             茶色の大きなショールを巻いた娘さんは、周りを気にしてか、小さな声で何か言う。
             お母さんは、「えっ、えっ?」と顔を覗き込む。
             娘さんの答えに興奮したのか、「もうーっ」と大きな声を出し、静かになった。
             何を聞いたのかな。



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春は、ま~だ・・・。

2022-02-19 17:49:46 | 楽しい仲間




若しかしたら、雨から雪の天気予報。
2月はまだまだ寒いです。

生協から届いた「菜ばな」、春の味です。

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ドラえもん

2022-02-14 16:19:51 | 楽しい仲間

久し振りに、美容院に行った。

よく使う「西武鉄道」、経営戦略で、
無くなる路線があるのじゃないかと、話しが出た。

帰りの電車は、水色のドラえもんのペイントがいっぱい。
こんな楽しい工夫をしているのに席はガラ空き。
「ドラえもん、何とかして~」
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エッセイ 寺前

2022-02-08 12:00:12 | 楽しい仲間



                先生の講評・・・昔をしのぶメルヘンタッチの文体が素材にマッチして優れている。
                               前回の『炭火』と同じ、田舎の思い出を書くと、先生から、及第点がもらえるようだ。・・・つつじのつぶやき


                      エッセイ 寺前 課題【水・土】 2018.5.25    

              実家の近くに寺前というバス停がある。
              そのバス停前のお寺は、雨戸が破れ、建物の片方が崩れて廃屋になっている。
              古い瓦は白い埃をかぶり、もうすぐ土になりそうだ。
              その周りは竹藪が鬱蒼と覆い、後ろは何軒かの共同墓地になっている。
              周りに人家はない。夜など、竹藪の中から何か出てくるような気がして、結構気味が悪い。
 
              大分前に母から聞いた話。
              町の知り合いからお土産を沢山貰って終バスに乗り、疲れて眠っていた。
              「寺前、降りる人いませんか」の声に吃驚して目を覚まし返事をしてしまった。
              いつも降りるのはその先の停留所だった。
              運転手に悪いと思い降りた。
              バスが走り去った後は真っ暗闇、強い風にあおられた竹藪がざわざわとし、とても怖かったと。
 
              母は怖いもの知らずだと思っていたから、この話を聞いて「へ——」と思った。
              重い荷物を持って、こわごわ歩く姿を想像すると何だか可笑しく、母の内緒話を聞いたように感じた。

              私が小さい頃は、お寺に人が住んでいた。
              こぢんまりした庭の隅に釣瓶が下がった井戸があり、いつも何かの花が咲いていた。
              時々、祖母は野菜などを籠に詰めては、お寺に持っていく。
              縁側から声をかけると、祖母と同じような黒っぽい着物に前掛けをかけた人が出てくる。頭が坊主だった。
              帰り道、「あの人はオトコ? オンナ?」と聞くと、振り向いてニヤニヤしながら、自分で聞いてごらんといった。
              ある時聞いた。
              「小母ちゃん、本当はオトコ?」
              「どっちだか当ててごらん」
              「頭が坊主だからオトコ」
              祖母と二人、大きな口を開けて笑い、「ほら」と言いながら胸をはだ見せ、下も見せようかと、着物の裾を捲った。

              何となく覚えている光景だが、祖母はこの話を何度もして笑った。




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エッセイ 炭火

2022-02-04 14:46:05 | 楽しい仲間
                         

                         先生の講評・・・前半が今の意識。後半が童心。この対比がノスタルジーを奏でている。
                                       字句が厳選されて美しい。
 
 
                      エッセイ 炭火  課題【暖かい・寒い】   2017年1月27日
 
               出かける予定がない日は火鉢に火を熾す。
               手あぶりでもするのであればいいが、ただ鉄瓶でお湯を沸かすぐらいなので、 考えようによっては勿体ない。    
               でも冬の三ヵ月程、炭の燃える匂いが家の匂いになり、空気をきれいにしてくれる様な気がする。
               アロマや香水も買わないから、まあいいかと納得している。

               パソコンに向かっていると、しゅーという微かなに音に気付く。
               見ると鉄瓶から白い湯気が見える。そうだ、じゃが芋を焼こう。
               男爵芋をたわしで洗いアルミホイルに包む。
               熱くなった灰の中に埋めて置くと、しばらくして焦げたいい匂いがしてくる。
               灰を均したり、火を吹いたりして遊んでいると、子供の頃と同じ時を過ごしていることに気付く。

               その頃マリという白い猫を飼っていた。
               体の大きな、あまりじゃれない、今思うとお姉さんのような猫だった。
               私は三歳下の弟と二人だけの姉弟だったが、いつもマリが真ん中にいた。

               周りの友達は兄弟が大勢いる人が多かった。
               時々羨ましい気持ちもあったが、だからと言って誰さんの家がいいとは思わなかった。
               弟とマリの間に誰かが入るなんて考えると、それだけで涙が出そうになった。

               弟はマリに魚を捕ってくる。
               寒い冬の日でも、水の少なくなった河原に行く。
               石ころの間を見て回り、ここと思う石を持ち上げ、隠れているカジカを捕まえる。
               冬の方がじっとしているから、沢山取れるのだと言う。

               マリは弟が大好きだった。
               弟が帰ってくるのが分かると、縁側で日向ぼっこをしていても玄関にいそいそと出ていく。
               体をぎゅーと伸ばし、声をかけてもらうのを待つ。
               私の時とは少し違う。

               その頃、家の中心は囲炉裏だった。
               寒い外から帰ると、母から、焚き木を足してお芋を灰に埋めるる様に言われる。
               弟は魚に竹串を刺し、マリは魚の焼ける匂いを待ち、みんな赤々と燃える火を見ていたような気がする。





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誕生日

2022-02-01 15:45:53 | 楽しい仲間



1月31日、私の誕生日、結構な歳になりました。
美人薄命とは縁遠く、ゆっくりゆっくり年を重ねています。

夫が、会社の帰りに買ってき来たピザ。
めったに食べないピザと、久し振りのビールで乾杯。
後片付けがなく、昨日はハッピーな夜でした。
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