つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

庭の花

2018-10-31 11:33:11 | つぶやき・・

パソコンが壊れ、設定などに四苦八苦していました。
エッセイ集の諸々も終わり、やっと日常が戻ってきました。

ご無沙汰だったブログに写真をと思っていたら、またまた
カメラの取り込み、サイズの調整等の設定をしなければアップ出来ないことに。
又パソコンの前から離れられません。

 

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エッセイ 谷川岳の珈琲(1)

2018-10-16 07:46:17 | エッセイ

エッセイ 谷川岳の珈琲(1) 課題【切符・証明書】  2017年9月8日

若い頃、いつも集まっていた友人達と、近くの山へ行くことが多かった。
その中の一人、安藤さんは背が高く、おしゃれな気取り屋さんだった。
体力はありそうなのに、すぐに弱気なことを言う。
山道が長く続き、足元が危なっかしい時など、皆も我慢しているのにそれを言うから、途端に「弱虫ね」となる。

「私は銀座で生まれたの、こんな所は無理よ」
「育った所は違うでしょう」
その後アテネフランセに通い、通訳になると言って会社を辞めた。

一年ほどしてから皆で会った。
見違えるように体格ががっちりとして、日焼けしている。
私たちはどこか「フランス」的な雰囲気を予想していたから驚いた。
通訳はどうしたのかと聞くと、「無理」、後は何にも聞かないでと言うように強い口調で言った。
その代り新宿の山岳会に入って登山をしていると言う。

私たちは行ったこともない、遠くの有名な山を縦走したとか、雪山にビバークする等と、歯切れよくしゃべった。
「今度一緒に谷川岳に行こうよ、沢の水で入れた美味しい珈琲を飲ませてあげる」

谷川岳とは腰が引けたが、今迄大きな顔をした手前、林さんと私が行くことになった。

その日は天気が悪く、雨と風が吹いていた。
安藤さんは大きなザックを背負ってきた。
上越線の土合駅だったか長い駅の階段を上り、改札口で「東京からです」といって切符を出した。
又長い道を歩いて山に登り始めた。
樹木の生えてない岩山に取り付いたが、強い風が下からも煽る。
背中でザックがぐらぐらと揺れる、霧で何にも見えない。

不安がる私たちに「平気よ」と言いながら暫く登った。
降りてきた男性グループに「やめた方がいい」と言われた。
何かその先のことを話をしていたが、諦めたのか下ることした。

本降りになった沢道を、それぞれが黙って歩いた。

  先生の講評
          描写に徹しているのが良い。だからこそいろいろな解釈を
          さそい、余韻が残る。フランス語通訳志望を変じて山ガールへ。
          笑えるなー、人生の選択はそんなものかもしれない。

 

 

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