小平霊園 課題【遊園地・広場・路地】 2021年6月25
コロナ禍の中、不要不急の外出は避けなければいけないが、出歩いている人は結構多い。
勿論仕事や学校は仕方がないが、日中の流れはそんな風には見えない。
地元のグループは活動をお休みをしていたが、長いご無沙汰も淋しい。
出来る範囲の顔合わせをしようと、電車に乗らなくても行ける都営の小平霊園に決めた。
有名人のお墓も沢山あり、お参りかたがた集まった。
正門を入ると、広い芝生にベンチがあり、大きな樹の下は気持ちのいい風が吹いている。
久し振りに会う友人達は、マスクをしていても明るい顔が分かる。
毎月霊園の野草を観察しているSさんが、何方のお墓をお参りしようかとマップを広げ、意見をまとめてくれる。
ここは戦後にできた霊園だからか、標識が分かりやすい。
遊歩道の横の広い空き地は、黄色の花が日に輝くように咲いている。
可愛い花なのにブタナと言うのだそう。
正門からは遠い、作家の有吉佐和子さんのお墓に行く。
有吉さんのお墓は、つつましやかな和風のお墓だった。
作風もだが、ショートカットの髪、きちんとしたたたずまい、そのものだった。
地元に住んでおられた、園芸家の柳宗民さんのお墓は五輪塔。
日本民藝活動家の柳宗悦や長男の工業デザイナー、柳宗理の名前も見える。
NHKの「今日の園芸」に出演されていたが、市の公民館の講座も持っておられ、私も受けた。
二時間の講義中ずっと立ちっぱなしでお話しされるエネルギーは忘れられない。
色々な事を教えていただいた。
例えば一年草の苗を買う時、来年も咲きますか?なんて野暮なことは言わない。
生ゴミを根元に入れてはいけない。発酵が済んでいないのはガスが出て木を弱らせるから。
それから花を楽しんだらきちんとご褒美の肥料を忘れずに上げなさい等、私の中でちゃんと生きている。
皆と別れる時が来た。
「じゃ~ね」、「また」。
集まった時より大きな声が飛びかう。
バス停へ歩いて行く人を自転車で追い越す。