つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ 

2021-03-28 09:36:46 | 楽しい仲間
                 エッセイ Kくんのお母さん 課題 【秋・自由課題】 2015年10月9日

          Kくんくんのお母さんを意識したのは、二男が通う幼稚園の父母会の時だった。
          月に一度、保育が終わった後、子供たちが使った小さな椅子に腰かけ、輪になって話し合う。
          毎月と言っても教室の前までの送り迎えが義務だったので、皆顔なじみになっていた。
          それでも最初の時は、改めて自己紹介や役員決めなどをするので緊張する。
          Kくんのお母さんの番になった。
          「夜のお勤めなので、午後遅くなると困る、役員にはなれない」と言う。
          誰かが「遠くまで行かれるのですか」と聞くと都心だと言う。
          人は見かけによらないのだなと思った。
          どう見ても水商売の感じは無かった。
          お化粧っ気はないし、髪もそれらしくない、おしゃれとはほど遠い感じだった。
          他の人も同じように感じたのか顔を見合わせた。
          暫くして、Kくんの近所の人の話で、「大学の英語の先生ですって」と聞いてきた。
          「それもらしくないよね」誰かが言った。
          毎月の父母会で、若いお母さん達の議論が白熱し収まらない時がある。
          Kくんのお母さんが、ニコニコしながら話の順序をたてて意見を言うと皆が納得する、らしくなってきた。
          
          Kくんはお姉ちゃんが二人いる。
          すぐ上のお姉ちゃんとはよく遊ぶが喧嘩もすると言う。
          二男が遊びに行くと、言うことを聞く二男がいいとお姉ちゃんが可愛がってくれるので、よく揉めたとか。

          お母さんは、子供が六年生の春休みになると、イギリス旅行に連れて行く。
          三人姉弟なので、その時はお母さんを一人占め、思いっきり甘えさせるのだと言う。
          やっぱり考える事が違う。
          上のお姉ちゃんは大手の食品会社で開発と研究をしている。
          二男を可愛がってくれた下のお姉ちゃんは、統計学が専門で、経済アナリストのスタッフをしているとか。
          Kくんのお母さんは凄い、ちゃんと教育者だ。

          先生の講評・・・
               Kくんのお母さんの印象が、前半と後半で落差のあるのが面白い。
               筆者の素直な気持ちが書かれて快い読後感。


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リバイバル

2021-03-12 10:19:43 | 楽しい仲間
             エッセイ リバイバル  課題【自由課題】 2020年12月25日 

          バス停の近くに、〇〇トロンという店がある。
          店が開く前から年配の人たちが集まり、入口の前に並んでいる。
          自転車で通り過ぎる度に何をするところだろうと思っていた。
          昼間通ると、半分透けたカーテンの室内が見え、二人の男性が熱心に話している。
          健康教室のようだ。ネットで検索してみると
           ――ご自身にあった健康法で無理せず時間をかけて徐々に改善し
          て行くことが、体にとって負担をかけず心地よい方法になります。
          認証された効果は、頭痛・肩こり・不眠症及び慢性便秘の緩解ですーー 会社のホームページより
          健康器具を売る会社らしい。

          

          独身の頃、友人に誘われて或る会場に行った。
          ぎゅうぎゅう詰めに座り、若い男性がジェスチャーたっぷりに、何かの品を説明する。
          「全く新しいこの商品を、タダで差し上げます」と言いながら「欲しい人」と言って手を上げさせる。
          「返事が早かったから、貴方に上げます」そんな繰り返しで盛り上げた。
          最後はとっておきだと、黒いマットレスを出した。
          正方形が二つ繋がった物が二個。
          長く並べて布団を敷く。
          半分に折ればソファーになる。
          健康に良いだけではなく、昼間はお部屋を飾ると説明し、又、手を挙げさせた。
          私も手を挙げてしまが、この商品は数万円で買わなければいけなかった。
          これが終局の目的だった。
          この商品は健康に良かったかは分らなかったが、部屋の雰囲気が変わったのはいいかと納得した。
          その時に手を挙げて貰ったおまけの物は、「なーんだ」と言う様な物ばかりだった。

          あの健康器具店の集まりが終わったのか、バス停に向かって、大勢の人がゆっくり歩いて行く。
          私も後について歩く。
          「ちっともよく眠れない」
          「どのくらい通っているの?」
          「・・・・・・」
          「長く通って器械に当たらなければダメよ」と話している。
          電磁波にでもあたるのだろうか。
          暫らく前、駅前通りにお年寄りが集まる「リバイバル」という、健康器具を売っていたお店があった。
          「健康」は皆の願いだ。

          先生の講評・・・催眠商法でインチキ商品を売る。それを暗示する描写。
                    自身の若き日の体験はインチキに引っかからなかったということか。
                    全体の曖昧さが逆にリアリティを増している。

    
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    ホーホケキョ

2021-03-02 08:47:28 | 楽しい仲間




瑞穂町耕心館のお蔵に飾ってあったお人形

2021年3月2日(火)
今朝、玉川上水の藪の中から
「ホーホケキョ!」とつつましやかな声が聞こえました。
コロナ禍の中でも変わらない春の声です。












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