つつじの書・・

霧島つつじが好きです。
のんびりと過ごしています。
日々の暮らしを、少しずつ書いています。

エッセイ 秋の七草 

2022-09-25 10:47:26 | 楽しい仲間


     先生の講評・・・自然の写生だけでなく、人物点綴されている。
           会話も七草だけにしぼったのも、800字の場合は『・・・』?、読めません。

     つつじのつぶやき・・・
                コロナ感染者数が少なくなった、又秋の里山に出かけられるかな.
                       2016年秋の作品です。



          秋の七草 【秋・自由課題】2016.10.14

  気のおけない人たちと、近くの里山を歩いている。
  今年で十六年になる。
  メンバーは余り変わらず、「よく続いてるね」が合言葉だ。
  折々の話から、おおよその考え方などを察し、
  お互いの距離をほどよく空けて深入りをしない。
  月に一度と言うのも、丁度いい間隔かもしれない。

  最近何かの時の為に、緊急連絡先の名簿を作った。
  緊急時に誰がどのように対応してくれるかが分かり、
  少しお互いの家族のことを知った。

  集合場所は、最寄りの駅が多い。
  改札前に小さなリュックを背負って、おしゃべりをしているのが
  いつもの仲間だ。
  リュックの中はお弁当と飲み物、少しのおやつ、ビニール
  シートは外せない。
  いつでも、道草をしながらゆっくりと歩く。
  「秋の七草、言える?」と、誰かが言う。
  すぐに萩でしょ、ススキ、女郎花などと、記憶の比べっこになる。
  「おすきなふくは」と覚えると簡単よと、植物に詳しいSさんが言う。
  「は女郎花、はススキ、は桔梗、なは撫子、はフジバカマ、
  くは葛、は萩」。
  すると「春の七草は」と、話題が変わる。
  七草粥を何度か作ったことがあった。
  その時の記憶で、セリ、ナズナ、スズナ、スズシロ、等と言ったが
  全部は知らない。
  このくらいは覚えないと、恥ずかしい。
  「つつじさん、後で全部言ってね」と、きつい言葉をいただいた。
  セリ、ナズナどころではない。
  胸の内でおは、女郎花、すはススキなどと口ずさむがなかなか全部は
  思い出せない。
  さっき聞いたのにすぐ忘れる。

  お昼ご飯は大抵程よい木陰を選び、シートを敷いて輪になって座る。
  最近は買ってきたお弁当の人が多くなった。

  今年は夏から何度も台風が来た。
  季節の変わり目が分かりにくかったが、金木犀の香りが秋を
  知らせてくれる。
  特別有名なところを歩いているわけではないが、日差しや風、
  道端の草に季節を感じるゆるやかな散策だ。



コメント
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