情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

ザ・コーヴの何が問題なのか?~イルカの捕獲枠年間2万頭超…絶滅の恐れは?

2010-06-22 23:21:50 | メディア(知るための手段のあり方)
 和歌山県のイルカ漁について取り上げたドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」は上映反対抗議活動にもかかわらず、7月3日から上映が開始されそうだ。昨日、在京の3弁護士会が主催した緊急シンポジウムに出席した映画館の支配人らは上映することを約束してくれた。公にした以上、今度は、上映を妨害する側の活動も激しくなるだろう。こういうときには、応援のメッセージや前売券の購入が非常に力づけることになると思うので、ぜひ、下記サイトで、上映館を確認のうえ、周りでも支援の輪を広げてほしい。

 劇場情報→http://thecove-2010.com/theater/index.html

 ところで、昨日のシンポの後、チャンネル桜の取材を受けた。インタビュアーは、同チャンネルなどに出演している映画評論家前田有一さん。論点は主として次の二つ。

 ひとつは、撮影方法の問題。違法な盗撮、無断立ち入りなどがあることを前提に聞かれたが、正直、それは映画からだけでは判断できない。映像からだけでは実際の状況は分からないからだ。どういう手法で撮影したのかを議論できる場があればいいのではないかという話をした。

 もうひとつは、イルカ漁の漁師の生活の糧を奪うことにならないのかという点だった。この点は、この映画が生活の糧を奪うことには直結しないこと、私たちは年間のイルカ捕獲枠が2万頭もあるなんてことは知らなかったのであり、そういう情報を伝えたことは重要であることなどについて話した。

 この映画が隠し撮りをしていることは事実だ。イルカ漁の撮影を拒否されたために、仕方なくそのような手段をとったようだ。で、すぐに、風呂場の盗撮などと比較して同じように許されないという人が出てくる。

 しかし、風呂場の盗撮は、民主的な社会に必要な情報だとは言えないが、野生動物の捕獲現場の状況についての情報は、民主的な社会に必要な情報だといえる。特に、年間2万頭ものイルカ捕獲枠を政府が認めていることが知られてない中で、現実の捕獲状況を伝えることは重要な情報だと言える。

 下の表が捕獲枠と捕獲実績を示している。

 ※http://kokushi.job.affrc.go.jp/H19/H19/H19_45.pdf



 

イシシルカの捕獲枠は9000頭だが、日本周辺の生息推定数は17万3638頭。つまり、総数の5%もの捕獲枠を認めているわけだ。

リクゼンイルカもほぼ同じ。捕獲枠は8400頭だが、日本周辺の生息推定数は17万8157頭だ。

ハンドウイルカは3万8829頭しか推定数がいないのに、1000頭の枠を与えている。少数になればなるほど、絶滅が近いわけで、これだけの捕獲枠を認めることには疑問を感じる。

たとえば、アフリカゾウは50万頭以上生息するが、それでも捕獲は禁止されている。


もちろん、実際に捕獲している数字は捕獲枠よりも小さい。

しかし、捕獲枠を認める政府の考え方が野生動物に関するものとして適当なのか、そうではないのかについて、これまで考える機会すらなかった。

この映画のおかげで、その実態を知ることができたわけだ。

野生動物に対する政府の取組、自然保護に対する政府の考え方、それらに関する情報は、まさに、民主主義社会にとって必要な情報だと言えるのではないだろうか。


そういう重要な問題と、温泉の盗撮などを同じように論じようとする考え方をとるということは、その人の民主主義に対する考え方が成熟していない、と批判されても仕方ないのではないだろうか…。

◆『ザ・コーヴ』上映を支持する会・横浜→http://blog.livedoor.jp/movie_fun_yokohama/

@mfyokohama




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Marine in Futenma must go back to your country. There is no place where the base of Marine is acceptable in Japan.

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At least180 MPs of ruling parties say NO to Futenma relocation within Okinawa. Check this http://bit.ly/9jQIW8

 




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