情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

「国民主権の世の中をつくる」という会見自体が国民主権に反しているというお話…

2009-09-17 07:03:02 | メディア(知るための手段のあり方)


 首相就任会見について、大手メディアは、【鳩山由紀夫首相は16日午後、首相官邸で就任後初の記者会見を行い、「脱官僚」政治を進める決意を強調し、「まずは無駄遣いを一掃する。政治主導、国民主権、真の意味での地域主権の世の中をつくり上げていく」と述べた。また、「いろいろな試行錯誤の中で失敗することもあると思う。国民にもご寛容を願いたい。辛抱強く、新しい政権をお育て願えれば幸いだ」として、国民にも協力を求めた】(時事通信)などと淡々と伝えている。

 しかし、この会見は記者クラブを開放することなく行われた。これまで民主党は党本部での記者会見では、ジャーナリストであれば誰しも参加させていた。そして、政権をとったら、官邸の記者クラブもそうすると公約していた。それにもかかわらず、しょっぱなからの公約破りに多くの市民が声を上げている。

 ビデオジャーナリストの神保哲生さんは、

【鳩山政権の会見が出だしからオープンにはならないことが決まってしまいました。
 では、なぜ記者会見がオープンでなければならないのか。
 もちろん世界の常識だからと言ってしまえば、それまでですが、重要なのはなぜそれが世界の常識なのか、です。
 特定の社だけが入れるのはフェアじゃないとか、営業妨害とか、新規参入ができなくなるとか、記者クラブ所属の記者が取材をしなくなるからとか、いろいろなことが言われていますが、その核心的な部分はあまり議論されていないような気がします。
 記者会見がオープンでなければならないわけ。それは、会見の出席に制限があると、記者会見が真剣勝負の場にならないからです。特定の社だけを相手にする記者会見を許せば、記者会見が政治権力とメディアの真剣勝負の場にならないばかりか、両者の関係が癒着と堕落の温床になることが、最初からわかりきっているからです。】

と本質的な批判をしている(http://www.jimbo.tv/commentary/000573.php)。

 冒頭で述べたとおり、国民主権を標榜する舞台設定がすでに国民主権を侵しているわけだ。


 元NHKディレクターの池田信夫さんは、

【深刻なのは、この閉め出しを決めたのがクラブだけではなく、官邸の意向でもあるらしいということです。『週刊朝日』編集長の山口一臣氏によれば、大手紙の経営者が「新聞、テレビなどのメディアを敵に回すと政権が長く持ちませんよ」などといって民主党を脅し、平野博文官房長官は周辺の記者に「記者クラブ開放は俺がつぶす」と言っていたそうです。これが事実だとすれば、首相の約束を官房長官が破ったことになります。

記者クラブは、韓国が盧武鉉政権時代に廃止した今、世界中で日本にしか残っていない奇習です。「スペースがない」などというのは理由にならない。新しい官邸の会見場は広く、クラブ加盟社はカメラマンや助手を入れると1社5人以上も会見場に入っており、しかも9割以上の記者は何も質問しない。内閣記者会を解散し、普通の国のように政府がチェックして記者証を発行した記者はすべて参加できるようにすべきです。

これはメディアだけの問題ではありません。こんな簡単な改革もできない政府が、数兆円の無駄使いを官僚の抵抗を排して削減できるとはとても思えない。このままずるずると既得権との妥協を重ねると、ネット世代を味方につけて改革を実行するオバマ政権とは逆に、これまで民主党を応援してきたウェブメディアも離れるでしょう。】

と指摘している(http://agora-web.jp/archives/749649.html)。

 最初が肝心、民主党に抗議のメッセージを伝えるためにも、神保さんや池田さんのブログの記事を多くの方に伝えましょう!

 



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★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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