情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

放送行政の独立、パブリックアクセスに関する各党・各候補者アンケート結果発表

2009-08-21 05:05:11 | メディア(知るための手段のあり方)
衆議院議員選挙前にコミュニケーションの権利問題に取り組んでいる市民グループ・ComRights(コムライツ=事務局:東京都千代田区)が、各政党および、全国の候補者のうち、北海道・東京・京都などから出馬する約230人の候補者に、放送や通信などのメディア政策に関する政策アンケートを実施しました。結構面白い結果が出たので、紹介します。

 回答があったのは、民主党、共産党、社民党、新党大地、新党日本の各党と、候補者52名(自民5名・民主14名・公明1名・共産29名・幸福3名・回答率約22%)。


■放送・通信の監督庁を総務省から独立した機関へ移行すべきか否か■

★政党に対しては、「放送や通信などのメディアに関しては、どこが監督すべきだと思いますか。」という質問をしたところ、

自民党:無回答
民主党:記載なし
公明党:無回答
民主党:放送・通信などのメディア行政は、政府から独立した機関が監督すべき
社民党:放送・通信などのメディア行政は、政府から独立した機関が監督すべき
共産党:放送・通信などのメディア行政は、政府から独立した機関が監督すべき
国民新党:留保
新党大地:公的な放送機関は国が責任を持ち、民放に対して国・民放・視聴者3者で監視
新党日本:放送・通信などのメディア行政は、政府から独立した機関が監督すべき

という回答でした。


★議員へは、「日本以外のいわゆる先進諸国では、政治的中立を確保するとの観点から、放送や通信などのメディアに関しては、国家が直接監理・監督するのではなく、政府から独立した機関が行っています。今後、日本はどうすべきだと思いますか。」という質問に対し、

独立行政委員会方式とすべき:45名(約86%)
総務省のままでよい:2名(約4%)



■「パブリックアクセス制度(いわゆる市民チャンネル)」の導入に関して■

★政党には、「パブリックアクセスや非営利団体が運営するコミュニティ放送制度を取り入れるべきか」と尋ねたところ、

自民党:無回答
民主党:記載なし
公明党:無回答
民主党:今後の検討課題
社民党:パブリックアクセスや非営利コミュ二ティ放送を制度化すべき
共産党:パブリックアクセスや非営利コミュ二ティ放送を制度化すべき
国民新党:留保
新党大地:プライバシー、個人情報の保護などルール、仕組みを確立した上での制度は必要
新党日本:パブリックアクセスや非営利コミュ二ティ放送を制度化すべき

という回答を得ました。

★候補者には、「電波や通信インフラは国民の財産であるとの認識から、日本以外のいわゆる先進諸国には、市民が制作した番組を放送する「パブリックアクセス」や非営利団体が運営するコミュニティ放送制度が法制化されています。去年 9 月には、EU 議会において、公共放送や民間放送と並んで、非営利のコミュ二ティメディアを制度的に位置づけるべきだとする決議が採択されました。日本もこうした取り組みを取り入れるべきだと思いますか」と尋ねたところ、

賛成:47名(約90%)

反対:ゼロ

でした。


ほかにも、

「受信料やケーブルテレビ契約料、広告料収入などの一部を、非営利メディアの運営資金などに充当する制度は必要か否か」

「メディア教育を実施する市民のための「メディアセンター」は必要か否か」

などについて質問をしています。


各党への質問と回答、候補者への質問と回答は、http://comrights.org/ からアクセスしてください。

 独立行政委員会による放送行政や、パブリックアクセスについて賛成する政党、議員が思ったより多かったことは心強い。しかし、いったん、政権をとったら、思うどおりの放送をさせたいし、市民が放送にアクセスして番組を持つことなんて目障りだ…と思ってしまうかも知れない。権力がマスメディアをコントロールしたいという気持ちを持つことは避けられない。

 新政権のもとで、新しい背策をいかに新鮮な気持ちのあるうちに実行することができるか?それがポイントになると思う。comrightsは、今後も放送を市民の手に取り戻すために、活動を続ける予定です。

 






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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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