情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

セラフィールド漏洩事故についての報道状況:英国あ~んど日本

2005-05-14 23:17:08 | メディア(知るための手段のあり方)
【濃縮硝酸に溶解された高レベル放射能の核燃料が、オリンピック・サイズ競泳プールの半分を満たすほども漏えいしたため、セラフィールドのソープ再処理工場は閉鎖に追い込まれた。】ガーディアンhttp://www.jca.apc.org/mihama/uk_france/guard050509.htm
というのに、検索した限り、日本での報道は共同のみ。http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20050511/20050511a3520.html

しかも、【9日の英科学誌ニューサイエンティスト(電子版)などによると、英中西部セラフィールドにある使用済み核燃料の再処理施設「ソープ」の無人区域内で放射性の液体が漏れる事故があり、作業が無期限に停止された。
同誌によると、英国内で原子力の安全を監視する機関の当局者は「従業員は無事で、放射能による大気汚染もない」と確認している。
英紙ガーディアンによると、異常が発見されたのは先月中旬で、遠隔操作のカメラで調べたところ、パイプから液が漏れているのが発見された。
ニューサイエンティストによると、漏れた放射性溶液は約83立方メートルで、大量のプルトニウムやウランを含んでいた。】という程度。

しかし、事故は深刻である。
【同工場の問題は4月19日に初めて通知されたが、そのとき、硝酸に溶解されていた全ての使用済み燃料について運転員は把握していなかった。使用済み燃料は、測定され、遠心分離機の系列でウランとプルトニウムと廃棄物に分離されるために工場の中を移動していると想定されていた。工場の内部を走査している遠隔カメラが漏えいを見つけた。
ほとんどはウランだが、燃料には核爆弾20個を作るのに十分な約200kg(440lb)のプルトニウムが含まれており、核物質が悪者の手に渡るのを防ぐ目的の国際保障措置に従って、回収され、把握されなければならない。液体は吸い上げて、工場が修理されるまで貯蔵されなければならないが、その方法はまだ考案されていない。】前出ガーディアン

核爆弾20個相当の核燃料が漏れたんですよぉ。日本の科学部の記者の皆様~。というか、問題は、一記者ではなく経営陣だよね。

で、イギリスのメディア状況はというと、http://www.bellona.no/en/energy/nuclear/sellafield/37998.html

【The leak was discovered by UK nuclear officials on April 18th. Officials held a local media briefing in West Cumbria, where the Sellafield complex is located, on April 23rd, but the London Guardian brought the incident more international attention on the front page of its May 9th issue.】

ということで、4月18日発見後、23日に地元メディアを対象として記者会見したが、5月9日にガーディアンが一面で取り上げるまでは、大きなニュースにならなかったようだ。

いずこも同じ…。  

ブログで探したところ、いち早く、日刊アナログさんらが同じ視点で記事を書かれていました。
http://magmag.blog8.fc2.com/tb.php/31


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2 コメント

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詳しい情報、ありがとうございます (paco)
2005-05-14 23:47:37
TBありがとうございます。

イギリスでもろくに報道されていないんですね。やはりアブナイ情報は隠蔽しようという裏があるのでしょう。

ほかにも興味深いログがありますね、また見に来ます。
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興味深いです (Nov)
2005-05-25 02:44:11
TBありがとうございます。

核爆弾が20個作れる量がぞんざいに扱われているなんて、英国といえど危機管理は甘いのですね。

あまり報道されていないニュースなだけに、非常に参考になりました。

またみにきます!
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