情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

事故調元委員やJR西日本社長への批判はこの程度でいいのか?~これこそが漏えい

2009-09-26 11:36:06 | メディア(知るための手段のあり方)
 尼崎JR脱線事故をめぐり、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の当時の委員がJR西日本の当時の山崎正夫社長(現JR西日本取締役)に情報を漏えいしていた問題が明らかになった。しかし、山崎氏に辞任をする意向はなく、漏えいした委員についても漏えい罪の規定がなく、おとがめなしなのだという。

 しかし、この問題は、一時的な報道で済ませられるような問題ではない。マスメディアが信頼失墜などと批判しているとおり、今回の件は、手続きに関する問題だけに重大だ。

 事故を発生したことについて故意があった場合(実体的な問題)と、手続きに故意に違反した場合を比較すると、手続き違反の方がはるかに重大だ。手続きに違反があれば、そのシステム全体が意味のないものになってしまうからだ。手続きに違反しないことを前提にそのシステムは動いているのであり、それに違反することはシステムを冒涜することになる。

 残念ながら、日本では手続き違反が軽視されている。たとえば、警察が違法捜査で入手したAという証拠をもとに新たな証拠Bを得た場合、AのみならずBも証拠としては使えないというのが、米国の法理だ(毒樹の果実理、fruit of the poisonous tree)。しかし、日本では、裁判所は、Bを証拠とすることを躊躇しないように思える。

 また、インサイダー取引にしても、本来、全財産をはく奪するくらいの罰則があっていいと思うが、日本の罰金は欧米よりもひと桁~ふた桁、小さい。

 自由な経済活動に伴うルール遵守という負担が軽視されてきた社会は、もう民主党政権で終わりにしてもらいたい。鳩山首相、前原大臣がどのような姿勢で事故調及びJR西日本に向き合うか、新政権の真価が問われる重要なテーマだ。

 しかも、沖縄密約などと違って、漏えいしたことには公的な意義が何もないからね~。


 
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