情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

愛国心を煽るわけ…新自由主義による切り捨て不満対策

2005-08-28 10:16:45 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
いま、規制緩和など次々と競争原理が導入される(新自由主義)一方で、靖国参拝、国旗国歌の教育現場での強制など愛国心が取り入れられている(国家主義)。このことについて、高橋哲哉東大教授が「『心の総動員』に抗して」という講演で、分かりやすく説明しています。つまり新自由主義は選別であり、競争させて勝ち組と負け組を区別し、負け組は自己責任で負けたのだから淘汰されても仕方がないと切り捨てられる。1%のエリートと99%の非エリートができる。これが進行すると国民の分裂を拡大する。そうなると、切り捨てられる方は不満を持つ。社会が荒れるのを防ぐために、「同じ日本人なんだから、日本のために頑張りましょう」という国民統合のエネルギーを注入するのが一番いい、という説明です。

確かに、教育過程審議会元会長三浦朱門氏が「これからの日本の教育は1%のエリートと99%の非エリートを早く分けて、エリート教育に重点を置くべきだ」という発言をし、教育改革国民会議座長江崎玲於奈氏が「ゆくゆくは日本でも小学校就学時に子供たちの遺伝子検査をして、優秀な遺伝子を持つ子に重点的に教育投資をするようになるべきだ」と発言する一方で(「機会不平等」斎藤貴男)、入学式・卒業式での国歌斉唱の義務づけが教師への処分という手段を伴って強制されていることは、高橋教授のような説明を裏付けている。

さらに根深い問題は、1%のエリートを選別するにあたって、機会平等が実現されれば、まだ、ある意味、公平だが、今の世の中、2世ばやり…。つまり、エリートの子がその与えられた好環境のもとでエリートになるようになっている。国民の分裂の亀裂は非常に深くなる。この分裂した社会を維持するには、外敵をつくる(国家主義)とともに、下を見て暮らすようし向ける(最下層に非「国民」を配置する:これも国家主義的)ってことになる。彼らにとって、もっとも怖いのが切り捨てられた側の国民が団結することだ。

「のうのうと暮らしたい」、これをスローガンに団結し、今度の選挙で、進路を転換させよう!

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