tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

レバレッジ考

2008年10月13日 10時23分57秒 | 経営
レバレッジ考
 レバレッジ(leverage)とは、力学でいえば「梃子」です。英語でも、「何かを使って、より大きな効果をもたらす」といった意味に使われるようです。ところでこのレバレッジは、経営学、経済学においても使われます。特に最近の「金融資本主義」の中では、あらゆる場合に使われるようです。

  力学では、小さな力で2倍の重さのものを動かそうとすると、小さな力ですから2倍の距離動かさなければなりません。自転車のローギアで走れば、力は要らないが、足をより早く回転させなければならないことでもわかります。

  経営や経済の活動でレバレッジという言葉を使う場合は、100万円の資本を持っていて、それで仕事をすれば10万円儲かるというとき、100万円借りてきて、200万円で同じ仕事をすれば、20万円儲かることになり、2倍のレバレッジということになります。900万円借りてきて、1000万円にして同じ仕事をして100万円儲ければレバレッジ10倍です。

  経営や経済では、「梃子の長さ」や「ギア比」に相当するのは、「自己資本と借金の比率」です。

もちろん金を借りるわけですから、金利を払わなければなりません。上の仕事の場合は利益率が10パーセントですから、金利が10パーセント以下でないとペイしません。儲けに2割税金がかかれば、金利は8パーセント以下でないとペイしません。もし、1~2パーセントの利率で金を借りられれば、これは大変儲かることになります。

 金利支払い前の「粗利益」で考えれば、レバレッジが2倍なら儲けも2倍、レバレッジが10倍なら儲けも10倍になります。大変結構な話ですが、
「もし損失が発生すれば」
損失もレバレッジの倍率だけ大きいものになります。

 上の例で、10パーセントの損失が発生したら、自分のカネだけでやっていれば、100万円が90万円に減るだけですが、900万円借りてきて、10倍のレバレッジでやりますと、損失は100万円になって、100万円あった資金はゼロになります(20倍にしていたら、100万円の借金が残ることになります)。

 レバレッジを効かせると、儲ける時も大きいが、損する時も大きいというわけです。経営戦略、投資戦略でレバレッジをどう考えるか、次回からいろいろな例を見てみましょう。


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