tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

天理~桜井「山の辺の道」(産経新聞「なら再発見」第1回)

2012年10月06日 | なら再発見(産経新聞)
いよいよ今日(10/6)から、産経新聞奈良版の連載「なら再発見」がスタートしました。「奈良まほろばソムリエ友の会」メンバーの執筆により、毎週土曜日、1200字のコーナーとして掲載されます。同紙9/29付の社告(告知文)には《奈良版の企画が10月以降、変わります。土曜には、奈良まほろばソムリエ検定の最上級資格「ソムリエ」合格者有志の「奈良まほろばソムリエ友の会」の皆さんが、県内のとっておきの見所や名物を紹介する「なら再発見」がスタートします》とありました。

新しい企画が登場する一方で、終了する企画もあります。「なら再発見」と入れ替わるような格好で、好評を博していたライター・もりきあやさんによる「今日も奈良は おさんぽ日和」が終わりました。最終回(9/26付)の同欄には《昨年2月から始まった「おさんぽ日和」は、今回で最終回。(中略) 取材を通してたくさんの人と出会った。ひとつひとつの瞬間は、景色や音、匂い、人々の表情とともにあり、これからの私にとって宝となるだろう。読者があってこそ、ここまで続けてこられたことを心から感謝します》とありました。

さて「なら再発見」の初回は、恥ずかしながら私の当番でした(ただ単に、早く原稿を書き終えたというだけで初回となりました)。以下に全文を紹介させていただきます。タイトルは《天理~桜井「山の辺の道」 見どころ食べどころ満載》です。
※トップ写真は《木陰に石仏が並ぶ長岳寺の山門付近=天理市柳本町》。写真は2枚とも私が撮影

 奈良盆地を南北に走り、「日本最古の官道」と呼ばれる古代の幹線道路「山の辺の道」。石上[いそのかみ]神宮(天理市布留[ふる]町)から大神[おおみわ]神社(桜井市三輪)までの約15キロが、ハイキングコースとして親しまれている。その中間付近の天理市柳本エリアには、崇神天皇陵(行燈山[あんどんやま]古墳)や黒塚古墳、長岳寺[ちょうがくじ]などの見どころが集まる。
     * * *
 「山の辺の道を歩きたいが時間も体力もないので、メーンのエリアを教えてほしい」。そのような質問には、即座に柳本エリアと答える。JR桜井線柳本駅を起点に4、5キロ歩くだけで十分。
 まずは崇神天皇陵へ。周囲を大きな濠で囲まれた、全長約240メートルの広々とした御陵だ。第10代崇神天皇の別名は「ハツクニシラススメラミコト」。初めて天下を治めた天皇という意味で、実在した可能性が見込める初の天皇ともされる。
     * * *



《ソフトな歯ごたえの「御陵焼餅」》

 崇神天皇陵の西側に「御陵餅[ごりょうもち]本舗」がある。国道169号に面した間口の狭い、小さな店だが、近隣住民や観光客に人気の「行列のできるスイーツの店」だ。私は地元バス会社の添乗員に教えてもらった。
 商品は「御陵焼餅」と「田舎おはぎ」、「みたらし団子」の3種類。すべてお薦めだが、私のイチ押しは御陵焼餅の「草餅」だ。
 「御陵」という名の通り、崇神天皇陵と同じ前方後円墳の形で面白い。ソフトな歯ごたえで「赤ちゃんのほっぺたのように柔らかい」という表現がピッタリくる。
 しっかりとヨモギの味や香りがするし、甘すぎない粒あんがギッシリと詰まっていて、ぜいたくな気分になれる。これで1個147円(税込み)とは驚き。あー、また食べたくなった。
     * * *
 南に足を伸ばすと、全長約300メートルの景行天皇陵(渋谷向山古墳)もある。景行天皇は第12代天皇で、ヤマトタケルノミコトの父。悲劇のヒーロー、ヤマトタケルは「古事記」に登場する人物の中で最も人気がある。死の直前に詠まれた歌「倭[やまと]は国のまほろば たたなづく 青垣 山隠[ごも]れる 倭しうるはし」はよく知られている。
     * * *
 崇神天皇陵から北東にある空海ゆかりの長岳寺は、創建当初の遺構である鐘楼[しょうろう]門など多くの文化財があり、春のツツジでも知られる。山門の手前には石仏が並ぶ。
 寺の近くには観光情報施設「天理市トレイルセンター」(トレイル青垣)があり、休憩もできる。
 西に向かうと、黒塚古墳と黒塚古墳展示館。この展示館ではテレビドラマ「鹿男あをによし」のロケが行われ、物語のキーワード「サンカク」の謎がここで解けた。
 このように、柳本エリアは見どころ・食べどころが満載だ。散策には秋がもってこいの季節なので、ぜひ訪ねてほしい。
(奈良まほろばソムリエ友の会事務局長 鉄田憲男)


奈良・大和路にはやっと秋が来て、これからがハイキングのシーズンです。山の辺の道沿いには、野菜や果物などの無人の販売所も設けられ、ハイカーたちに大人気です。ぜひ山の辺の道をお歩きください。お土産には、御陵焼餅をお忘れなく!



コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« なら大和路探訪 古事記ガイド... | トップ | 増上寺は、塔のある寺 »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こだわりの「御陵焼餅」 (やいち)
2012-10-14 13:30:55
 数年前、「御陵焼餅」を買いました。
 買ったものを縦にしてリュックに入れようとしたところ、ご主人から“それだと形がゆがんでしまう”と注意を受けて紙袋をいただきました。
 そのこだわりに感銘を受けました。
返信する
初めまして (さらら)
2012-10-14 19:46:59
いつも色々な情報有難うございますm(_ _m)
貴ブログお伺いするのを楽しみです。

早速、御陵焼餅を買いに行ってきました♪

店内には、リュック姿の大勢のお客様がいらしてました
私の3人前で、御陵焼餅 売り切れてしまいました 残念
しかたがないのでおはぎを買って帰りましたが
おはぎも美味しかったです(*^_^*)
返信する
品不足? (tetsuda)
2012-10-15 04:55:49
やいちさん、さららさん、コメント有難うございました。

> 縦にしてリュックに入れようとしたところ、ご主人から“それだと形がゆがんでしまう”
> と注意を受けて紙袋をいただきました。そのこだわりに感銘を受けました。

柔らかいし、何より前方後円墳の形が値打ちですからね。

> 大勢のお客様がいらしてました 私の3人前で、御陵焼餅 売り切れてしまいました 残念
> しかたがないのでおはぎを買って帰りましたが おはぎも美味しかったです(*^_^*)

おはぎも美味しいです。過日同行した同僚のSくんは、たくさんのおはぎと御陵餅を3:2の割合で買っていました。新聞と当ブログで紹介したので、品不足になっているのでは、と心配しています。
返信する

コメントを投稿

なら再発見(産経新聞)」カテゴリの最新記事