寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3345話) 上司の手紙

2022年07月09日 | 出来事

 ”身の回りを整理していて、会社員だった四十年前に上司から受け取った短いメモや手紙がいくつも出てきました。その一つに「これまでの行いに決して無駄はなく、必ず意味があり、今後の人生で役に立つときが来ます。今は辛抱のときです。焦らず、慌てず、諦めず何事にも普段通り淡々と前へ進めば必ず結果は出ます」とありました。思えば仕事に悩んだ時期でした。それも、こうした励ましのおかげで何とか乗り切れたのです。
 七十代後半で改めてつづられたものを読み勇気と希望が湧き、目の前の課題に取り組もうと思っています。現在は高齢者施設で暮らすあのときの上司には感謝しています。”(6月21日付け中日新聞)

 名古屋市の木田さん(男・77)の投稿文です。忠告や指導を紙に書いて渡す、これはまた奇特な上司があったものである。言葉と手紙とはかなり次元が違うと思う。一人文字を読む。受け取る方も大きく違う。本当に思う心があるのだろう。木田さんはそんな手紙やメモが捨てられなかった。上司の思いがひしひしと分かるからであろう。こうした励ましのおかげで何とか乗り切れた、とまで言われる。仕事上でこうした思いをいだけるのは、本当に感謝であろう。
 ボクにも助けられたと思う、上司があった。このまま辞職かと思ったトラブルがあり、上司に報告すると「そんな程度のことか」と軽くいなされた。実はそうではないのであるが、気が一度に軽くなった。こんな時怒る上司がほとんどではなかろうか。自分の身にも響くことを心配するのが多くではなかろうか。それはもう40年ほども前のことである。ところがその上司と、昨年グラウンドゴルフ大会の場で何十年ぶりに会い、そして何といっしょに回ったのである。


(第3344話) 「花の名は?」

2022年07月07日 | 出来事

 “紫色の花が晩春、わが家や近所の庭で咲くのを見ると二十年前の出来事がよぎる。散歩中、庭の手入れをしている女性と私が大好きな色の花が目に留まった。思わず「奇麗ですね」と声を掛けたら、とても喜んでくれて「少し株分けして差し上げますよ」と。続けて私が花の名を尋ねると「シラン」と言うばかり。「えっ、知らん、って・・・」と私は首をかしげつつ自宅の庭に植えた。翌春花を咲かせ、譲ってくれたその家の前を通り掛かった際に礼を伝えた。そして再び、「花の名前は?」と尋ねたら、回答は「シランという名よ」。
 私の勘違いを告白して二人で大笑いしたのが昨日のことのようだ。”(6月17日付け中日新聞)

 愛知県豊橋市のパート・小椋さん(女・78)の投稿文です。「シラン」は「紫蘭」である。「知らん」と間違えたのはよくある話であろうか。知らないと言うことはこんなものである。わが家にもたくさん咲いている。根からどんどん増えていくかわいい花である。
 川柳連れ連れ草の題名のこともあって、ボクは花の名前を気にしている。元々あまり興味がなかったので、知らないものばかりである。人の家で見かけて尋ねても、これが意外に返ってこないのである。作っていても名前までは知らない。多くの人はそうであろうが、詳しい人となるとこれが全く詳しい。ボクの知人にもそういう人があり、川柳連れ連れ草でいろいろ助けてもらっている。この違いはどこから生まれるのだろうか。


(第3343話) 韓国ドラマ

2022年07月05日 | 行動

 “長引く新型コロナウイルスの影響で自粛生活が続く中、韓国ドラマを見るのが趣味になりました。二年前職場の同僚の勧めで「愛の不時着」を見ました。パラグライダーに乗った韓国の財閥の娘が竜巻に巻き込まれて北朝鮮側に不時着し、彼女を救助した北朝鮮軍人と恋に落ちるというあの話です。何度見ても二人の自由恋愛に感動しては号泣しています。それから仕事の休憩中や家で別の韓国ドラマや韓国の映画を楽しんでいます。今や同居の父も韓国作品にはまっています。
 新型コロナウイルスが収束したらもともと好きだった旅行も兼ねて韓国を訪ね、ロケ地巡りをしたいと考えています。”(6月11日付け中日新聞)

 名古屋市の看護師・向さん(女・26)の投稿文です。 ボクが韓国ドラマを見るようになったのも新型ウイルスで自粛が始まった2020年5月頃からである。そして今は完全にはまっている。そして、見るのものは向さんと違って時代物ばかりである。今「オクニョン」を見ているが、2020年10月に見たばかりである。内容はすっかり忘れ、覚えているのは題名くらいである。まだ2年も立っていない。あれほど楽しみに見たものなのに、何とも情けないが、テレビで見るものとはこんな程度なのかもしれない。
 韓国ドラマは人気があるようである。日本のドラマはどうだろうか。ボクはほとんど見ていない。そしてゴールデンタイムと言われる時間のものは全くと言ってもいいほど見ていない。見るのは教養番組的なものをビデオに撮ってみるくらいである。高齢者の楽しみはテレビが大きかろうが、ボクはどうなるのだろう。 


(第3342話) ユニカール

2022年07月03日 | 活動

 “氷上スポーツのカーリングみたいにカーペット上でストーンを投げるユニカールの大会に四月上旬出ました。選手の数が足りなくて五年前に参加してから何度か出場してきていて今回は地元の友人二人と出ました。
 わがチームは素人集団とあって思うようにストーンを投げることができず、対戦した七試合のほとんどが無得点。相手チームに大変申し訳なく、事務局の役員に「下手すぎてごめんなさい」と伝えたら、「楽しんでもらえればいいですよ」と言ってもらえた。会場では小学生をはじめ、三重県南部地域の選手とも話をすることができ、久々に汗も流せて実に楽しいひとときを送れました。
 ユニ一カール三重県大会が二十六日に迫ってきました。結果はさておき、無事参加できることに感謝をして楽しもうと思っています。”(6月10日付け中日新聞)

 三重県いなべ市の主婦・舘さん(75)の投稿文です。ユニカール、知りませんでした。最近はニュースポーツというものがいろいろ開発され、実施されています。特に高齢者向けに多い気がします。高齢者は特に気を使って体を動かさせねばいけません。うっかりしているとすぐにテレビの番になってしまいます。特にコロナ禍で実感しました。
 ボクも今年5月にシルバーカレッジで「スカイクロス」と「ニチレクボール」を体験しました。今まで知らなかったゲームです。簡単なゲームですが、ゲームですので皆さん夢中になります。もう一度やって欲しいという要望も出ました。体を動かす、高齢者には必須です。


(第3341話) 樹木から教わる

2022年07月01日 | 出来事

 “園芸好きな会社の先輩の影響で、社屋玄関の植え込みの樹木に毎朝水やりをするようになってはや三年。植物にそれほどの関心はなかったものの、眺めるうちに「今年はツツジの花芽が少ない」「サツキの葉の色変わりが遅いのは何かの病気か」とまで思うようになり、今や小さな変化に気付くことがひそかな楽しみになっている。
 こんな発見はもちろん職場や家庭でもいろいろとあるが、例えば「機械から変な音がしている」「思えば、最近は元気がなかった」みたいにその場で言わなかったことが後で大問題になることもままある。樹木から、あらゆることに敏感であるようにと教えられた気がする。”(6月9日付け中日新聞)

 岐阜県大垣市の会社員・田代さん(男・49)の投稿文です。盆栽や鉢植えをたくさん作っている方は、その水遣りだけでも大変だと思う。そんな家庭を見ると感心する。ボクなどすぐに水遣りを怠ってしまい、すぐに枯らしてしまう。ボクは、妻も同じでわが家では無理なこととあきらめている。しかし、樹木を含め植物の教えてくれることは多い。ともかく生きているのである。害虫や天候、その他あらゆるものによって変化する。野菜など同じことをやっても同じにならない。ボクみたいに鈍感は別に、少し几帳面な人なら気になって仕方がなかろう。田代さんは、こんな樹木から敏感を学ばれた。敏感は必要だ。人間関係では特にだろう。でもあまり敏感だとやっておられない。時には鈍感がいいこともある。