”身の回りを整理していて、会社員だった四十年前に上司から受け取った短いメモや手紙がいくつも出てきました。その一つに「これまでの行いに決して無駄はなく、必ず意味があり、今後の人生で役に立つときが来ます。今は辛抱のときです。焦らず、慌てず、諦めず何事にも普段通り淡々と前へ進めば必ず結果は出ます」とありました。思えば仕事に悩んだ時期でした。それも、こうした励ましのおかげで何とか乗り切れたのです。
七十代後半で改めてつづられたものを読み勇気と希望が湧き、目の前の課題に取り組もうと思っています。現在は高齢者施設で暮らすあのときの上司には感謝しています。”(6月21日付け中日新聞)
名古屋市の木田さん(男・77)の投稿文です。忠告や指導を紙に書いて渡す、これはまた奇特な上司があったものである。言葉と手紙とはかなり次元が違うと思う。一人文字を読む。受け取る方も大きく違う。本当に思う心があるのだろう。木田さんはそんな手紙やメモが捨てられなかった。上司の思いがひしひしと分かるからであろう。こうした励ましのおかげで何とか乗り切れた、とまで言われる。仕事上でこうした思いをいだけるのは、本当に感謝であろう。
ボクにも助けられたと思う、上司があった。このまま辞職かと思ったトラブルがあり、上司に報告すると「そんな程度のことか」と軽くいなされた。実はそうではないのであるが、気が一度に軽くなった。こんな時怒る上司がほとんどではなかろうか。自分の身にも響くことを心配するのが多くではなかろうか。それはもう40年ほども前のことである。ところがその上司と、昨年グラウンドゴルフ大会の場で何十年ぶりに会い、そして何といっしょに回ったのである。