ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

★と受賞が頼り、なんて情けない話しじゃあるんだが・・・

2019-01-22 09:54:41 | 映画

 冬の楽しみは、読書、うん、それもある。ジムトレ、うん?それはちょっとノルマっぽい。このところ、毎晩、心待ちにしているのがビデオ見だ。夜9時半近くになると、もう気もそぞろ、読みかけの本はほっぼり出して、テレビモニターに向かう。

 さあて、今夜は何を見るかなぁ?NHKのプレミアム映画劇場の録画ものか?それともアマゾンプライムの映画か?

 貴重な映画鑑賞タイムだ、つまらんもの見ないように入念にチェック!って言ったって、内容の簡単な紹介を読む以外にないんだがな。それと、封切り時の評判とかか。そうそう、それで大失敗したのが、「アナ雪」だった。劇場内でみんなで声揃えて歌うほどヒットしたって聞いてたから、こりゃ見て見にゃ、って・・??!!酷いねぇ、こんなにちゃちでいい加減なお話しが大評判だったのかよ????身勝手で無邪気な王女様が人々を困らせるって話し、しかも、その危機に立ち向かうアナと氷売りの青年との恋物語は、もう、冒頭からハッピーエンドが見通せる月並みだし。何よ、エンディングの歌「Let it go」~ありのままで~って!王女様のことなら、しっかり反省して変わってもらわにゃ困るだろ。アナのこと?当初の婚約相手・隣国の王子様?への幻滅から真実の愛に目覚めるわけだろ、ありのままじゃないじゃないだろうが。婚約に目が眩んでた自分だってありのままなんだから。終始一貫愚直に自分を押し通したのは青年くらいか?でも、青年のテーマソングじゃないよな。あれだけの一途で勇敢な男だ、~ありのままで~なんて、へたれを歌ったりするもんか。もう、見ている途中でもやもやがいつの間にか苛立ちに変わり、最後は激怒となって録画を抹消した。

 評判だったからって信じちゃならない!貴重な教訓。

 じゃ、何を頼りにお気に入り見つけるって言うんだ?鑑賞力に信頼できる友人?いないよなぁ、てか、そもそも映画について語り合える知り合いがいない。批評家?町田智浩くらいしか知らないし、信頼はできても、彼は守備範囲広すぎでついて行けない。

 と、なると、アマゾンプライムの★の数か?それといろんな映画賞の受賞歴。なんだなんだ、情けない話しだなぁ、他人様のそれも確定した評価が頼りかよ!ってそれしかないんだから。まぁ、そこを命綱にぶら下がってみても、途中で墜落することはあるんだが。そん時はさっさと画面を閉じて撤退する、それしかない。

 なんて、取りあえず人任せの結論にたどり着いたのは、偶然見た「クラッシュ」が素晴らしかったからだ。

 アカデミー賞作品賞受賞作。もう15年以上も前の映画だが、ちっとも錆付いちゃいない。描かれた差別と偏見の物語は、今の時代を鋭く突き刺している。白人と黒人、ヒスパニックやイスラム、さらには、東南アジアからの難民。互いに偏見と誤解のざらざらとした現実が、息を止めるほどのやりきれなさで描写される。まさに、クラッシュだ。人と人、人種同士、激しく怒り狂いつつぶつかり合う。そんな絶望的な幾つもの激突が、いつの間にか手繰り寄せられ、さりげない解決へと薄明が開けていく、そんな見事な映画だ。最初に殺人の現場を見せ、その後、画面は前日に遡って、様々なクラッシュをたどりつつ、ラストは、オープニングシーンに戻って、その意味をさらに深く浮かび上がらせる、そんな凝った作りにも唸らせられた。いや、正直な感想は、圧倒された。久しぶりに見た、これぞ、映画!だった。

 ★の数は4つで評価数は176、やっぱり見る人は見てるってことなんだ。その前日見て、これまた別の意味で胸元を締め上げられた映画は、オリバー・ストーン監督の「スノーデン」こちらも同じく★4っで評価数206。アメリカ政府の個人情報秘密収集を内部告発したものだから、アカデミー賞とは縁はないが、この情報時代を生きる人間として必見の重たい中身だった。個人のプライバシーはすべて、権力にお見通し!あっ、今日の新聞にゃTカードが警察に情報提供してたって出てた。、やりきれんなぁ、何買ったか、ツタヤで何借りたか、筒抜けなんて!

 これで決まりだよ。頼りになるのは★の数と受賞歴!こいつらを、名画ご指南役に任命しようじゃないか。浜の真砂ほどもある過去ムービーの中から、これぞ1本を探し出す、その拡大鏡は、ハズキルーペなんかじゃない、★の数と受賞歴だっ!

 

 

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