ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

定年延長、死ぬまで現役の世界って?!

2019-01-13 10:44:21 | 世の中へ

 どうやら、死ぬまで働けってことらしいぜ。年金支給年齢がぐんぐん引き延ばされちゃ、おちおちゆとりの老後なんて、お茶啜っちゃいられねえってことだ。ひでえ話だなぁ、さぞかしご同輩、お怒りのことだろう、と思っていたら、なんと、働ける限り働きたいって、男性高齢者が70%以上なんだってな。おいおい、そんな余命、粗末にするなよ、もうたっぷり社会にも家族にも貢いできたんだ、ここらでゆったりくつろげばいいじゃないか。第2の人生だって待ってることだしさ。

 と、考えてみたんだが、はて、この第2の人生を上手く見つけられるのか?仮に経済的にはなんとかなったとしても、今さら新しい出会い、つながりなんて、面倒臭い、50年も会社人間で生きて来たんだ、それ以外の生き方ノウハウなんて持ってるわけないだろ、そのまま死ぬまで働いてる方が気が楽さ、って人たちも多いってことなんだろう。それは、たしかにそうだ。見ず知らずでも、3,4人も集まれば、すぐに茶菓子や漬物出しておしゃべりが始まる女性たちとは違う。男ってのは、難しい生き物なんだ。

 だから、動ける限り働いて、お金とともに日々の充実感を得ようって選択もあながち間違いじゃない。途方に暮れて、日がな一日テレビの前で放心してるよか、よっぽど生産的だぜ。世の中、世知辛くなって、生産性ないと邪魔者扱いされようだからな。ただ、与えられる働き口が問題じゃあるがな。自分のキャリアを無視され否定されても、働くことに生きがいを感じるかどうか、ここは微妙なところだぜ。だとしても、新しい世界との出会い求めて、頑張れ!なんて、無責任にお気楽なエール送るわけにゃいかんよな。第2の人生デビューはそんな生半可なもんじゃない。

 だがなぁ、そこんとこ上手く切り抜けると、思いがけない展開が待ち受けてるってのも人生七不思議?でもあるんだ。菜の花座のシニアたちなんかまさに見事に変身を成し遂げた人たちだもの。某大手自動車メーカーのディーラーに勤め、営業で抜群の成果を上げたH、今、彼は劇団員という新しく掴んだ手応えに、してやったりの気持ちでいるんじゃないかな。娘、いやいや孫か?にも近い娘たちから、お父さんと慕われいじられつつ、嬉々として役作りに励んでいる。演技の技量としちゃまだまだだし、ダンスなんかじゃどう見てもワンテンポ遅れるが、そんなこといささかも苦にせず一生懸命取り組んでいる。しかも、優秀な営業マンとしての力は存分に発揮し、チケット売りでは、トップ4の一角に堂々食い込んでいて、実に頼もしく、劇団内での信頼も日々高まっている。

 こんな例を見ると、やっぱ、定年退職ってのがあって良かったよなぁ、と思わないわけにゃいかない。情け容赦なく放り出されたお陰で、新しい社会を、人とのつながりを掴めたわけだからな。60代、まだまだ体力と気力に溢れている時期に、会社列車から下車できたから、次の乗り物も見つけることができた。その可能性の豊かさ、選択肢の多様性にももっと目を向けて欲しいもんだぜ。

 と、同時に、そんないろんな乗り物やプラットホームを準備するってことも政治や社会の任務なんじゃねえかなぁ。Hには、幸いシニア演劇って入り口が目の前にあった。でも、上手くこれぞと思う扉が見つかるかってえと、そんなもん、ほとんど整えられちゃいねえわけよ。第2の人生は、ご自分で切り開け。それ出来ねえなら、死ぬまで働いてろ!で、あとはさっさと死ね!てのは、いくら美辞麗句で飾ったところで、姥捨ての思想ってもんだぜ。

コメント
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