祭りを楽しむ人で溢れる「三日市通り」まで戻り特別公開中の町家を見学させてもらった。初めて目にするものに私の胸は躍った。 千々木邸のこじんまりとした庭を眺め、当主から貴重な菅茶山の書の説明を受けた。筆跡にははっきりと人柄が表れるというが、素直な字であった。 最も印象に残ったのは三木邸だ。内部は落ち着いた造りとなっている。神棚の配置や手の込んだ竹細工など、建築工学が趣味の人間にとっては非常に魅力的だ。 旧福山市街のチャラチャラした祭りとは違って歴史の重みと品が感じられるのがよい。私は「来年も来たいな」と思った。