「ダブルジョーカー」柳広司(角川書店)
スタイリッシュなスパイ小説。
先日読んだ「ジョーカーゲーム」の続編。
第2次大戦が時代背景、情報戦、頭脳戦が展開される。
プロットが練られていて、スリリングな展開、落とし方も上手い。
全部で5編の短編からなり、それぞれ独立している。
「ダブルジョーカー」
「蠅の王」
「仏印作戦」
「柩」
「ブラックバード」
・・・どれもレベルが高い。
感心したのは「蠅の王」の導入部。
戦地慰問「わらわし隊」の漫才が導入。
この漫才がけっこう面白い。
関西弁を駆使した文章で見事。
著者略歴を見ると、三重県生まれ、神戸大卒、とある。
だから、これだけ大阪弁を操れるのか。
(関西県外の方には困難でしょうね)
前回(3/15)も書いたが、通勤読書にオススメ。
(読んでいるとこ見られても恥ずかしくないし)
【参考】
「ジョーカー・ゲーム」柳広司
【ネット上の紹介】
結城中佐率いる“D機関”の暗躍の陰で、もう一つの秘密諜報組織“風機関”が設立された。
だが、同じカードは二枚も要らない。どちらかがスペアだ。
D機関の追い落としを謀る風機関に対して、結城中佐が放った驚愕の一手とは―。
表題作「ダブル・ジョーカー」ほか、“魔術師”のコードネームで伝説となったスパイ時代の結城を描く「柩」など、5編を収録。
吉川英治文学新人賞&日本推理作家協会賞W受賞の超話題作『ジョーカー・ゲーム』シリーズ第2弾、早くも登場。