【ぼちぼちクライミング&読書】

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「月と日の后」冲方丁

2023年10月30日 08時41分02秒 | 読書(歴史/時代)


「月と日の后」冲方丁

中宮彰子さんの生涯が描かれる。

P258
定子が生前、大量の紙を清少納言という女房に与え、『枕草子』を書かせたとき、女房は忠義をもって応じたのだ。

P305
「日記を書いていると聞いています」
「はい・・・・・・宮中で私が学んだことを、娘に教えようと思っています」
もちろん宮中の女房たる者が、そして物語のつむぎ手たる紫式部が、ただそれだけのために日記をしたためるはずがない。彼女が記す言葉は、一条天皇が尊ぶ過去の天皇の日記とはまた別の意味で、宮中のありさまを後世に伝えるものとなるだろう。
「わたくしが、おのれの子と同じように、敦安や脩子や大勢の子らのことを愛していた・・・・・・そう、書いてもらえるよう振る舞うつもりです」
(彰子は長命だったので、紫式部の娘も清少納言の娘も彰子の女房として仕えている。紫式部は清少納言を嫌っていたけど、娘同士はどうだったのだろう?)

定子が24歳で亡くなったの対して、彰子は87歳まで生きました。P89

【関連図書】

「はなとゆめ」冲方丁

【ネット上の紹介】
わずか12歳で一条天皇の后となった、藤原道長の娘・彰子。幼すぎる入内、未熟な心。夫である一条天皇は優しく彼女を包み込むが、彼が真に愛した女性・定子の存在は、つねに彰子に付きまとう。しかし、定子が遺した子を抱きしめた日から、彰子の人生は動き始めた。父や夫に照らされる“月”でしかなかった彰子は、紫式部にも支えられ、やがて「国母」として自ら光を放ち出す―。平安王朝を新たな視点からドラマチックに描いた著者渾身の傑作長編。


京都市動物園120周年

2023年10月27日 07時41分19秒 | お出かけ

京都市動物園は、今年120周年記念。

Kyoto City Zoo/京都市動物園 750円
(先月行った東山動物園は500円で地元高齢者は無料だった)
(何か公的補助があるのだろうか・・・規模は東山動物園の方が大きかった)
開園時間3~11月 AM9:00~PM5:00
12~2月 AM9:00~PM4:30
休館日月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌平日)/年末年始(12月28日~1月1日)


カメは多かったけど、ヘビが少なくて残念。
昔はもっといたような・・・。



「ワンちゃん」楊逸

2023年10月25日 08時01分04秒 | 読書(小説/日本)


「ワンちゃん」楊逸

日本語を母語としない作家として
初めて芥川賞を受賞した著者によるデビュー作。

P11
縫製工場を辞めて、洋服の露店を出したのは彼女が十八のときのことだった。ちょうど「改革開放」の風が吹き始め、さすがに長年灰色を背負ってきたことに参っていた中国人なだけに、誰もが人民服を脱ぎ捨て、香港や台湾からの「奇装異服」を狂ったように求める時代であった。

【ネット上の紹介】
中国人女性の「王愛勤」ことワンちゃんは、名前のとおりの働き者。女好きの前夫に愛想を尽かし、見合いで愛媛の旦那のもとへ。姑の面倒をみながら、独身男性を中国への「お見合いツアー」に誘うのだった―。日本語を母語としない作家として初めて芥川賞を受賞した著者による、文學界新人賞を受賞した衝撃のデビュー作。


「孔子さまへの進言」楊逸

2023年10月23日 06時44分18秒 | 読書(台湾/中国)

「孔子さまへの進言」楊逸

毛沢東、蒋介石、始皇帝、魯迅、武則天、孔子、李 煜が取りあげられている。

P53
父の紇(こつ)が母である顔(がん)氏の女と「野合」して孔子が生まれた――今時の言葉で言えば不倫による私生児である。(これがトラウマとなり礼儀にこだわる思想を生んだ?孔子は180cm以上あるイケメンだったとか。しかし、妻が弟子を誘惑して駆け落ちしたという話もある。ソクラテス曰く「良妻をもてば幸せになり、悪妻をもつと哲学者になる」)

P65
科挙の出題範囲である四書(大学、中庸、論語、孟子)五経(詩経、書経、礼記、易経、春秋)とは全て孔子に由来するものである。(儒教を中興し、朱子学を創始した朱熹によって、より男尊女卑が極められたとか)

P118
窅娘(ようじょう)という踊り子は、白い絹で足を三日月状に縛って李 煜(り いく)の前で踊って見せた。(中略)足が「三寸(約9cm)金蓮」と称えられたこの窅娘(ようじょう)こそ、中国纏足の発明者で、以後千年もの間、中国女性を苦しめた張本人である。

P135
唐の典制によれば、皇帝には、一皇(皇后)、四妃、九嬪、七世婦(婕妤、美人、才人各九人)、そして八十一名の御妻がいて、総じて「後宮佳麗」と呼ばれている。才人である武則天は二十七世婦に属し、「正五品」の官僚に相当する。(後宮佳麗三千人と言われるが、一年に千人としても一巡するのに3年かかる。現実問題として、3人でもしんどいように思うけど)

P40
陽明山――台北の郊外にある山。もともとは「草山」と呼ばれていたが、毛沢東に敗れ、台湾に逃げた蒋介石は「落草為寇」(草山に落ちて山賊になる)というジンクスにはまることが忌まわしく、「陽明山」と改名した。「知行合一」思想の王陽明を尊敬する思いからだという。(中略)草山行館は、園林、竹山と池に包まれた伝統中国建築である。草山行館は、蒋介石の住居で、現在は応接室がレストランとなっている

↑ 陽明山・・・麓に無料の温泉もあるけど満員御礼状態。

【「後宮」に関連した参考故事】
盛り塩:合計1万人もの宮女を収容した広大な後宮を、司馬炎は毎夜、羊に引かせた車に乗って回った。この羊の車が止まったところの女性のもとで、一夜をともにするのである。そこで、宮女たちは自分のところに皇帝を来させようと、自室の前に竹の葉を挿し、塩を盛っておいた。羊が竹の葉を食べ、塩をなめるために止まるからである。この塩を盛るという故事が、日本の料理店などで盛り塩をするようになった起源とも言われている。Wikipediaより


【ネット上の紹介】
毛沢東・蒋介石から孔子・魯迅まで、中国4000年の歴史で重要な役割を果たした7人が登場。教科書には載らないエピソードが満載。
毛沢東―太陽の陰で目を擦る
蒋介石―見果てぬ大陸への帝王夢
孔子さま―人間から離れつづけた二千五百年
始皇帝―善も悪も全てがそこから始まった
李〓(いく)―亡国帝の千古絶唱の人生
武則天―性と姓に囚われた女皇
魯迅―絶望から絶望へたどった闘士


「島国チャイニーズ」野村進

2023年10月20日 07時07分13秒 | 読書(台湾/中国)


「島国チャイニーズ」野村進

島国とは日本のこと。
日本に住む華僑・華人がテーマ。

P114
私の教え子のうち7人が来日後に結婚してるのだが、漢族は漢族との、モンゴル族はモンゴル族との、ウイグル族はウイグル族との、同じ民族同士の組み合わせばかりであった。

P115
池袋界隈には「東北三省」、すなわち遼寧省・吉林省・黒竜江省の出身者が多い。

P203
孫文は日本の学生服をアレンジした詰めえり服を愛用しており、これは「中山(ちゅうざん)服」と呼ばれ、のちの中国・人民服の元となった。「中山」とは、孫文みずから称した号で、彼が滞日中、「中山(なかやま)」という日本名を名のったことに由来している。

P221
1972年の日中国交回復のさい、われわれ日本人が知らないところで、日本の華僑社会は大混乱に陥っていた。台湾、すなわち中華民国の国籍を持つ華僑の多くが、国籍の喪失や中華人民共和国への強制的な変更を恐れて、われ先に日本国籍取得に走ったのである。

P256
彼らの帰化に対する抵抗感は、驚くほど薄い。対照的に、在日コリアンの中で
帰化したものは、最後まで「裏切り者」の烙印を押されてきた。

P260・・・老華僑の話
「(前略)日本の国籍を取ったからといって、本当に日本人になれますか。たとえば、同和問題を見ても、私はそう思うんです。明治になって、それまでの身分制度がなくなって、もう百何十年も経つのに、まだ部落の人たちを同じ日本人として扱わない。じゃあ、中国人が日本の国籍をとったら、同じ日本人として扱われるのか。(後略)」

【参考図書】

「コリアン世界の旅」野村進
大宅壮一ノンフィクション賞、講談社ノンフィクション賞、受賞

【ネット上の紹介】
名作『コリアン世界の旅』から15年。練達のノンフィクションライターが緻密な取材で描く、「在日華僑」「来日華僑」たちの、ひたむきで悲喜こもごもな人生模様。
【ネット上の紹介】
第1章 劇団四季の中国人俳優たち
第2章 日本で大学教授になる中国人
第3章 中国人芥川賞作家の誕生
第4章 留学生は“反日”か
第5章 北国の中国人妻たち
第6章 神戸中華同文学校
第7章 女たちの池袋チャイナタウン


「女人京都」酒井順子

2023年10月18日 07時56分31秒 | 読書(旅・紀行)


「女人京都」酒井順子

歴史に名を残した京都ゆかりの女性の史跡巡り。
私もたまに「聖地巡礼」するので、とても便利。
表紙絵は上村松園。

P52
薬子は、そもそも平城天皇の后の母親でした。が、平城天皇は義母である薬子と、関係を持ってしまいます。

P56
その後、平城天皇の子孫は臣籍に降り、在原姓を名乗りました。(中略)平城天皇の孫には、美男のモテ男として有名な在原業平がいます。(在原業平は清和天皇の女御になる予定の藤原高子=二条の妃とのスキャンダルが有名。東下りもこれが原因という話もあるそう)

P89
定子が24歳で亡くなったの対して、彰子は87歳まで生きました。

P98
道綱母がこのような行動をとったのは月経前症候群すなわちPMSのせいとの説を建てておられるのは、国文学の泰斗である故角田文衞博士です。

P239
五条大橋と言えば、牛若丸と弁慶が出会った場所、とされています。五条通の中央分離帯には二人の像もあるのですが、しかしその時代の五条通は、今の松原通。さらに言うなら二人は実際にこの地で出会ったわけでも、なさそうです。伝説の中で「映え」を狙った舞台装置だったのでしょう。

P252・・・今宮神社
お万の方は、家光の寵愛を一集め集めた側室でした。しかし彼女には子ができず、「おしとねすべり」、すなわち閨房での関係を辞した後に、将軍に側室として献上したのが、お玉であったという話も。(中略)
八百屋の娘ながら、将軍の母となるまでに出世した桂昌院が「玉の輿」の語源、とも言われることから、お守りの復路には、蕪や人参等、野菜の刺繍がしてあるのでした。

【おまけ】
幕末の志士たちは若かったので、それぞれ彼女がいた。
坂本龍馬=お龍
桂小五郎=幾松
井上馨=君尾
西郷隆盛にはお玉。
この関係は歌舞伎にもなっていて「西郷と豚姫」。
お玉はふくよかな女性だったらしい。
でも、ニックネーム・豚姫とはあんまりじゃないの、と思うけど。
西郷隆盛の外見にこだわらない、おおらかな人柄が忍ばれる。

【ネット上の紹介】
京都の旅5回目以上のあなたへ!小野小町、紫式部、清少納言、日野富子、淀君ほか、歴史上の女性たち43人の足跡をたどる、酒井順子流新たな京都エッセイ&ガイド。散策に便利な地図付き。
古代のお后達、アウェイとしての京都―光明皇后、高野新笠
神に仕えた皇女「斎王」達のドラマ―有智子内親王、選子内親王、済子女王
美女の信仰、美女への復讐―檀林皇后、小野小町
平安初期の悪と愛―藤原薬子、藤原高子、伊勢
『源氏物語』誕生の背景は―中宮彰子、紫式部
『枕草子』の裏にある悲劇―皇后定子、清少納言
受領の娘達は、なぜ書くのか―藤原道綱母、和泉式部、菅原孝標女
院政期に揺れる女人達―讃岐典侍、待賢門院璋子、美福門院得子
平安と現代、「伝染病が蔓延する世」を生きる
自粛の日々で知った「憧れる」想い〔ほか〕


「人名の世界地図」21世紀研究会/編

2023年10月16日 06時08分48秒 | 読書(海外事情)


「人名の世界地図」21世紀研究会/編

面白くて、役に立つ。
小説を読んだり、ドラマを観たときに、人物のルーツを推測できる。

P4
すぐにユダヤ人だとわかるように、植物、金属名しか使わせなかったのだ。
(ゴールドマン、ゴールドバーグ、リリエンタールなど。金属・植物以外にも、フリードマン、グリーンバーグ、ホフマン、レヴィ、ネイサン、ロス、ロスチャイルド、ルービンスタイン)

P52
ピューリタンたちは、とりわけこの罪(ダヴィデ王の不倫)を忌み嫌ったため、アメリカの初期の移民などはディヴィッドという名前を子供たちにほとんどつかなかった。

P60
マイケルという名前がアイルランド人に多かったことから、その愛称のミックやミッキーはアイルランド人をさす俗称、ときに蔑称となった。(中略)
アイルランドを代表するもうひとつの名前、パトリックの愛称も、侮辱的にもちいられることが多かった。
パトリックの愛称パディやパットは、ミッキーがアイルランド人の貧しさをあげつらう名前であれば、かんしゃくもちというイメージと結びついている。また警官や消防士となったアイルランド系移民が多かったため、パディは警官をさす俗語となった。

P61
ジョンは、オランダではヤンとなる。ニューイングランドに入植したオランダ人をイギリス人がからかってよんだヤンキー(オランダ野郎)は、転じてアメリカ北部の住民を、さらにアメリカ人全体をさす俗称となった。

P142
アメリカのブリジットはさっぱり人気がない。理由は、19世紀半ばにアイルランドを襲った空前のジャガイモ飢饉にある。困窮した農民百万人が移住したアメリカでは、ブリジットという名前がアイルランド人のお手伝いさんの代名詞のようになってしまったのだ。

P150
ミッキーは、大天使ミカエルに由来するマイケルという名前の愛称だ。マイケルはパトリックとともに、アイルランドの男性名の典型とされる。
そして、このミッキーという愛称は、移住先のアメリカでも、実はアイルランド人への蔑称だったのだ。
ミッキーという名を思いついたのはディズニーの妻だが、映画でもミッキー・マウスの声優をつとめたディズニーは、チビのネズミ、ミッキーに自分の姿を重ね合わせていたのかもしれない。

P191
キリスト教が国教となったローマ帝国では、ユダヤ人の生活はしだいに制限されていく。ローマ帝国滅亡後の中世でも、ユダヤ人はキリスト教徒から蔑まれ、教会がキリスト教徒に禁止していた金融業を強制されたり、ペストはユダヤ人が井戸に投げ込んだ毒が原因だというような偏見に苦しめられた。

タイではお互い愛称で呼ぶ
P247
女性の愛称プン(ミツバチ)ちゃん、クン(エビ)ちゃん、メーオ(猫)ちゃんや、男の子チャーン(象)君、タオ(カメ)君、ケン(上手)君などは、愛称としてさほど違和感はない。

ネット上の紹介】
バーンスタイン、カラヤン、ニュートン―私たちがふだん何気なく聞きながしている人名のなかには、民族、宗教、英雄伝説の長い歴史が眠っている。またときには、「醜い頭」「曲った鼻」というあだ名が、なぜかそのままケネディ、キャメロンという姓になってしまうこともあった。音楽家のバッハはどうして「小川さん」なのか、シャガールという姓にこめられた秘密とは何か?三千年にわたる人名の謎を解き明かすタイムカプセルが、いま開かれる。
第1章 名前にこめられた意味
第2章 聖書がつくった人名の世界地図
第3章 ギリシア・ローマ―失われたものの伝説
第4章 花と宝石に彩られた女性名の反乱
第5章 コナー、ケヴィン―ケルト民族は生きている
第6章 ヴァイキングたちが運んだ名前
第7章 名前でも迫害されたユダヤ民族
第8章 姓氏でわかった中国三千年史
第9章 先祖の名とともに生きる朝鮮半島の人たち
第10章 アジア・アフリカの人名地図
第11章 黒人奴隷に押しつけられた名前
大索引 人名は「意味」の宝庫


「マンチュリアン・リポート」浅田次郎

2023年10月13日 06時58分28秒 | 読書(歴史/時代)


「マンチュリアン・リポート」浅田次郎

張作霖爆殺事件がテーマ。

P63-64
支那ではこの千年の間に6つもの王朝が交代し、しかも漢民族の王朝はそのうちたった2つ。宋と明しかないそうです。ほかは契丹族の遼、蒙古族の元、満洲族の金と清です。

P196
北京は経済上の利によって営まれた都ではありません。その起源は北方から侵入した元が、本領の蒙古に近い砂漠のオアシスに築いた砦ですから、政治上軍事上の利点しか見いだせないのです。

P197
欧米列強の植民地政策には、「未開の民を救う」という、甚だキリスト教的な大義名分があります。むろん本音ではありませんが博愛精神の発揮は十分な建前となるのです。しかし「満洲は日本の生命線」と口を滑らせてしまったのでは、「わが国益のために他国を侵略する」と言ったも同然で、今後どのような対満洲政策をとろうが、国際的非難を浴びること必至と思えます。

【ネット上の紹介】
これを読まずして昭和史は語れない! 張作霖はなぜ爆殺されたのか――瞠目の新史観で、闇に葬られた「真相」に迫る! 昭和三年六月四日未明、張作霖を乗せた列車が爆破された。関東軍の暴挙に激怒した昭和天皇の密命を受けて、若き軍人が綴った「満洲報告書」で明かされる「真相」とは? 該博な知識と丹念な取材に裏打ちされた浅田史観で、闇に葬られた昭和史最大のミステリーを追う。絶好調『蒼穹の昴』シリーズ第4部開幕。


「ふしぎな中国」近藤大介

2023年10月11日 07時22分12秒 | 読書(台湾/中国)


「ふしぎな中国」近藤大介

P75・・・習近平の娘
1992年に生まれた一人娘に、『明るい毛沢東』のように育ってほしいと願って『明沢』と名づけた。(ハーバードに留学して、心理学の学士号を取得したそうだ。アメリカ批判してるのに、娘を米留学させるのはなぜ?党の幹部、富裕層も自分たちの子どもを留学させている。受験競争が苛烈すぎるのも一因かも。北京大学5,000倍と聞く。それだったら留学させようか、となるのかも。但し、ハーバードは年間500万必要、そこまでお金がない富裕層は、日本留学に切り替える。早稲田は中国で人気らしい。池袋でガチ中華の店が増えたとか)

P76
習近平総書記が説く「初心忘るべからず」とは、「毛沢東主席とその時代を忘るべからず」という意味なのだ。(中略)
毛沢東時代の負の遺産――4000万人が餓死した大躍進や、10年間経済が麻痺した文化大革命など――も、今後再現されるのか?
「不忘初心」を最初に唱えた白居易は、草葉の陰で何を思うだろう。
(「初心忘るべからず」は、世阿弥「風姿花伝」だけど、元ネタは白居易だったの?)

P85
国交正常化40周年の2012年が、転機の年になった気がする。(中略)
胡錦濤政権の「和諧社会・和諧世界」(調和のとれた社会・世界)に変わって、「中華民族の偉大なる復興という中国の夢の実現」(中国の夢)をスローガンに掲げた習近平政権は、ひたすら「強国・強軍」の道を邁進していった

P130
1984年12月、イギリスのマーガレット・サッチャー首相との中英首脳会談に臨んだ鄧小平氏は、痰唾を吐き散らしながら凄んだ。
「租借期限が切れる1997年7月1日、新界だけでなく、香港島と九龍半島も、きっちり中国に返還してもらう。もしイギリスが拒否するなら、この時刻をもって人民解放軍を派遣し、武力によって返還を実現する」
            
P132
6章66条からなる国安法は、習近平政権に逆らう香港人を最高で無期懲役刑に科すという衝撃の法律で、香港人は「火星法」と揶揄した。火星で火星人が習主席の悪口を言っても有罪となるような条項(38条)が含まれていたからだ。

【ネット上の紹介】
「白衛兵」「西朝鮮」「外売騎手」「45度人生」「新能源人」「錦鯉」「凡人」…あなたは、この意味わかりますか?中国ウォッチャーとして知られる著者が、新語・流行語で現代中国を読み解く。読み始めたらとまならい面白さ!
第1章 スマホ世代の中国人の素顔(社恐―会社が恐い?いえいえ…
仏系―宗教用語ではありません ほか)
第2章 毛沢東の再来を目指す習近平(共同富裕―中国IT企業は約2兆円を投資
不忘初心―説くのは、「あの御方」 ほか)
第3章 「皇帝」習近平を悩ますもの(動態清零―これが原因で中国経済が急ブレーキ
新能源人―「新能源車」(新エネルギー車)と一字違い ほか)
第4章 24時間戦えますか?弱肉強食の中国ビジネス(九九六―中国版「月月火水木金金」
打工人―打撃の職人という意味ではない ほか)
第5章 気になる隣人「日本人」(凡学―男装の麗人といえば…
迷惑行為―コロナ流行で日本から消えた ほか)


「作画汗まみれ」大塚康生

2023年10月09日 06時35分27秒 | 読書(マンガ/アニメ)


「作画汗まみれ」大塚康生

日本アニメの歴史、貴重な証言。
高畑勲に大きな影響を与え、新人の頃の宮崎駿も指導した。
「未来少年コナン」「カリオストロの城」も、大塚康生さん抜きで語れない。

P18
私は1951年4月、旧制中学校を卒業後、しばらく山口県庁で働いたのち、上京して有楽町のそばにあった「厚生省関東甲信越地区麻薬取締官事務所」というオソロシ気な名前の役所に働いていました。

P98
私個人は、手塚先生がわざわざ東映のすぐ近くの6畳と3畳の狭い拙宅に何度も見えて「虫プロに来てほしい」とお誘いを受けていました。

P100
手塚先生のことばのはしはしに「動かすだけでしょう?」とアニメーションの技術を甘くみておられるようすが感じられたことでした。

P104
「アトム」は放映されてみると爆発的な人気が出ました。それは、東映の私たちにとって、日本のお客さんは「あれでいいのだ」「あれで満足してもらえる」「人気原作漫画があれば、準備はおろか宣伝さえもいらない」と言われたような衝撃でありました。

P107
もし手塚先生が、若いアニメーターに真摯な生徒としてアニメーションの動かす魅力をイチから学ばせておられたら。少なくとも東映よりも高価格でテレビに進出しておられたら『アトム』以後の日本のアニメーションは大分様子が違っていたかもしれなかったのです。(手塚治虫さんが1989年に亡くなられた時、朝日新聞が各界著名人のコメントを掲載していた。氏の業績を絶讃する中で、宮崎駿さんのみ、日本アニメ界へマイナス影響を与えたと、怒っておられたのを思い出す)

P144
拳銃も持つ人の好みを反映すべきである。不二子はブローニング・ハースタル22(これは私が麻薬事務所にいた頃のいつも分解掃除していた拳銃です)、銭形は米軍の将校の持つコルト・ガバメント45等々・・・(後略)(ルパンの愛車をフィアット500としたのも大塚康生さん)







【ネット上の紹介】
「白蛇伝」から「太陽の王子ホルスの大冒険」「未来少年コナン」「ルパン三世」「じゃりン子チエ」まで。高畑勲、宮崎駿と共に青春時代を過ごし、数々の傑作アニメーションを作ってきた職人的名アニメーターの貴重な証言と記録。
1章 アニメーション新入生時代
2章 日本初のカラー長編動画
3章 東映長編を支えた仲間たち
4章 テレビアニメーション時代の幕開け
5章 『太陽の王子ホルスの大冒険』
6章 『ルパン三世』
7章 『未来少年コナン』
8章 長編アニメーション再燃
9章 『リトル・ニモ』顛末記
10章 日本人を描くアニメーション


除草

2023年10月07日 11時11分46秒 | 身辺雑記

庭の雑草を除草してもらった。
すっきり・・・ありがたいことだ。(¥22,000円)

7:10~11:10
3人×4時間=延べ12時間・・・とても自分で出来ない。
体力ないし、しゃがむと足は痛いし・・・専門の方に依頼するのがベスト。

PS
シルバーに連絡したが、満員御礼で断られた。
別なところに依頼した。

【覚書】
JAF年会費支払い・・・4,000円
モンベル年会費支払い・・・1,500円
以上、覚書として記載。


freefan#87

2023年10月04日 07時35分58秒 | 読書(山関係)


freefan#87が送られてきた。
特集「岩場は変化する」

JFA | NPO法人 日本フリークライミング協会 (freeclimb.jp)


「大奥づとめ」永井紗耶子

2023年10月02日 07時03分34秒 | 読書(歴史/時代)


「大奥づとめ」永井紗耶子

久しぶりの読み返し。

P7
物を知らぬ私にとっては、上様の御目に留まり、御手付きになり、いずれは子を産んで側室となることと思っておりました。
 しかし、大奥の内側に入ってみますと、その考えは何やら違っていたのではないかと思うようになりました。何せ、数百もいる女たちの中で、御側室はほんの一部。それ以外の女たちの方が多いのです。

P167
名の宇江に「お」を添えて呼ばれる名のことを「おの字名」と申します。お役が重くなると、「初瀬」「音羽」「矢島」などといった「三文字名」という名に変わるのが習わしでございました。またその名は役職によって受け継がれるもの。

【感想】
「くれなゐの女」の夕顔さんは2度登場する。
名前をお正と改め御三の間に昇進。
「ちょぼくれの女」で登場し舞を披露する。
印象に残るキャラだ。

日本は中国の制度を参考にしている。
でも、マネをしなかったこともある。
中国歴史を読んでいると、やり過ぎ、って感じるときがある。
宦官、纏足も日本では普及しなかった。

【参考図書】
大奥を舞台にした作品で「大奥の座敷童子」がある。
こちらも面白かった。


【ネット上の紹介】
女の道は、つとめをきわめることなり―。己を磨きたて、美しく着飾り、上様の目にとまって寵愛を受け、子を授かる―。それこそが本望とされてきた大奥。だが、「汚れたかた」と呼ばれたお手つきとは対照的に、色恋はそっちのけで、仕事に生きた「お清」がいた。着物の善し悪しもわからぬまま、衣装係を命じられた女。苦にしていた巨体を役立てる職を見つけた女。文書係から代表役へと、出世街道を目指す女。大奥に“就職”した女たちの情熱と苦楽を描く連作時代短編集。