【ぼちぼちクライミング&読書】

-クライミング&読書覚書rapunzel別館-

阿武山

2018年06月30日 19時58分22秒 | 登山&アウトドア(関西)

天気がよいので阿武山に登ってきた。
稲も育ってきた

安威川、少年たちは元気に野球をしていた

増水した川には元気な子どもたち

ハトは暑さでぐったり


「「絶筆」で人間を読む」中野京子

2018年06月27日 20時11分10秒 | 読書(エッセイ&コラム)


「「絶筆」で人間を読む」中野京子

「画家は最後に何を描いたか」という副題がついている。
代表作と晩年の作品を比較している。
また、通して読むと、西洋絵画の歴史としても楽しめる趣向だ。

P83
『フランダースの犬』のネロ少年が、死ぬ前に一度でいいから見たいと切望した絵こそ、ルーベンスの宗教画『キリスト昇架』だった。

『キリスト昇架』(1610年 - 1611年)聖母マリア大聖堂(アントウェルペン)

P200
一見、北国の雪景色を描いた風俗画にしか見えない画面に、ロバに乗った聖母マリアと綱を引くヨセフがさりげなく挿入されているのだ。
Pieter Bruegel the Elder - The Numbering at Bethlehem - Google Art Project.jpg

P240
パリから50キロほど南に、広大なフォンテーヌブローの森が拡がっている。(中略)
この森の北西端に隣接するのがバルビゾン村だ。
『箕をふるう人』ジャン=フランソワ・ミレー
パリにコレラが流行し、一家はルソーの勧めでバルビゾン村へ一時避難。やがてそこがすっかり気に入り、以降、死ぬまで定住することになる。

【ネット上の紹介】
ルネサンス、バロック、印象派…もう、そんな西洋絵画の解説は聞き飽きた。知りたいのは「画家は、何を描いてきたか」、そして「最後に何を描いたか」。彼らにとって、絵を描くことは目的だったのか、それとも手段だったのか―。ボッティチェリ、ルーベンスからゴヤ、ゴッホまで、15人の画家「絶筆」の謎に迫る。
第1部 画家と神―宗教・神話を描く(ボッティチェリ『誹謗』―官能を呼び起こせし者は、消し去り方も知る
ラファエロ『キリストの変容』―バロックを先取りして向かった先
ティツィアーノ『ピエタ』―「幸せな画家」は老衰を知らず
エル・グレコ『ラオコーン』―新しすぎた「あのギリシャ人」
ルーベンス『無題』―「画家の王」が到達した世界)
第2部 画家と王―宮廷を描く(ベラスケス『青いドレスのマルガリータ』―運命を映し出すリアリズム
ヴァン・ダイク『ウィレム二世とメアリ・ヘンリエッタ』―実物よりも美しく
ゴヤ『俺はまだ学ぶぞ』―俗欲を求め、心の闇を見る
ダヴィッド『ヴィーナスに武器を解かれた軍神マルス』―英雄なくして絵は描けず
ヴィジェ=ルブラン『婦人の肖像』―天寿を全うした「アントワネットの画家」)
第3部 画家と民―市民社会を描く(ブリューゲル『処刑台の上のかささぎ』―描かれたもの以上の真実
フェルメール『ヴァージナルの前に座る女』―その画家、最後までミステリアス
ホガース『ホガース家の六人の使用人』―諷刺画家の心根はあたたかい
ミレー『鳥の巣狩り』―農民の現実を描いた革新者
ゴッホ『カラスのむれとぶ麦畑』―誰にも見えない世界を描く)


地震のはなし

2018年06月25日 21時10分27秒 | 身辺雑記

2018.6.25朝日新聞の記事
阪神大震災と今回の地震の違いがグラフで示されている。

揺れの強さはほとんど同じだが、揺れの周期が違う。
建物被害の件数が少ないのは、これによる、と。
(0.5秒となっているが、もっと長く感じたけど)

それでも、一部損壊6770棟である。
避難者は、最大2689人、24日現在539人。


「患者を生きる」

2018年06月23日 19時42分32秒 | 読書(山関係)

朝日新聞2018.6.22「患者を生きる」スポーツ、雪崩・高山病(5)情報編
登山の脱水量は「体重×歩く時間×5」で計算できる。60キロの人が5時間歩くと1500ccが失われる。(中略)
「最低でもその7割を補えるように、1時間おきに水を飲む」


ガス復旧

2018年06月23日 11時17分05秒 | 身辺雑記

地震で停止していたガスが復旧した。
これはデイサービスの話。
ありがたいことだ。

復旧地図を見ると、安威川の北、芥川の東と、パッチワークのようになっているのが分かる。

「宗教国家アメリカのふしぎな論理」森本あんり

2018年06月22日 20時29分10秒 | 読書(英・米)

「宗教国家アメリカのふしぎな論理」森本あんり

「富と成功」「反知性主義」、この二つのキーワードを基に、アメリカを読み解いていく。
著者は国際基督教大学(ICU)学務副学長で、神学レベルで初期の伝道形態から掘り起こす。
興味深い内容で面白く感じた。

1872年ジョン・ガスト「アメリカの進歩」。
P112 左隅の薄暗いところに、羽根飾りをつけた先住民の姿が描き込まれています。大股で歩みを進めるアメリカの文明開化の影におびえ、逃げてゆく姿です。「アメリカの原罪」とも言うべき先住民排除の事実が記録されていることに、ご留意ください

ライプニッツ「神義論」
P52
「神義論」とは、善人が苦しみ悪人が栄えることは神の義に反しているのではないか、というテーマを論じるものです。(中略)
アメリカのキリスト教には、このような経験を熟考する歴史的機会がなかったようです。(中略)
ちなみに、「苦難の神義論」の未発達は、イスラムにも共通しています。(中略)
その意味で、アメリカとイスラムは似た者同士であり、両者は共に原理主義の産みの親と言えるかもしれません。

P78
「政教分離」というと、日本では政治から宗教性を脱色して、非宗教的な社会を作ることであるかのように解釈されます。しかしアメリカではまさにその反対です。政教分離は、むしろ宗教的熱情を確保するために定められたのです。つまり、各人が自由に、自分の信ずる宗教を実践するための制度として政教分離があるのです。

トランプ大統領
P99
「聖書は好きな本だ」と言いながら、「では、聖書のどこが好きですか」と記者に尋ねられると、まったく答えられない。新約聖書の引用をしようとして、聖書を読んでいるキリスト教徒なら「コリント第二(second)」というところを、「コリント二つ(two)」と言ってしまう。
 こうした言動を見る限り、彼はとてもキリスト教的な人間とは言えないでしょう。にもかかわらず、得票率を分析すると白人福音派の八割が彼を支持したという結果が出ていました。それはなぜでしょうか。
 その答えが、第1章で挙げた「富と成功」の福音です。

過去にトランプのような大統領はいたのか?
P103
対するアイゼンハワーは、ノルマンディー上陸作戦の指揮をとった名将軍ですが、知的には凡庸、演説も下手、政治経験はゼロです。(中略)
政治的には、トランプに勝るとも劣らぬほどズブの素人だったのです。(中略)
「反知性主義」という言葉は、この1952年の大統領選挙を背景に生まれたものです。

さらにもうひとり
P104
ジャクソンは、西部開拓地の貧しい家の出身です。学校の勉強もろくにせず、本もほとんど読んだことがない。(中略)
ジャクソンは、対立候補の陣営からjackassと呼ばれました。これは「ロバ」という意味ですが、「間抜け」とか「とんま」という侮蔑語としても使われます。そのロバがいまや民主党のキャラクターになっていることは、みなさんもご存じでしょう。

P111
ジャクソンの言動を見ると、トランプ大統領がことあるごとに唱える、反ワシントン、反ウォールストリート、反エスタブリッシュメントといったスローガンとじつによく似ていることがわかるでしょう。

【ネット上の紹介】
なぜ進化論を否定するのか?なぜ「大きな政府」を嫌うのか?なぜポピュリズムに染まるのか?あからさまな軍事覇権主義の背景は?歴史をさかのぼり、かの国に根づいた奇妙な宗教性のありかたを読み解き、トランプ現象やポピュリズム蔓延の背景に鋭く迫る。ニュース解説では決して見えてこない、大国アメリカの深層。これがリベラルアーツの神髄だ!
序 アメリカを解きほぐすカギは宗教にあり
第1章 「富と成功」という福音―アメリカをつらぬく「勝ち組の論理」
第2章 「反知性主義」という伝統―アメリカ史にさぐる「ふしぎな宗教性」の原点1
第3章 何がトランプ政権を生み出したのか―アメリカ史にさぐる「ふしぎな宗教性」の原点2
第4章 ポピュリズムをめぐる三つの「なぜ」―トランプ現象を深層で読む
終章 「正統」とは何か

絵本ランキング

2018年06月21日 20時30分06秒 | 読書(絵本)

2018.6.2朝日新聞より

日本の絵本作家、って限定でのランキング。
ちなみに私のベスト3(日本+海外)は次のとおり。


「かえでがおか農場のいちねん」プロベンセン夫妻

「しろいうさぎとくろいうさぎ」ガース・ウイリアム

「はじめてのおつかい」筒井頼子/林明子


「花の命はノー・フューチャー」ブレディみかこ

2018年06月20日 20時33分56秒 | 読書(エッセイ&コラム)


「花の命はノー・フューチャー」ブレディみかこ

初期の作品。
英国ブライトンでの日々が綴られている。
まだ保育師になる前の話。

P123
そもそも、最も気持ちが落ち込む時というのは、他人が気に入らんとか、他人にどういう事をされたとか、そういう時ではない。自分に対して絶望した時である。自分という存在の無能さやくだらなさを改めて認識し、それに向き合うことが極めて困難な時である。

P199
そもそも、子供には人生における挫折の経験がない。(中略)駄目で無能なのはわたし自身だ。自分の責任である。という動かし難い真実に直面したことがないのだ。
 だから、子供には他人の痛みとか、他人と自分の間には一定の距離が必要であるとかいう常識が、さっぱりわからない。

【おまけ】
全編に、『ピストルズ・愛』、が満ちている。
私も学生の時によく聴いた。
今もレコードを持っているが、プレイヤーがない。
どこかにCDもあるはずだが、見つからない。
しかたがないので図書館に予約を入れた。
 

【ネット上の紹介】
絶版だった名著に、新たな書き下ろし、未収録原稿を約200頁も加えた最強版!移民、パンク、LGBT、貧困層…地べたからの視点から“壊れた英国”をスカッとした笑いと、抑えがたい抒情ともに描く。「花の命は…苦しきことのみ」の言葉とともに渡った英国ブライトンで、アイリッシュの連合いと過ごす、酒とパンクロックの日々。
第1章 日々の泡編(花の命はノー・フューチャー
DSSオフィス ほか)
第2章 ジョン・ライドン編(ジョン・ライドン 再考して再興とあらば最高論
No Irish,No Blacks,No Dogs レノン、ライドン、ギャラガー兄弟の系譜 ほか)
第3章 アナーキー・イン・ザ・パブ(未収録エッセイ)(物凄く暗い気持ちになったら
国辱電車 ほか)
第4章 10 Years after(書き下ろし+α)(恋愛とPC
二日酔いのベテラン ほか)


「アメリカと宗教」堀内一史

2018年06月19日 19時45分31秒 | 読書(英・米)


「アメリカと宗教」堀内一史

アメリカにはどんな宗教があるの?
特に政治との絡み、歴代大統領との関係。
宗教団体をどう利用し、もちつもたれつだったのか?

様々な論点がある。
福祉改革、死刑制度、健康保険改革、安楽死、ポルノ、同性愛、人工中絶、銃規制、イスラエルを支持するのか、イラク戦争は正当だったのか、…。
各候補、政治団体、宗派は積極的に賛成したり、黙殺したり。
プロテスタントをとっても、いろんな立場がある、ということだ。

福音主義の信条
P44
1.『聖書』の無謬性
2.聖母マリアの処女降誕
3.イエスによる代理贖罪
4.イエスの復活
5.イエスの奇跡の真性

P71
公立学校で進化論の教育を禁止した州は、全米でも、カンザス、テネシー、アーカンソー、ルイジアナとオクラホマの五つの州だけである。

P85
保守派はニューディール政策の多くを「忍び寄る社会主義」と捉え、サービスを受ける個人は次第に政府に依存し、その結果、社会の道徳的基盤は崩れ去っていくと考えた。対してリベラル派は、高齢者のための社会保障や労働者のための国民労働関係法などのニューディール政策に拍手を送り、こうしたサービスがすべての国民に拡大されることを望んだ。そもそもこうした前提となった野放しの資本主義を、リベラルなプロテスタントもカトリックも同様に不道徳で誤った制度だと断罪していた。

1946年3月、FCCカルホーン委員会の報告書『核戦争とキリスト教信仰』
「広島と長崎への騙し討ち爆撃はいかなる戦争の倫理に基づく判断を行っても、道徳的に弁護の余地がないことにわれわれは合意する。[中略]われわれは神の法と日本国民に対して言語道断の罪を犯した」

P196
クリントン政権は、政権発足の二週間後、同性愛者の軍隊入隊を解禁し、この措置がリベラル派と保守派の「文化戦争」を激化させた。

【おまけ】
GHQにはニューディーラーが多く存在したと聞いている。
戦後日本への影響は計り知れない。
日本人は、これが民主主義だ、って思っただろう。
もし保守派が多数派だったら、日本は今と違った資本主義になっていたかも。

【蛇足】
自らピュアであると、ピューリタンと名乗った。
当時の人々は、「グッドなネーミング!」って思ったのでしょう。
現代からみると、その感性はどうなの?って思う。

【追記】・・・なぜ「ピューリタン」なのか分かった。2022/12/31
彼らは、国教会に従わなかったため、「非国教徒」、あるいは「ピューリタン」と呼ばれる。ピューリタンには、もともと杓子定規とか、偽善者といった必ずしも肯定的でない意味が込められていたが、やがてはあくまで純粋な信仰を求める人々の意味で使われるようになっていく。(「教養としての宗教事件史」より)

【ネット上の紹介】
アメリカは、二億人を超えるキリスト教徒を抱え、その八割が「天地創造」を信じ、教会出席率・回心体験でも群を抜く保守的な宗教大国である。一九七〇年代以降、宗教右派が政治に参入し、レーガンの大統領当選に貢献するなど、表舞台に登場。二一世紀以降、ブッシュ、オバマは宗教票を無視できなくなった。本書は、世俗への危機意識からリベラル派が衰退し、保守化・政治化していく過程を中心に、アメリカの宗教の実態を描く。
序章 アメリカ宗教概観
第1章 近代主義と原理主義の闘い―『種の起源』と高等批判
第2章 宗教保守化の背景―南部福音派のカリフォルニア流入
第3章 主流派とリベラリズムの隆盛―一九三〇~六〇年代の潮流
第4章 原理主義・福音派の分裂―新福音派・福音派左派の登場
第5章 政治的保守の巻き返し―ゴールドウォーターからレーガンへ
第6章 宗教右派の誕生―自閉から政治の世界へ
第7章 大統領レーガンと宗教右派の隆盛―一九八〇~九〇年代の政治との関係
第8章 共和党ブッシュ政権と宗教右派の結集―政策への関与と“失敗”
第9章 オバマ政権誕生と宗教左派―政教分離と左派意識


足の踏み場もない

2018年06月18日 20時05分36秒 | 身辺雑記

「足の踏み場もない」とはこのことか。
比喩表現でなく、文字どおりの話。
部屋の入口から、窓際の机に辿り着けない。

2階の部屋の本箱10の内、小さな2つが倒れた。
それでもこの有り様。(下の部屋の本箱は大丈夫だった)
反省点として、本を減らすか、しっかりした本棚を作るか、どちらか。

本日6月18日、7時58分、地震がいった。
私は下の部屋で洗濯をしていた。
そこに下から突き上げるようなうねりを感じた。
「地震?!」
ウチのお婆さんもフリーズ状態。
TVをつけると、私の居住地は『震度6弱』に相当する、と。
どうりで激しかったはずだ。
食事をして、洗濯を干して、車で職場に向かう。
えらい渋滞である。
普段30分から40分で到着するところが、1時間45分くらい掛かった。
(中環を西に横切った辺りから混んでいた)
帰宅は、枝道を選んで帰ったので35分くらい。

ガス、電気、水道、特に問題なし。
しかし、近くのデイサービスからの連絡では、
「ガスが使えないので、食事と風呂が提供できない」、と。
「復旧するまで休みます」、とのこと。
近くても、エリアによって違うみたいだ。
早く再開して欲しい、風呂がなくてもいいから。

【後記】
ガスの状態は、安威川の北か南かで違うようだ。
阪神淡路大震災では、東西に揺れた。
今回は下から突き上げ、ぐねぐねと感じた。
東に向いた本箱も、南を向いた本箱も倒れた。
阪神淡路大震災では、本箱は倒れなかった。(早朝だったが、なぜか数分前に目を覚ましていた。が、ベッドから一歩踏み出すことも出来なかった)
今回は起きている時間帯だったので、壁につかまって耐えた。


阿武山

2018年06月16日 20時21分14秒 | 登山&アウトドア(関西)

阿武山に登ってきた。

安威川を遡行する

この先に稲荷神社がある

途中の尾根道


「悪魔のような花婿」シリーズ再読

2018年06月14日 19時53分13秒 | 読書(小説/日本)

5月は、「嘘つきは姫君のはじまり」シリーズを再読していた。
今月は、「悪魔のような花婿」シリーズを再読した。
両者は松田志乃ぶ作品の双璧、甲乙つけがたい面白さだ。

「薔薇の横恋慕」P139
マザーフィールドの領地を治めることになった夫に若きモード・パイパーが求めたものは、領民たちへの慈悲の心、仕事への情熱、家族への愛情、妻への誠実さといったものだった。
 その全てを完璧に満たしてもらえるとは彼女自身も思っていなかっただろう。だが、ただの一つも与えられないとはさすがに考えなかったはずだ。

「魔女たちの仮面舞踏会」P194レディ・エリノアのセリフ
「それを否定するつもりはないわ。私は愛を感じたことはないけれど、愛の存在を主張する人々が全員揃って嘘を言っているとも思わないから。幽霊のようなものね。ある人は確かに見たと言い、ある人はただの幻だと言う……。(後略)」

「魔女たちの仮面舞踏会」P204ジュリエットのセリフ
「でも、あの、生意気なことを申すようですけど、わたしにとって、愛の存在を疑うことは自分を疑うことと同じように思われます、王妃さま。両手をながめて、これは本当に自分の手なのかと考えるような・・・・・・わたしは家族から惜しみない愛情を与えられて育ちましたし、それは確かにわたしの一部になっていると感じますの。愛など幻だと否定したら、それを一部としているこのわたしも幻ということになってしまう気がします」 

「たんぽぽと卵」P255
「落ちたらまた受ければいい」
 リオンは言った。
「それでもだめなら、他の場所で、あなたにふさわしい他の道を新たに探し始めればいい――エリザベス・スプリング」
 初めて彼からその名前で呼ばれ、エリザベスがかすかに目を見開いた。
(ジュリエットもいいけど、私はエリザベスのファンだ)

【参考リンク】1
「嘘つきは姫君のはじまり」再読 

【参考リンク】2

「悪魔のような花婿」松田志乃ぶ
「遅れてきた求婚者」松田志乃ぶ
「悪魔のような花婿 薔薇の横恋慕」松田志乃ぶ
「悪魔のような花婿~ダイヤモンドは淑女の親友」松田志乃ぶ
「悪魔のような花婿~愛と誘惑の黄金宮」松田志乃ぶ
「悪魔のような花婿(あなた)~魔女たちの仮面舞踏会」松田志乃ぶ
「悪魔のような花婿(あなた) 魔法使いの恋人」松田志乃ぶ
「悪魔のような花婿(あなた) 薔薇の祭典」松田志乃ぶ
「悪魔のような花婿(あなた) エメラルド島の花嫁」松田志乃ぶ
「悪魔のような花婿(あなた) プリンセス・フェスティバル」松田志乃ぶ


町山智浩の「アメリカ流れ者」

2018年06月11日 19時34分29秒 | 読書(英・米)

町山智浩の「アメリカ流れ者」

町山智浩さんの映画コラム。
(ラジオ番組でのトークを文字に起こしている)
映画を観ると現代事情が見えてくる。

P17
「BLとかやおいは『スター・トレック』から始まっているんです。もともと『スター・トレック』が放送された1960年代、カーク船長とミスター・スポックがあまりにも仲がいいので〈2人はデキている〉と女性たちが妄想して、それを物語として書き始めたのが、やおいやBLの始まりなんですよ!」

P31
自分のための復讐は「リヴェンジ」ですが、他の人に代わって仇を討ってあげることを「アヴェンジ」といいます。

P37
民主党と共和党のイデオロギーが逆転したのは、1960年代に民主党のケネディとジョンソン大統領が南部の黒人に選挙権を与える法律を通したからです。南部の白人たちはこれに怒って民主党を離れ、彼らを取り込むことでニクソンが大統領に勝ちました。

P86-87
いわゆる「リベラル」という言葉は、もともと「ニュー・ディールに賛成」という意味でした。戦後の日本も、このニュー・ディール主義(リベラリズム)のもとに始まったのです。
1980年ごろから新自由主義(ネオ・リベラリズム)に取って代わります。当時の大統領は共和党のロナルド・レーガン。ネオ・リベラリズムとは、基本的に「国が経済をコントロールしたり、国民に福祉を与えたりするのをやめて、実力重視の競争社会、自由主義競争を加速しよう」という考え方です。
 これはつまり、企業が利益を上げるために人員を削減したり、大きい企業が小さい企業を乗っ取ることなどを規制しないということです。

P173
映画業界では「興行収入が制作費の3倍なればトントン」といわれています。つまり「制作費10億円の映画を作ったとしたら、チケットの売り上げが最終的に30億円になれば黒字に転換」ということです。

【ネット上の紹介】
映画は、何も知らずに観ても面白い。でも、知ってから観ると100倍面白い。観てから知っても100倍面白い!人種差別・戦争・ドラッグ…映画が映し出す光と闇。合計21本の傑作コラムを収録!
多様性のあるアメリカ、人類の未来―スター・トレックBEYOND
ミュータントに託して描かれる差別との闘い―X‐MEN:フューチャー&パスト
タランティーノが暴くアメリカの暗い歴史―ジャンゴ繋がれざる者
政治とは交渉と妥協である―リンカーン
“良い戦争”などあり得ない―フューリー
PTSDで壊れゆくアメリカ軍人―アメリカン・スナイパー
市井の人から見た戦争の脅威―この世界の片隅に
ゾンビに託して描かれる虚構と現実―ワールド・ウォーZ
外国に無関心なアメリカ人―マイケル・ムーアの世界侵略のススメ
ドラマでわかるアメリカのドラッグ事情―ブレイキング・バッド〔ほか〕


「火定」澤田瞳子

2018年06月09日 20時02分03秒 | 読書(歴史/時代)

「火定」澤田瞳子

奈良時代、天然痘の猛威を描いている。
当時の人々はどう闘ったのか?
澤田瞳子最新作。

P26
どんな優れた医師でも、病人の様子を診、症状を抑えるための薬を調じるのが精一杯であり、病とはなにかという根源的な問いには誰も答えられない。

P403-404
灼熱の暑さとともに京都を襲ったおびただしい死。如何におぞましく無残な現実であろうとも、人々が生きたその痕跡は確実に残り、その死は新たなる命を産み出す。
 だとすれば彼らの死は決して、無駄ではない。この世の業火に我が身を捧げる、尊い火定だったのだ。


【ネット上の紹介】
時は天平。藤原四兄弟をはじめ、寧楽の人々を死に至らしめた天然痘。疫病の蔓延を食い止めようとする医師たちと、偽りの神を祀り上げて混乱に乗じる者たち―。生と死の狭間で繰り広げられる壮大な人間絵巻。


「ザ・ファブル」(14)南勝久

2018年06月07日 21時21分43秒 | 読書(マンガ/アニメ)

「ザ・ファブル」(14)南勝久

シリーズ最新刊。
真黒の砂川が組長と若頭を消して、下克上を図ろうとする。
殺し屋をファブルの幹部・山岡に依頼する。
山岡はファブルから派遣するとボスに知られるので「外注」する。
物語はストレートに核心に進まず、寄り道する。
その「遊び」とも言えるエピソードが面白い。

「お詫びっちゃなんだけど――夕飯食べてきなよ」
「えっ!?いいんスかぁ?」
「今日はおでんだ――」
「肉ジャガよ!」

「ねぇ――ちょっと手合わせしてよ」
「あの……ヤクザ者の俺がゆうのもアレですが……ケンカ売るのは…」

「準備運動も構えもない…・これが殺し屋のスパーリング…?」

今回もクロちゃん大活躍。
食事のシーンや料理を作るシーンが多いが、日常っぽくていい。
今回、オクトパスの社長の出番が少なかった。

【ネット上の紹介】
はぐれ極道・小島が散り、怪悪党ウツボの野望がついえた大阪太平市に、束の間の平穏が訪れる…ワケもなく。年越しを目前にしたアキラ&ヨウコの知らない所で、ボスの忠告を無視する謎の幹部・山岡が、真黒組を標的に激ヤバな行動をおっぱじめるのだった…。そんな折、ひょんな事からアキラとヨウコが、自宅の屋上で直接対決するハメに!? 無敵の殺し屋兄妹、超絶ガチスパーリングって、どうゆうこっちゃの第14巻でございます♪