敏腕Pの日々のつぶやき

テアトルシアター代表。担当舞台作品について他、演劇やスポーツ等々の雑感を気の向くままに。

新人会

2019年03月22日 | 鑑賞
昨日、劇団俳優座の研究所の
卒公について少し書いた。
(正確に記すと修了公演)
いわゆる「養成所」である。

さて。
今年七十五周年を迎えた俳優座は
創立から間もなく俳優養成を開始した。
劇団・劇場・養成所から成る組織。
西洋において当たり前の「形」に
いち早く着手したわけだが。

その研究所黎明期の出身者が、
俳優座に残る道を選ばずに
(また選べずにもあったろう…)
作った創造団体を一般的に
「スタジオ衛星劇団」と称する。

青年座、仲間、三期会、同人会、
新人会が次々に誕生した(順不同)。

そのうちの新人会が創立65周年の
記念公演を上演中である。

『新・ワーグナー家の女』
(作/福田善之、演出/尾崎太郎、
於/上野ストアハウス
時/2019年3月20日~24日)



唐突にスカイツリー。
実は会場から、よく見えるのだ。
それはともかく。

1954年の旗揚げ公演に始まる
新人会は、66年最初の岐点を迎え、
俳優小劇場(現・俳小)と分裂する。
さらに94年には朋友と袂を分かった。

今回「新人会」と銘打つ公演は、
随分久しぶりになるようだが、
その演出に、三期会から改称した
東京演劇アンサンブルに所属していた
尾崎(退団後「さんらん」を主宰)を
迎えたというのも、不思議な縁だ。

私は昨夜、自分の本番を終えて
駆け込んだが、風の強い一日だった。
前述のような「歴史」を背負う
新人会を観るに相応しい日とも言えた。

今、演劇界……というか、特に新劇は
厳しい逆風の中にあると言える。
前述の東京演劇アンサンブルも
拠点とした「ブレヒトの芝居小屋」で
最終公演を上演中だ。
長く創造の砦としてきたが、
先方ののっぴきならない理由で立ち退く。

同じく青年座も、建て替えのため
拠点からしばし離れる事が決まっている。



本題に入る。
前田昌明、萩原萌、永野和宏。
新人会の三人と五人の客演による、
あのワーグナーの義娘と孫に
焦点を当てた福田戯曲を、
丁寧かつダイナミックに演出し、
見ごたえある作品に仕上がっていた。

巷には「最終公演」との噂もあったが
活動継続の発表もあり、嬉しく思った。

俳優座制作と、衛星劇団の関係も
さることながら、萩原と永野が
親しい友でもあるから・・・。



コメント
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