広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

カニの町

2009-09-22 18:21:10 | 旅行記
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※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
山陰の日本海側はカニが水揚げされる冬は、カニ目当ての大阪周辺からの観光客で賑わうそうだ。
数十分の待ち時間で駅前にちょっと出ただけの兵庫県香美町(かみちょう)の香住(かすみ)駅も、カニの町。駅前はカニだらけだった。まずはホームと改札口の上に、
カニ爪「きちゃったネ…香美町」 歓迎じゃなく「カニ迎」
カニ迎の下に「かにと応挙と香りのまち」とあるが、応挙は江戸時代の絵師 円山応挙のこと。町内のお寺に多数のふすま絵や屏風が残っている。
改札の外もカニばかり。
広告塔はもちろん駅舎にいろいろ…

観光協会の時計 この中に3つのカニ

タクシー屋根のあんどん! ポストの上
ポストの上はブロンズ像でなく、鏡面加工のステンレス(?)で投函口と垂直に(=駅舎と相対して)置かれているのがおもしろい。投函口側から見ると、厚さ5センチほどの平べったい側面しか見えない。
ここにもカニの爪
ホームのとは爪の形が違う(開いている角度や左右)。「またきてね/香美町」の「美」だけフォントが違うが、合併で2005年に香住町から香美町に変わったため。

1日1往復ある香住始発の大阪行き特急「はまかぜ」に乗る。はまかぜは西の浜坂、鳥取始発も1往復ずつあり、それらを合わせて香住ー大阪間では3往復ある。冬はその名も「かにカニはまかぜ」というカニ観光用臨時列車も運転される。
 
昔ながらの改札口で、発車案内も懐かしい「ザ・ベストテン」みたいなパタパタ式(正式にはソラリー式という)。

そしてこの列車が懐かしいと思う方もいらっしゃるはず。特に秋田などでは。
キハ181系という形式のディーゼルカーで、塗装はJR西日本独特の地味なカラーに塗り替えられているが、元は肌色とエンジ色の国鉄特急色だった。
1968年から1972年に製造され、1970年から1975年の奥羽本線電化直前までは、秋田-上野間の特急「つばさ」にも使用されていた。現在、この形式の車両を使う定期列車は「はまかぜ」だけ。2011年春に新型車両が投入されることになっているので、それもあとわずか。

自由席2両、グリーン車1両、普通車指定席1両の4両編成。奥羽線電化によりつばさで使わなくなった車両は、山陰や四国へ転属したのだが、僕が乗った先頭の「キハ181 12」もつばさで使用されていたようだ。僕が生まれる前に秋田駅に出入りしていた車両に、遠く離れた山陰で乗るとは不思議な感覚。

車内の座席などは多少リニューアルされ、秋田の「かもしか」レベル。
車内放送のオルゴールは「アルプスの牧場(チロル民謡)」。国鉄では、電車は「鉄道唱歌」、ブルートレインなど客車では「ハイケンスのセレナーデ」と動力別に曲目を分けていたのが、なんとも国鉄らしい。国鉄からの古い車両には国鉄から勤務するベテラン車掌がふさわしい感じだが、若い女性車掌だった。
エンジンの音がすごい割りには、スピード感がない。国鉄型の普通列車気動車よりは快調だけど。「スーパーまつかぜ」のような新型車両と比べるのはかわいそうではある。

香住発時点では車内はまばらだったが、30分弱で着いた城崎温泉からたくさん乗ってきた。大きな発砲スチロールを持っている人もいた。季節外れのカニか他の魚介類か?
城崎は文豪が訪れ、カニ、コウノトリで名高い、歴史ある温泉地。カニの駅弁がたくさんあるのだが、ホームに降りて買っている時間はないし、このはまかぜには車内販売が全区間でない。夕食は大阪までおあずけ。3時間も走るのだから、一部区間だけでも車内販売してくれてもいいのに…

今走っているのは、京都まで続く山陰本線。米子からずっと電車が走れない非電化区間だったが、城崎温泉から京都までは電化されているので、城崎温泉始発の電車の特急がたくさん走っている。うち大阪行きの電車の特急「北近畿」は途中から福知山線に入り、大阪のすぐそばの尼崎へ抜ける。
一方、このはまかぜは城崎温泉の先の和田山という駅から、播但(ばんたん)線という電化されていないローカル線に入り、姫路へ抜ける。大阪までは福知山線経由より播但線経由の方がちょっと遠回りになるが、途中下車しなければ福知山線経由で運賃・料金を計算していい特例があり、今回もそれを適用して購入している。昔、秋田から上野へ行く時にあったのと同じ制度だ。

日が沈んで暗くなってきた。播但線の山あいに入り、山に囲まれた川沿いの平野を進んでいたが、川の護岸が崩れたり、古い橋がW字にひしゃげているのが見えた。先日の豪雨の被害だろう。
姫路からは山陽・東海道本線を走る。新しい新快速電車の合間を縫って古いディーゼルカーが疾走して、大阪着。香住から3時間強かかった。
明るい時間で食べ物があればもっと良かったけど、国鉄型車両の走りは楽しめた。

久々の大都会、大阪。新幹線の新大阪が別にあるせいか、大阪駅は東京駅ほどごちゃごちゃしていなくていい。隣接の大丸で値引きの弁当を買って、ホテルへ向かう。
ホテルは大阪からJR大阪環状線で5駅の森ノ宮という駅のそばなので、帰りのきっぷのルートから外れる。そこで、Suicaを使って(JR西日本のICOCAの相互利用として)初めての電車乗車。電子マネー同様、こちらも便利。でも改札機にタッチするタイミング・時間の感覚がつかめず、後ろから次の人が来ている場合は気を遣う。また、改札機のディスプレイを見て処理が正常に行われたことを確認した方がいい。まれに処理が行われずに通過してしまうことがあり、そうなると次回面倒なので。
ホテルの部屋から。反対側の部屋だと大阪城が見えたのだけど格安プランだからしょうがない
翌日は秋田へ帰るだけ

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4 コメント

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カニって (あどれ)
2009-09-22 20:37:08
北海道が有名だとばっかり思ってたけど。兵庫県でカニ?へ~全く知らなかった!
しかもこんなに町中カニだらけだなんて。ホームにあるハサミ、すごいね。。。こりゃ一緒に写真撮りたいです。
タクシーにまでカニねぇ。。。
ところで、お家にカニのお土産は買って来たの!?
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兵庫県は (taic02)
2009-09-22 21:11:40
神戸や姫路など太平洋だけでなく、日本海にも面してるんです。
これほどカニにこだわる町、水揚げシーズンはすごいはず。温泉とカニ三昧の旅もいいかも~
シーズンじゃないし、乗り換えでちょっと降りただけなので、カニのお土産はなしでしたよ。後で旅行記お土産編もアップします。
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ズワイガニは (沖波路)
2009-09-23 01:11:52
こんばんは。181系乗られましたね。

かには山陰では松葉ガニ、福井付近で越前ガニでしたね。

城崎温泉駅ではかつて水槽にズワイガニ入れて見せてましたが、今はどうなんでしょう。
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秋田ではカニは (taic02)
2009-09-23 21:25:16
こんばんは。もう少しするとお別れ乗車で混み合いそうですが、その前にキハ181の旅を楽しめました。
秋田では、あまりカニが獲れるとは聞きませんし、カニと言えば北海道です。だから、松葉などの地域呼称には弱いのですが、いろいろあるみたいですね。越前ガニのメスをセイコガニなど。
城崎では本物を飼っていたのですか。いろいろ気になる場所です。天橋立などと共にいつか行ってみたいものです。
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