広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

秋田市内の藤

2010-05-26 21:25:40 | 動物・植物
昨年、ツツジと一緒に紹介した千秋公園のフジ(藤)の花。一昨年まではじっくり見る機会が少なかったが、改めて見て、甘い香りと優しい色あいと姿の美しい花だと思った。
今年の秋田市内3か所のフジを紹介します。
●千秋公園の2種類のフジ
千秋公園の故月池【訂正】胡月池
白いツツジも咲き始め、たくさんの人が見に来ていた。
池の藤棚も華やか
今までここには藤棚が1つ=1種類のフジの木しかないと思っていたが、実際には隣り合わせに2つの藤棚があった。

そしてその2本は、花の色あい・咲き方と咲く時期が異なる。

写真左奥は花盛りで、こんもりと咲いている。右手前は房の下半分以上がまだつぼみで咲き始め。昨年の記事で紹介したのは、後者のようだ。
そして色。満開の木は赤みの強い紫色でピンクっぽくも見える。一方、咲き始めの木は青みが強い。「藤色」という伝統色があるが、「淡く青みのある紫」のようなので、咲き始めの木の方が近いようだ。
また、葉っぱの出方も異なる。咲き始めの木はかなり葉が出て開いているのに対し、満開の木は少ししか葉が出ておらず、それが花を引き立たせている。桜のソメイヨシノのように、花が先に、美しく咲くように改良された品種なのかもしれない。
花1つ1つはマメ科らしい形

まだ楽しめそう
なお、二の丸広場のトイレ前にも藤棚があり、こちらもきれいに咲いていたが、葉っぱが同時に出る青っぽい花のようだ。
また、昨年の記事で紹介した、西側の林に自生するフジは、今年は咲いていないようだ。金照寺山や天徳寺の山などでは既に咲いているが、どうしたんだろう?
その後西側で咲いた様子

●標本木のフジ
先月紹介したように、気象台には桜の開花状況を観測するための「標本木」がある。
マスコミは桜ばっかり報道する傾向があるが、気象庁ではそれ以外にも多くの動植物を対象に咲いた日や初めて見た日を観測しており、「生物季節観測」という。桜など全国共通で観測する「規定種目」と地域性などに応じて各観測地点が選んで観測する「選択種目」があるそうで、規定種目の中に「のだふじ」というのがある。

ところで、日本には「ヤマフジ」と「ノダフジ」という2種類のフジが自生するそうだ。
ヤマフジは蔓が左巻き(上から見て反時計回り)で、葉や花が小さめ。西日本に自生するので、秋田にはあまりなさそう。
日本で一般的に「フジ」と呼ばれるのがもう1つの「ノダフジ」。(大阪のフジの名所“野田”にちなんで牧野富太郎が命名した)蔓が右巻きで、葉や花が大きく、本州以南に自生する。

秋田地方気象台が観測した生物季節観測の結果は、公式サイトで公表されている。http://www.jma-net.go.jp/akita/kyokuti/seibutsu-kisetsu.html
それによれば、今年は5月22日にノダフジの開花が観測されている。そういえば、秋田地方気象台構内のソメイヨシノの標本木のそばに藤棚があった。あれがノダフジの標本木だろうか。だとすればそれが開花しているはず。ということで山王の第二合同庁舎へ。
これ(左手前は紅葉・落葉観測用のイロハカエデ?)
微妙な鎖が張られており、それが単なる車止めなのか、立入禁止を示すのかよく分からないので、鎖の外側ギリギリから撮影。
こんもりと葉っぱは茂っているが、花が1房しか見えない(写真の赤丸)。
角度を変えて裏側へ回ると、茂みのすき間からアメダス機器などを挟んだ遠くに、たくさんの花が見えた。さすがにここは立入できないので、最望遠で。
青紫系だが、薄い花と濃い花がある
やはり葉と花が一緒に出るのが、本来のフジの生態のようだ。

●保存樹のフジ
昨年、旭南地区にある竿燈まつりの川口町内の事務所になる神社(お稲荷さん?)に、秋田市の保存樹(1974年に指定されていた)に指定された大きな藤棚のフジがあり、花が咲いたら見たいと思っていた。
葉っぱが旺盛だが、花もたくさん咲いていた
クマバチ(音は怖いけどおとなしい蜂です)がぶんぶん飛び回る藤棚の下に入ると、
甘い香りが漂う
夏は涼しそう。
散った花びらも多いが、

まだ見頃
神社の前はカーブが多い川沿いの一方通行路で、周囲には民家とマンション・社宅などが多い。
前はバス路線(新屋線下り、茨島回り茨島牛島環状線)
僕は毎日のようにここを通っていた時期があり、神社の存在は知っていたが、フジにはまったく気付かないでいた。
知る人ぞ知るフジの名所じゃないだろうか。

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