広く浅く

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手形陸橋北側歩道

2017-04-14 00:35:30 | 秋田の季節・風景
手形陸橋新旧切り替えの続き。細部に注目。

手形陸橋を北側から見た時、中央部の線路を挟んだ両側に、このようなこげ茶色の傘状の構造物が目につき、手形陸橋ならではの光景だった。
前回の通り、これは陸橋北側の歩道とその下を結ぶらせん階段で、今回の切り替え=既存部分の補修工事実施により使用が停止された。

地図で位置関係を確認。国土地理院の地形図では、らせん階段も西端の普通の階段も、どちらも掲載されていない。
地理院地図に加筆。緑色の線が手形陸橋の区間で、新しい橋は描かれていない
左側の赤矢印2つが、陸橋西端から下りる階段(現在も通行可)。階段上に等高線が入っているが、ここは秋田市では珍しい、崖状の地形。
中央の2つの赤い丸が、らせん階段。右の東側は階段下に細い道路があり、そこにつながっているが、左の西側は道路がないように見える。実際には、歩行者専用の通路のようなものがあり、左側の道路まで出られる(前回写真参照)。

北側歩道。左にらせん階段の丸い屋根が2つ並ぶ
らせん階段部分の構造は、おそらく両方とも同じ。左右対称に設置されているので、下りる場合、西側は時計回り、東側は反時計回り。
ちなみに、建物の非常階段は左回りが基本。陸上競技場も同じで、人間は左回りのほうが回りやすいらしい。
西側下り口

東側のらせん階段の途中。線路越しに西側階段も見える
らせんはちょうど2周分で、残りは15段ほどのまっすぐな階段で地面に着く。
東側の下。右奥に踏切がある
らせん階段は、1991年の拡幅(リバーシブルレーン化)時に新設されたものだと思う。【14日追記】1991年の拡幅以前には、らせんでない通常の階段があったらしい。
上の地形図の通り、陸橋の北側には踏切、南側には地形図に「歩道橋」と記した歩行者専用の跨線橋もあるし、なくてもあまり困らないと判断して、補修工事中も代替の階段を設けなかったのかもしれない。
というか、工事完了後は再び使えるようになるんでしょうかね? こういう見通し・計画を示してほしいのです。秋田県さん。

ただ、地形図を見ると分かるように、線路も微妙にカーブしているし、下の道路も陸橋とは直角に交わっておらず、手形陸橋とその下の道を歩く歩行者は、どこを通れば最短ルートなのか考えるのに頭を使う。
そんな時、陸橋に上ってらせん階段を使ってしまえば、あまり悩まずに済むという利点はあったかな。
あと、らせん階段の途中からは、俯瞰アングルでそれなりの鉄道写真を撮影することができた。
東側
【14日追記】アップ後に写真を見て発見。らせん部分外側の高欄(欄干)というのか転落防止の柵を覆うクリーム色の板の高さが、東西で違う。
西側は全区間で手すり(内側の細い銀色のパイプ)より下を覆っているのに対し、東側では部分的に手すりより上まで全部覆われている箇所がある。
どうも道路に面した部分だけが高くなっている。道路に面して民家があることから、階段からのぞかれないようにするためだろうか。

新しい南側から、北側中央部を見る
昔の電化された鉄道を越える跨線橋では、線路の真上には網が張られ、「20000V電線 危険」というオレンジ色の表示がついていた。
ところが、1991年に手形陸橋がリニューアルされた時は、上の写真のように網も表示もなくなった。背が高い透明の板で覆われたため、それらが不要なのだろう。(歩道がない南側は昔のままだったはず)

上の各写真で分かるように、北側の柵というか壁は、外側に向かって弓状に膨らんだ形状。縦方向に等間隔に茶色の支柱があり、その間は上から下まで1枚の透明パネル。現在は汚れや経年劣化でだいぶ曇ってしまったが、当初から、薄い茶色のような色が付いていたはず。火野正平さんのような高所恐怖症の人は、怖かったかも。
金属の手すりが1本あり、線路でない部分も同じ造り。


新しい南側。
黒系統でまとめられ落ち着いている
こちらは、縁が黒く平面ながらやはり全面が透明な壁。手すりは太いの1本、細いの2本もあり、下が見える恐怖感は薄まるのではないだろうか。

透明パネルは、色は付いていないようだが、横方向に細い線が等間隔でたくさん入っている。線の目的は不明。
【6月14日追記】パネルは手すりを境に上下で分かれており、下側はすりガラスのようになっていて(線は入っている)向こう側は見えない。

北側同様、路面に自転車の通行区分の表示はない。秋田では秋田市道のほうが積極的にやっていると感じるが、分けなくていいのでしょうか。拡幅完了時までに何かするのか。

【14日追記】車道と歩道の境の柵も黒いもの。
ところで、「株式会社住軽日軽エンジニアリング」ホームページの「実績紹介」に、2012年11月に施工された手形陸橋の工事が紹介されていた。同社の欄干状の転落防止柵が、手形陸橋南側に設置されたらしい。写真によれば、まだ拡幅前。
型式は「景観配慮型防護柵」「キャプロア NB-33ER-85K」とのこと。

その欄干の色も形も、今回新しくできた南側の歩道と車道の境の柵にそっくり。設置から5年も経っていないこともあるので、拡幅前の外側の柵を、拡幅後の内側へ転用したのかもしれない。
そういえば、20年くらい前は、南側には柵や欄干ではなく赤茶色の低い壁が設置されていた。(以上追記)

さて、手形陸橋から南側を眺めるのは、これまでは車で通過する一瞬しかできなかった。
今回、歩道ができたことにより、開通51年目にして初めて可能になった。
線入りガラスの隙間からのぞく
秋田駅の駅舎やホームは、歩行者用跨線橋にさえぎられて見えない。左に東口のNHKとアルヴェ、右にフォーラスや西武が見える。期待したほど眺めがいいってわけじゃなかった…
下に線路が何本もあるが、入れ換え中の車両がここで待機することがある。
【10月9日追記】南側歩道の線路より少し東(手形)側一帯では、(天候によって見えていれば)鳥海山を望むことができる。西側では建物に隠れてしまう。


最後に、再び北側へ。
北側は、らせん階段や外側の壁(透明板の枠)のほか、車道との境の柵や路面も茶色系統でまとめられていた。
2本だけだけど、県道でおなじみの竿燈をモチーフにした照明もあった。線路より東側に2本だけの設置で、色はやはり茶色。
他の県道のものと異なり、手形陸橋のはやや背が低く、道路と平行で、先端は球形。

路面は、大きめの正方形のタイルで、濃淡違いの3色あり、濃い色がほぼジグザグに(ややランダムに)並んでいた。
他のタイルの道路と同じく、経年で割れるなどした部分があり、アスファルトで埋められた箇所もあった。コストと手間を考えると、南側のようなアスファルト舗装で充分だろう。

歩道の路面と車道との境の柵
路面と柵にはちょっとした装飾があった。どちらも3パターン。
路面には、タイル4枚を使った、カラーイラスト。間隔や向きの法則はよく分からない。
上の写真は、お城。1989年に復元された、近くの千秋公園の久保田城御隅櫓(おすみやぐら)のつもりなのかもしれないが、実物には石垣はないし、建物の構造も少し違う。
おなじみ竿燈
なかなか上手だけど、提灯の紋が、1つは三角形、もう1つはワイングラス?
大若だとすれば、提灯の数は、左が6個×1列、右は6個×2列、それぞれ足りない。
これは…
近くにある太平山三吉神社の冬の行事「梵天(ぼんでん)」のつもりなんだろうけど、形状がヘン。
絵では鏡餅みたいな形状だけど、実物はすとんとした円柱。こういう梵天もあるのだろうか?

車道との柵には、横長で黄緑色のレリーフ。
柵の支柱の間隔で5スパンごと、歩道向き(車道からは柵に隠れる)。絵柄の順番はランダム?





モチーフは路面と同じで、城や梵天のデザインも同じだが、画面構成は別。

通行止め後、車道との間の柵はさっそく撤去された。
レリーフやタイルは、処分されてしまうのだろうか。どなたがデザイン・制作した作品したのか知らないけれど、20年以上手形陸橋を彩っていたものがなくなってしまうのは、ちょっと惜しい。
濃いタイルがジグザグ(航空写真だとよく分かる)
造られた時代を反映して、どこかバブリーだった北側歩道。
看板の拡幅工事完成予想イラスト(リアリティは低そう)によれば、歩道は両側とも同じデザインだし、ちぐはぐなのもおかしいから、やはり北側も南側と同じくなるのだろう。
となると、らせん階段はどうなるのか、廃止・撤去されるのか、黒系統に変わるのか。そこが知りたい。※続きはこちら

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