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鳥取へ

2009-09-16 20:04:52 | 旅行記
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※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
鳥取県は人口59万人といちばん人口の少ない県、市の数は4市(鳥取、倉吉、米子、境港)しかない。
我が秋田県は人口110万人「も」いるように感じてしまうが、秋田県の面積は鳥取県の3倍もあるから、人口密度は秋田の方が低い。
鳥取も島根と同じく、県庁所在地が県の東寄りにあるのが珍しい。東部、中部、西部に分けられ、それぞれ鳥取、倉吉、米子の各市が中心都市になっていてJR山陰本線が結んでいる。

山陰本線は、今まで滞在した出雲市・松江から米子までは電化(電車が走れるように架線が張ってある)されているが、米子より東は(京都府の福知山駅【20日訂正】兵庫県の城崎温泉駅まで)電化されておらず、ディーゼルカーでないと走れない。
乗った列車はこちら
2両編成で、飾り気のないデザインのこの列車。種別(普通とか特急)は何だと思いますか?
実はこれ、
特急なんです
秋田では本線の普通列車は2~3両が通常、特急は6両が基本で短い「かもしか」でさえ3両だから、2両編成の特急とはびっくり。そして愛想のない先頭部分の形や真っ黄色で素っ気ない正面デザインなどからはとても特急とは思えない。
「キハ187系」というこの車両は、2001年に登場し、山陰地方各方面の特急で使われている。
※松江から米子に来た時もこの車両だったので、以下はその際に撮影した画像もあります。

グリーン車はなく全車普通車で1両が指定席、もう1両が自由席。トイレ、洗面所は2両に1か所、車内販売なしといたってシンプル。
松江・米子から鳥取へ向かう特急は「スーパーおき」か「スーパーまつかぜ」で2~3時間に1本程度。そこに2両編成だから、混雑するのではないかと思ったが、自由席はガラガラだった。もっとも秋田の「かもしか」同様キャパが限られているから、混む時と空いている時の変動が大きくて、たまたま空いていたのかもしれないけど(列車や時期によっては3両以上に増結する場合あり)。
車内
グレー系の座席、暖色系照明など、JR西日本の特急らしい内装。ただし、蛍光灯のカバーや荷物棚の構造などが安っぽい。
座席は北陸方面の特急電車のものと同一らしい。他の部品も別形式の車両と部品を共通化してコストダウンを図っている。
驚いたのは、座席の枕カバー。光を反射している
特急の座席といえば、洗濯した布(JR東日本盛岡支社などでは不織布)のカバーが頭の当たる部分に掛けられ、それが特急の証でもある(特急車両を普通列車として使う時はカバーを付けない)。
でもこの車両の枕カバーは厚手のビニール!!
これでは大阪周辺の「新快速」と同じだ。交換できる構造ではあるが、普段は付けっぱなしで拭くだけではないだろうか。

コストダウンを突き詰めてこのような外観、内装になったのだろう。沿線の人口減、高速バスや高速道路値下げ・無料化への対抗など、地方特急は厳しい状況にあるし、昔ほど特急のステイタスが高くなくなった(特急に乗ることへの抵抗が低くなった)こともあるだろう。でも、もうちょっと“特急の品格”がある車両にできないだろうか。車両を見た小さな子供が「カッコイイ」と思えるような特急であってほしい。
なんて言っておきながら、僕は周遊きっぷのフリーエリア内なので、タダで乗せてもらう(米子-鳥取の自由席特急料金は1150円)。
上り列車では、運転席後ろにデッキがなく、いきなり自由席の客席
だから、進行方向右側の席では“前面展望”を楽しめる。その席に座ってみた。
この車両、走行性能は優れていて、カーブで車体を傾斜させて高速で走行できる「振り子式」で、450馬力のエンジンを2機搭載するなど、JR北海道の特急車両に匹敵する高性能だ。現在は最高速度120km/hだが、改造すれば160km/hで走行できるように設計されている。

動き出すと、もちろんディーゼルエンジンの力強い音や振動は伝わるが、思ったほどでない。JR北海道の車両の方がうるさいような気がした。
そして、速い! ぐんぐん加速していく。さすが新型車両!
線路の路盤は高速対応の工事がされており、秋田新幹線「こまち」の秋田-盛岡間の在来線区間(最高速度130km/h)よりもコンスタンスに高速走行していて、スピード感はこちらの方がある。
 
振り子車両の特徴として、カーブでは大きく車体が傾く(着席していれば不快感は感じないが、立っているとバランスを崩しそう)。
直線区間の高低差が大きい感じがしたが、びゅんびゅん飛ばす。

松江から鳥取までは121.6キロで約1時間半、平均速度(表定速度)は80km/h台。ちなみに秋田-青森の「かもしか」は70km/h台前半。
米子から鳥取までだと、92.7キロを約1時間なので、平均で90km/h前後。速い!
車両デザインはともかく、性能は素晴らしく、気に入ってしまった。

米子の後の途中停車駅は倉吉だけ。倉吉は土蔵の街並みと「二十世紀梨記念館」があり、梨の収穫期が始まったことだし行ってみたかったのだけど、時間がなく通過。
車窓は時折日本海が見えるが、汽水湖が点在する。
 
(左)東郷湖。沿岸には東郷温泉とはわい(羽合)温泉がある。
(右)湖山池。「池」と名が付くものでは日本最大。鳥取市近郊の市民の憩いの場で、鳥取大学が沿岸にある。間もなく鳥取に到着。
鳥取駅は1978年に高架駅化された東西に長い駅舎で、北口がメイン。松江とよく似ている。
高架駅に架線がなく、ディーゼルカーが発着するのは不思議な感覚
左は普通列車。外見は特急とそんなに違わないでしょ?
改札口
上の傘は「因幡の傘踊り」という伝統行事をアレンジして8月に行われる「鳥取しゃんしゃん祭り」用の傘らしい。
 
横長の駅舎。バス乗り場は、北口を出て、駅舎沿いに左(西)へ100メートルくらい行った所にあり遠い。

鳥取市は人口20万弱の特例市(政令指定都市、中核市ほどではないが、県の事務権限の一部が委譲される制度)。
駅北口周辺はなかなか大きく、昔ながらのアーケード商店街が広がる。駅向かいに百貨店の大丸がある。
正面がメインストリート
しばらく進むと「若桜(わかさ)街道」という名前になる。沿道に市役所や日赤病院などがあり、駅から1.5キロほど直進すると、県庁や鳥取城趾に突き当たる。左折して数キロ行けば鳥取砂丘。

駅裏(秋田駅でいうと明田地下道辺り?)にはジャスコを核としたやや小型のショッピングセンターがある。郊外にも別にイオンSCがある。

今日の宿は鳥取駅のそば。
秋田駅でいえば脳研センター辺りの位置で、雰囲気は中通総合病院周辺っぽい所。そんな街中に、その名も「鳥取温泉」という温泉街があった。1904年開湯の無色透明の硫酸塩泉で松江しんじ湖温泉に似ていた。塩分の多い温泉では、夏に入ると汗だくになってしまうが、ここはそれほどでなく、気持ちよく入れる。周りはマンションや総合病院で風情はないけれど、街中に泊まって温泉に入れるのはうれしい。

鳥取といえば、砂丘、因幡の白兎、梨、ラッキョウかな?
市内にはウサギをモチーフにしたオブジェ類が多い。
 ピアノ型ベンチの上にもウサギ。やや手入れが悪かったけど

新型ポストだけど
通常は脚は黒い(前回の記事の境港駅前のも)が、これは旧型と同じく脚も赤い。

明日は半日しか時間がないが、この旅行の最後に鳥取砂丘など市内を観光しよう。

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2 コメント

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コスト削減? (mugi-shochu)
2009-09-16 22:45:23
確かに特急らしくない車両ですね。
スピードは速いようなので、名より実を取った感じかな?
ピアノ型ベンチが可愛らしい。
どうせならポストの上にもウサギを置けばいいのに・・・
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時代の流れ (taic02)
2009-09-17 19:09:14
国鉄時代は食堂車付きの長い列車だったそうですが、時代の流れでしょう。いつか山口まで山陰を乗り通してみたいです。
ベンチは白いせいもあって汚れが目立ち、白ウサギが茶色くなっていて残念でした。
ウサギのポストはあってもいいですよね。駅前にも近くの中央郵便局にも普通のポストしかなかったと思います。
ポストの上にモノを乗せるのは、地域差があり、どうも東北支社がいちばん盛んなようです。
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