広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

観賞用稲

2010-08-23 23:08:36 | 動物・植物
今日は二十四節気の「処暑」だが、朝夕など多少は秋らしくなってきたとはいえ、秋田市はまだ暑い。
秋田市立の小中学校は間もなく夏休みが終わり、25日から授業が再開される(今は前期・後期の二期制なので、「2学期が始まる」とは言わない)。
僕の子どもの頃の経験では、夏休みが明けても、例年それなりに暑い日が続いていたから、今年もまだ暑さは続くだろう。


昨年は、田んぼにイネの花を見に行ったが、今年は(暑すぎて)行かなかったので、遅ればせながら行ってみた。
6月と同じ、外旭川(そとあさひかわ)地区。
まだ黄金色ではないが、既に“頭を垂れて”いる

そして、6月に気がついていた、いろんな色のイネが混植されていた水田。
こうなっていた
この田んぼ1枚だけ、鳥よけネットがかかっていたが、イネが生長し穂が出て、カラフルな光景になっていた。
イネで絵を描く「田んぼアート」などではなく、単に列ごとに異なる品種を植えていただけのようだ。6月は3種類しかないように見えたが、生長して穂が出ている今見ると、10品種以上はあった。

国や県の試験場や大学の農学部などでは、品種の保存や見本目的でこうして栽培していることはあると思う。でも、ここはそうした試験研究機関のものではないだろう。
一体、誰が何の目的で栽培しているんだ?

しかもその品種がかなり珍しいものばかり。
まずは背の高さと葉っぱの色
左端の黄色い葉っぱのはかなり背が低く、右の方は背が高め。
赤い葉(これは各地の田んぼアートで重宝されている)

とても背が高く、ネットを越えている
というか、日本の今のイネは世界的見れば、かなり背が低い。倒伏を防ぐため、低く品種改良されたのだ。

さらにいろんな色や形の籾のイネがあって楽しい。
真っ黒(右隣りは茶色い)

密集して麦みたい

柔らかくて白っぽい
色が薄いというより、籾の先にある針みたいな「芒(ぼう、のぎ)」という部分が長くて目立つため、白く見えるようだ。
赤くて芒が長い

芒だけが赤く、しかも鮮やかな赤
エビの触覚みたいだが、きれいだ。

参考までに
近くの田んぼの普通のイネ
あきたこまちか何かの品種だと思うが、芒はほとんどないか、あっても短い。上の品種がいかに芒が長いか分かる。

ところで、なぜ「芒」があるのかというと、動物や人の衣服に引っかかって種をよそへ運んでもらうため(いわゆる「ひっつき虫」)だとか、地面に突き刺さって固定し発芽を有利にするためとからしい。
ところが、(ここから先は大学の先生のお話)そのイネの種を米という農作物として利用する人間としては、収穫後の作業時、芒の部分が機械の中に引っかかってしまい面倒なのだそうだ。
そこで、芒を短くするもしくはなくす方向で品種改良が進められたという。
それを踏まえると、カラフルなイネの方が、イネ本来の原始的な形態といえる。


どれも食べたらおいしくなさそうだが、見る分にはきれいだ。フラワーアレンジメントなんかによさそう。

と思ったら、昨年、秋田県大仙市大曲にある、国の旧農業試験場(現在の名称は「独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター 大仙研究拠点」長い!)が、東北で栽培しやすい観賞用のイネを品種改良によって育成していたのを思い出した。
調べてみると、それは「祝い茜」「祝い紫」という2品種。いずれも切り花やドライフラワーとして、おめでたい飾りへの利用などを想定しているようだが、あの、青森県田舎館村の今年の「田んぼアート」にも使われているようだ。

上で紹介した芒がきれいな赤の品種がその「祝い茜」に酷似している。そして黒い籾のイネが「祝い紫」かもしれない。
ということは、これは(出荷するにしては量が少なそうだから)、フラワーアレンジメントをする人が自分で栽培でもしてるんだろうか。
いずれにせよ、観賞用のイネだと思う。


田んぼに水はほとんどなかった(今は水を入れたり抜いたり繰り返す時期かな?)。
水路はゆっくり静かに流れていた
が、その片隅でじっとしていたのは
ザリガニ
もっと水が少ない場所には、タニシらしき巻き貝もいた。
恥ずかしながら、どちらも(水槽の中でなく)野生の状態を初めて見ました。
 ※水田や畦は各農家の私有地であり、大事な財産です。公道上から見るようにし、無断で立ち入らないようにお願いします。

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