人生悠遊

写真付きで旅の記録、古都鎌倉の案内などを、周りの人の迷惑にならないように紹介していきます。

「明恵上人坐像」の内部に巻物発見?!

2021-04-13 17:11:58 | 日記

今日から東京国立博物館で特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」が始まります。それに先立ち同博物館がCTスキャナーを使用して国の重要文化財に指定されている「明恵上人坐像」の内部を調べたところ、胸から腹にかけての部分に巻物が「かすがい」で留められている様子が確認されたとのことです(今朝のNHKニュース)。明恵上人については、今年の2月頃に①明恵上人、島殿への便り、②明恵上人と承久の乱、③安達景盛と明恵上人というブログを書いていますので、一層親しみを感じます。

東博で鳥獣戯画展が行われることは知っていましたが、ずいぶん前に京都国立博物館で同展が行われた時に行って大変な混雑でひどい目に遭った記憶がありますので、行くのを躊躇っていたところでした。まさかこの鳥獣戯画展で「明恵上人坐像」が展示されるとは意外でした。高山寺つながりであることは間違いないのですが、鳥獣戯画と明恵上人との関係は?なのです。こうなると行かざる得なくなりますが、このコロナ禍で行っていいのか迷いもあります。それより入場券が手に入るかどうかもわかりません。会期は5月30日まで予約制。ともかくチャレンジだけでもしてみることにしました。

なお残念ですが、この巻物に何が書いてあるかは調べることはできないようです。鎌倉時代の仏像なら後鳥羽上皇、北条泰時、安達景盛、覚山尼に近い人が写経を胎内に納めた仏像を高山寺に奉納したかもしれません。私が生きている間は謎のままでしょうが、なんとも興味をそそられるニュースでした。

 

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稲荷大社の話 ーー初午の日は暑かった?ーー

2021-04-11 15:39:50 | 日記

伏見稲荷大社から送られてくる季刊誌『大伊奈利』を読んでいたら面白い記事がありました。浅見和彦氏(成蹊大学名誉教授)が書いた「伏見稲荷は恋の神」というタイトルです。そこに2月(きさらぎ)の初午の日の話題が出てきます。なんでいまさら寒い時期2月の話を持ち出すのかと思う方もおられるかもしれません。新暦の初午の日は2月初旬。昔は旧暦でしたのでひと月半ほど季節は下り、3月中旬から下旬ころです。そして文中に「清少納言の稲荷詣で」という話が紹介されています。あの「春はあけぼの・・」からはじまる『枕草子』のなか、[158]の「うらやましげなるもの・・」の個所です。

「稲荷に思ひおこしてまうでたるに、中の御社のほど、わりなうくるしきを、念じのぼるに、いささかくるしげもなく、おくれて来とみる者どもの、ただ行きに先に立ちてまうづる、いとめでたし。二月午の日の暁にいそぎしかど、坂のなからばかりあゆみしかば、巳の時ばかりになりにけり。やうやう暑くさへなりて、まことにわびしくて、など、かからでよき日もあらんものを、なにしに詣でつらんとまで、涙もおちてやすみ困ずるに、四十余ばかりなる女の、壺装束などにはあらで、ただひきはこえたるが、「まろは七度詣し侍るぞ、三度は詣でぬ。いま四度はことにもあらず、まだ未に下向しぬべし」と、道にあひたる人にうちいひて下りいきしこそ、ただなる所には目にもとまるまじきに、これが身にただ今ならばやとおぼえしか。」

清少納言が初午の日に稲荷の山に願掛けのため登ることも意外ですし、昼近くなってきて暑くなってかなわんと音をあげているところも面白いですね。そして健脚のおばさんが自分を追い越していく姿をみて羨ましく思うところも現代人と少しも変わりません。なんとも清少納言に親しみを感じました。写真は伏見稲荷山の参拝路図。標高200m位の山で、件のおばさんはここを1日7往復して願掛けしていたようです。

さてこのブログを書いていて、60年位前に父親に連れられて稲荷山を下ノ社から上ノ社まで参拝登山をしたのを思い出しました。その時画いた絵が小学校のコンクールで賞をもらったのを覚えています。長い人生で絵画コンクールでもらった最初で最後の賞でした。なんとも情けない話です。

 

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ポルトガルワインを試す ーー⑩ゼブロ・ビオワイン・ティントーー

2021-04-09 19:23:27 | グルメ

ポルトガルワインシリーズも既に10回目。今回は、アモレイラ・ダ・トーレのゼブロ・ビオワイン・ティントです。アレンテーィジョ地方のワイナリーのオーガニックワイン。ラベルの馬のような絵はぜゼブロというイベリア半島で16世紀に絶滅したグレーと白の縞模様の野生の馬です。アフリカにいるシマウマと同じ仲間のような気がします。ビオワイン(オーガニックワイン)は自然や環境に最大限配慮して造られたものです。さてカタログには、洗練された飲み口としっかりしたタンニン、ソフトなフィニッシュと余韻と書かれていました。

実際に飲んだ感じは、思ったほどタンニンの渋みはなく、ほどよく酸味が効いた好きな風味でした。それにオーガニックワインなので安心して飲めるのもいいです。

今回は10本目記念ということで異国情緒たっぷりのニワトリの置物を買いました。写真を注意して見ていただくとワインの横にいます。これは幸運のシンボル「ガロ」の置物。「ガロ」はバルセロスの雄鶏伝説にちなむポルトガルのマスコット的存在だそうです。バルセロスはポルトガル北部の都市。この雄鶏伝説は、その昔、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラに巡礼に行く途中で、無実の罪をきせられ死刑を宣告された巡礼者が刑を執行される前に裁判官のところに行きました。その裁判官は雄鶏の丸焼きを食べているところで、巡礼者は自分の刑が執行される前にこの丸焼きの雄鶏が鳴くだろうと予言しました。実際に泣いたので無罪放免になったという。数年後再び村を訪れた巡礼者は聖母マリアと聖ヤコブにささげる十字架を建てたという伝説です。なんともなしに買った土産にこんな深い意味があったとは・・・。幸運でした。

 

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鎌倉を知る ーー桜と牡丹の競演ーー

2021-04-06 17:25:37 | 日記

4月初めの昼下がり鶴岡八幡宮の牡丹苑を訪ねました。毎年満開の桜を楽しみにして来るのですが、今年は少し出遅れたようです。桜花なぜにそんなに散り急ぐのか。折角の牡丹との共演が台無しです。それでも花毛氈の中に咲く満開の牡丹の花は楽しめました。

『花ことば辞典』によれば牡丹は〈花王〉と讃えられるようです。その大輪の豪華な花がそう呼ばせるのでしょう。花言葉は花王の異名から「風格」「高貴」。その上に咲く桜の花言葉は「独立」。また美しい花姿から「優美な女人」。この牡丹苑の桜は染井吉野ですね。江戸時代に〈大島桜〉と〈江戸彼岸桜〉を交雑して作り出された最もポピュラーな桜です。江戸染井村の植木職人が売り出したヒット商品で瞬く間に全国に広がりました。満開の桜は本当に豪華で新しい門出に相応しく校庭に植えられ、また花見客が地面を踏み固めるということで土手に植えられたりしました。

京都に住んでいたころ、秋の紅葉と春の桜と比較して都人はどちらを愛でたか考えたことがありました。確かに紅く染まる紅葉は美しい。ただこれから寒い冬が来ると思うと心から楽しめない。それほど京都の冬は寒々しいです。マンションの2階の部屋でも底冷えで初めての冬は眠れませんでした。それに比べ春の桜は希望に満ちています。これから暖かくなると思うと、それだけで心が浮き立ちます。そして京都の桜は染井吉野と違い紅色が濃いですね。そして枝垂れ桜が多い。それほど桜が咲くのが待ち遠しくなります。

  花見にと群れつつ人の来るのみぞ あらた桜の科(とが)にはありける

西行の詠んだ歌です。白洲正子は諧謔めいた歌と言ってますが、なにかわかるような気がします。コロナ感染防止のために花見を禁止し、なにも柵まですることはないかと思うのですが、あらた桜に罪があるわけではないのに・・・。

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