人生悠遊

写真付きで旅の記録、古都鎌倉の案内などを、周りの人の迷惑にならないように紹介していきます。

鎌倉を知る ーー広町緑地で藤の花を愛でるーー

2021-04-26 08:05:22 | 日記

鎌倉市にもまん延防止重点措置が発出されようとしていますが、広町緑地は新緑が眩しく、ウグイスが囀り、ガビチョウが美しい声で歌い、全くコロナとは無縁の世界を満喫できます。強い日差しも木蔭では心地よく、全周4㎞ほどの山道は絶好の散歩?ハイキングコースとなっています。山に咲く花はヤマザクラが終わり、今は藤の花、もう少したてば桐の花が見ごろになりますが、身近にこんなにも素晴らしい自然を楽しめることを幸せに思っています。

さてその藤の花ですが、花言葉は「やさしさ」。そんな藤の花も山に自生する山フジは山林が荒れている証拠だと、悪態をつかれたりしますが、そんなに無粋なことを言わなくてもいいのにと思ったりもします。観賞用の藤棚が作られたのは最近のことで古くは山里に自生していた筈です。歌に詠まれた初見は万葉集(巻第十四3504)にあります。

  春べ咲く藤のうら葉のうら安にさ寝る夜ぞなき子ろをし思へば

『花のことば辞典』の解説には、春に花咲く藤のこずえの葉のように揺れて安らかに眠れる夜なんてない、あの娘のことを思うと・・・とあります。そして清少納言も『枕草子』(37)で藤の花は、紅梅、桜の花に次いで春の花として取り上げています。

  木の花はこきもうすきも紅梅。桜は、花びらおほきに、葉の色こきが、枝ほそくて咲きたる。藤の花は、しなひながく、色こく咲きたる、いとめでたし。

「撓ひ」(しなひ)はしなやかに曲がっていることの意です。春の花としているのは旧暦で弥生の頃に咲く花だったのでしょう。写真は広町緑地から腰越に下る途中で写したもの。花房が長く垂れ、濃い紫色の姿が愛でられ、風に吹かれ、ゆらゆらと揺れる様子に「やさしさ」を感じたのでしょうか・・。

 

 

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ポルトガルワインを試す ーー⑫カーザ・デ・パッソス・フェルナン・ピレスーー

2021-04-25 08:46:33 | グルメ

ポルトガル北部ミーニョ地方のワイナリー”キンタ・デ・パッソス”の白ワインです。ブドウの品種フェルナン・ピレス100%。オレンジの花のような香りとドライな飲み口。ミネラル感のある艶やか白ワインがワインリストの説明書きにありました。このワイナリーのワインでは手頃な価格。以前飲んだコトヴィーア・モスカルと同じワイナリーのものです。シンプルなボトルのデザインでオレンジ色のコルク栓カバーが特徴的です。ポルトガルワインを飲み始めて白ワインは2本目。あんまり白ワインは飲まないのですが、辛口でもさらっとしたというより少しまったりした飲み口で、ついついグラスを空けるのが早くなってしまいます。

白ワインを開けるときは決まって「アサリしめじの和風スープスパゲッティ」を作ります。これは自分で料理できる数少ないレシピの一つ。作り方はいたって簡単。下ごしらえは、①アサリを湯がき、カラからアサリを取りだし、茹で汁はスパゲッティのスープとして後で使います。②ニンニクを擦りおろします。③シメジを適量用意します。つぎに、④鍋に適量のオリーブオイルと摺りおろしたニンニクを入れます(まだ火はつけません)。⑤むき身のアサリを入れ、火をつけて炒めます。さらにしめじを加えて炒めます。その時に塩少々とブラックペッパーで具材に下味をつけます。⑥炒め、しめじに火が通ったところで白ワインを入れ、ワインのアルコール分を飛ばします。⑦アサリの湯がき汁を入れ、ひと煮立ちさせます。⑧スープに適量の醤油をいれ、味を調えます。この時の醤油の分量が味の決め手ですが、これは失敗を繰り返しながら覚えるしかないですね。⑨スープ皿にパスタをのせ、アサリしめじのスープをかけ、きざんだ海苔をふりかければ、「アサリしめじの和風スープスパゲッティ」の完成です。このスープスパゲッティは40年以上前に札幌で勤務していたとき、「GANBA亭」という店で食べた味が忘れられず、見よう見まねで味を再現したもの。何といっても白ワインが無くては出来ない懐かしい味です。

 

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白隠禅師の公案 ーー隻手音声(せきしゅおんじょう)ーー

2021-04-24 08:49:27 | 日記

つい最近届けられた月刊誌『花園』を読んでいましたら「隻手音声」を解説した漫画が載っていました。この「隻手音声」はちょうど4年程前の4月に妙心寺で行われた白隠禅師二百五十年穏忌の催しに参加した時、運よく参禅する機会があり、老師よりいただいた公案です。気にはしていたものの、その答えが出せず今になってしまいました。

「隻手音声」とは、「両手で合わせて打てば音がする。では片手ではどんな音が鳴るのか?」という白隠禅師が創作した公案です。参禅初心者に与えられる公案で、参禅の方法も知らない私にはうってつけの公案だったのでしょう。いつの間にか答えを出すことすらすっかり忘れていました。ただこれまで何もしていない訳ではなく、禅語の書物を買い求めたり、『無門関』にもチャレンジしてみたり、お釈迦様の伝記を読んでみたり、少しでも禅の心に触れようと右往左往していました。そして時々この公案のことを思い出してみるのですが、残念ながら答えにはたどりつけませんでした。

さてその漫画ですが、ある大店の主人が白隠禅師からこの公案を与えられ、商売のことも忘れ一心不乱に考えているのですが、全く答えがでません。そこで白隠禅師の助言を求めました。白隠禅師の答えは次の通り。「隻手の声を聞くよりも、両手を打って商いをせよ。・・・まずは店先で”いらっしゃい”と両手を打ってみよ」と言うもの。主人は悟ったのでしょうか?「商人の道は商いにあり。商いの道を究めることが禅の道を究めることにもつながりましょう」と結ばれています。そして解説には、「白隠禅師は静かに坐禅をすることだけが大切ではなく、日常生活を一心に務めることも同様に大切だ」と説かれたとありました。

もしそれが白隠禅師が求める答えなら、それをどう言葉で表現しましょうか?ここでまた行き詰ってしまいました。写真は静岡県原にある松陰寺。白隠禅師のお墓があります。

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ポルトガルワインを試す ーー⑪モンジェス・赤ヴィーニョ・ヴェルデ・ヴィニャオンーー

2021-04-18 08:10:08 | グルメ

今回はポルトガル北部の都市ギマラインス近郊の町ファフェにあるヴィーニョス・ノルテ生産の赤ワインです。赤ワインなのに珍しい微発泡酒。このヴィーニョ・ヴェルデ地方はどちらかというと白ワインの生産が多いのですが、ヴィニャオンという品種のブドウを使った赤。発泡酒はシャンパンとかスパークリングワインとかで馴染みがありますが、微発泡酒ははじめて。どんな味わいか興味もあり買い求めました。カタログには「凝縮した果実味と爽やかな酸味、イワシの炭火焼きとぜひお試し下さい。」冷やして美味しいワインと書いてあります。

コルク栓を抜くとわずかに炭酸酒らしい音がし、グラスに注げば気泡が出てきます。一口含むと口の中で気泡がはじけ、そのあとガツンとした渋みと少し酸味を感じました。なんとも表現するのが難しい味わいです。まさにカタログにある通り、イワシの炭火焼きにあうかどうかは分かりませんが・・・美味しいワインであることは間違いないです。

さて今回のポルトガル豆知識はワイナリーのある都市ギマラインスについて。ガイドブックによれば、ギマラインスは、初代ポルトガル国王アフォンソ・エンリケス生誕地。町の入口には「ここにポルトガル誕生す Aqui Nasceu Portugal」と書かれており、アフォンソ1世が生まれた城など史跡も多いようです。時代は12世紀に遡ります。フランス貴族アンリ・ド・ブルゴーニュの子がエンリケス(アンリはポルトガル語でエンリケ、その子はエンリケス1109‐1185という)。エンリケスが隣国カスティーリャ王国(スペイン)に対抗し建国したブルゴーニュ王朝は1139年から1383年まで続きました。日本では平安時代末から鎌倉・室町時代。源頼朝や足利尊氏が活躍したころです。中世史を勉強している者にとっては親しみを感じる人物ですね。この建国の歴史がポルトガル人の国民性に受け継がれているのかもしれません。ワインを試飲している印象では「誠実」がキーワードでしょうか。今のところハズレはありません。

 

 

 

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最近の話題から3つ。

2021-04-15 19:15:45 | 日記

この1週間の間にいろいろなことがありました。コロナが変異株の流行で新たな段階に入ったこと。ゴルフでは松山選手がオーガスタで優勝したこと。桜花賞では白毛のソダシが優勝したことなどです。そんななかテレビを観ていてブログに書きたいと思った話題が3つありました。

一つ目はNHKのEテレの鳥獣戯画展の特集でまたまた明恵上人坐像の話です。今回は坐像の右耳が欠けているという話。これは『明恵上人伝記』なか建久四年癸丑・・・から始まる文章にその訳が出てきます。その個所を原文で紹介します。

(前略)志を堅くして如来の跡を踏まん事を思ふ。然るに眼をくじらば、聖教を見ざる歎あり、鼻を切らば、則ちススリ洟垂りて聖教を汚さん、手を切らば印を結ばんに煩あらん、耳を切ると云へども聞こえざるべきにあらず。(以下略)

ということで明恵上人は耳を切ったということです。その傷が明恵上人坐像に残っているとは・・・。

二つめはNHKニュースのノーベル賞作家カズオ・イシグロのインタビューの話。これは東洋経済オンラインにも出ていました。タイトルは”カズオ・イシグロ語る「感情優先社会」の危うさ”です。最近のアメリカ大統領選挙後の連邦議会への乱入事件に大きく危惧したことから始まります。乱入した人々は事実や真実より「トランプが勝ち、勝利したはずだ」という感情のみで行動しました。周りや他の人たちのことを考慮せず、感情のみで行動する人たちがこれからの世界を危うくすると作者は考えているようです。それでふと思い出しました。『華厳経』のなかで善財童子が菩薩になる修業のために五十五所、五十三人の善知識を訪ね学ぶという話です。多様な意見を尊重する大切さを教えています。やはり今、仏の教えに学ぶ必要があるようです。

最後はマスターズでの松山選手のキャディーの話。優勝した後にこれまで回ってきたコースに一礼したニュースが世界中を駆け巡りました。いろいろなコメントのなかで気になったことは「コースに神がいてそれに礼をした」というものです。たぶんこのキャディーはそんな大そうなことは考えておらず、ただ感謝の気持ちを表わしただけでしょう。アマチュアのスポーツ選手なら誰でもすることです。この人間だけでなくモノまでに「ありがとう」と感謝すること。これが日本人が大切にしてきた心かもしれません。

 

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