たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

まつろわぬ神

2018-11-13 09:31:38 |  出雲の神話

<香取神宮 かとりじんぐう>

 

実は、記紀の出雲神話として描かれる物語の中には、

東日本を舞台にしたと思われるような逸話が含まれており、

鹿島神宮のタケミカヅチや香取神宮のフツヌシなど、

茨城県沿岸に縁する神々がたびたび登場します。

これらの内容は、イズモと呼ばれる国が、

現在の出雲地方や西日本の各地だけでなく、

中部地方や北関東のエリアにまで

広がっていたことの証なのでしょう。

そして、それだけ広範囲の国々を

「藤原氏」が管理下に置いていたという事実を、

公的な史書で書き残したかったのかもしれません。

 

聞いたところによりますと、北関東一帯を中心に、

「甕」や「星」と名のつく神社が目立つのは、

蝦夷討伐の最前線に当たる場所だったからなのだとか。

恐らく、「甕」や「星」と名のつく神々は、

ヤマト朝廷にとって「まつろわぬ神」であり、

最後まで服従させることができなかった

「難敵」だったのだと思われます。

ちなみに、香取神宮で行われる「星鎮祭」という神事は、

アマツミカボシに見立てた御的にフツヌシが弓を射て、

邪気を払う意図があるのだそうです。

何やらここでも、古代の部族間で生じた因縁が、

神事の中に潜んでいる気配を感じます。