<石巻・紫明神社 *しめいじんじゃ>
東日本大震災の影響により、
石巻・日和山にある鹿島御児神社にも、
本殿の解体を余儀なくされるほどの被害が出たそうです。
ただ神社自体は、市街地を見渡す高台に位置していたため、
津波の直接的な被害を受けることはなく、
震災当日は地域住民の避難場所となり、
その後も家を失った被災者の方々が、
境内の施設で避難生活を送ったと聞きます。
また、日和山の周辺や山の北側にあたる石巻駅付近は、
日和山が緩衝材の役目を果たして津波の直撃を免れ、
津波の浸水被害こそ酷かったものの、
建造物の崩壊はほとんどなかったのだとか。
日和山の麓に紫明神社という小さな神社がありますが、
神社のお社の屋根まで波が達したにも関わらず、
若干の補修をした程度の被害で済んだそうです。
おそらく旧市役所のあった紫明神社の一帯は、
もともとの石巻の中心部だったのでしょう。
神社の伝承によりますと、
明治の流行り病で町全体に多くの死者が出た際も、
この地区の住民は誰一人亡くならなかったとのこと。
当時も今回の震災に関しても、
様々な条件が重なったのだとは思いますが、
その理由のひとつとして、
海と山と神社の絶妙な位置関係があったのかもしれません。