たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

微妙な位置関係

2016-10-10 10:55:44 | 東日本・三陸の神社

<石巻・紫明神社 *しめいじんじゃ>

 

東日本大震災の影響により、

石巻・日和山にある鹿島御児神社にも、

本殿の解体を余儀なくされるほどの被害が出たそうです。

ただ神社自体は、市街地を見渡す高台に位置していたため、

津波の直接的な被害を受けることはなく、

震災当日は地域住民の避難場所となり、

その後も家を失った被災者の方々が、

境内の施設で避難生活を送ったと聞きます。

 

また、日和山の周辺や山の北側にあたる石巻駅付近は、

日和山が緩衝材の役目を果たして津波の直撃を免れ、

津波の浸水被害こそ酷かったものの、

建造物の崩壊はほとんどなかったのだとか。

日和山の麓に紫明神社という小さな神社がありますが、

神社のお社の屋根まで波が達したにも関わらず、

若干の補修をした程度の被害で済んだそうです。

 

おそらく旧市役所のあった紫明神社の一帯は、

もともとの石巻の中心部だったのでしょう。

神社の伝承によりますと、

明治の流行り病で町全体に多くの死者が出た際も、

この地区の住民は誰一人亡くならなかったとのこと。

当時も今回の震災に関しても、

様々な条件が重なったのだとは思いますが、

その理由のひとつとして、

海と山と神社の絶妙な位置関係があったのかもしれません。