ぱんくず日記

日々の記録と自己分析。

じじ宅は空っぽになった

2014-07-28 23:21:15 | 日常
アラームが鳴る2時間も前に目が覚める体内時計の正確さ。
今日は2連休2日目。
じじ宅の大型家具やカーペット全て廃品回収に処分して貰う。
部屋を空けて清掃に取りかかる。


朝飯は今日は抜き、大型家具の引き取りが終わったら自分の定期採血を済ませてくる。
朝カレーはそれからだな。


業者よりも一足先にじじ宅に来た。
玄関から居間を覗く。



じじはいつもあの暖房の前に座っていた。
お父さんと呼ぶと「おう」と言って振り返る。
暑い時も寒い時も、じじはいつもあの暖房の前に座っていた。


いい天気だ。
雨上がりで風が強い。



暑くなりそうだ。


業者が来て残っていた家具家電全部を運び出し、カーテンもカーペットも全部
外してひとまとめにして回収して行った。


じじの寝室だった和室も、




私が仮眠していた洋室も、




じじが花火を眺めた奥の洋室も、



何も無くなった。
カーテンやカーペットが無くなると物音が反響するんだな。
じじはもうここにはいないのだ。


ああ。
このドアチェーンは鍵屋を呼んで元に戻しておかなければ。



2年前、じじが譫妄状態に陥った時、ドアチェーンでヘルパーを閉め出して
冷蔵庫のサラダ油に水入れてぐいぐい飲みながら
デイケアの売店で買って来た菓子を一気食いしたのだった。
対応に困って、鍵屋を呼んでチェーンを切断し、牧師先生も来てくれて
私達は中に入ってじじを説得したのだった。
あの時が在宅介護の限界だったかも知れない。
それでも更にもう1年半頑張ってここにいた。
その後緑内障発作起こしたりヘルパーが退室した後に椅子から落ちて額から出血し
倒れていたのを次のヘルパーが発見して119通報した。
救急隊が床一面の血溜まりに驚いて110通報して警察までがやってきた。
気の毒なヘルパーは第一発見者という理由で刑事から長時間事情聴取されていた。
勤務中だった私は呼ばれて駆け付けてその血溜まりに愕然としたっけ。
右目の上をちょっと切って2、3針縫っただけだったが大騒ぎだった。
その後に脳梗塞や血尿で入退院を繰り返し、食事中に誤嚥するようになった。
そしてじじは83歳の誕生日に発熱して入院するまでここにいた。


カーテンやカーペットが残っている間はじじが失禁しながら這い回るのを追いかけて
ヘルパーや私が塩素漂白剤を浸み込ませた雑巾で拭いて回った痕跡がどうしても目に入って
まだそこにじじが四つん這いでいるような気がした。
それももう無い。
じじの痕跡は何も無くなった。
このマンションの一室は、9年前じじが歩けなくなって私が家主さんに相談し
下見に来た時と同じ、元の状態だ。
ここに引っ越して来る時、私は一人で作業をした。
こうして今退去して行く時も、それは同じ。


清掃作業を中断して内科受診に行ってきた。
定期採血で結果は後日。
その後バス定期を更新し、じじ宅の清掃に戻る。
17時には鍵屋が来る。


日が暮れる。







窓から夕日が見える。


最後に私の自宅の断捨離と整頓が残っている。
それからじっくり時間かけてじじの残した膨大な写真の整理にとりかかる。
半年くらいはかかりそうだ。
じじの死を知らせていない遠い親類縁者への挨拶状作成と印刷、発送は
来月の納骨終わってから。
写真屋と印刷屋に頼んでおく。
お盆明けには終了できると思う。