原作P.ラーゲルクビストの『バラバ』は、
岩波文庫が確かあると思って探したら絶版になっていた。
イエス・キリストと引き換えに死刑を免れたバラバという男が
そのどうなったかは誰も知らないが、
バラバの人生に焦点を当てて想像を膨らませ、
葛藤の中で生き延び神を求める人間の姿が描かれている。
神を信じなかったバラバが硫黄鉱山での苦役の中で
一人のキリスト者と出会ってその殉教を目の当たりにし、
葛藤と試行錯誤を繰り返しながら
次第に自分の中に神を求める心を見い出していく。
バラバの神に対する反発や迷い、
葛藤に共感するところがたくさんある。
もっと詳しく原作を読んで考えたいと思っても、
原作の岩波文庫は絶版で再版の見通しもないらしい。
(ノーベル賞受賞作なのだそうですが。)
映画としても面白くてすごくいいのに、
VHSも廃盤、DVDもなし。
大昔、近所のレンタル屋でダビングして貰ったものが
手元にあってたまに見るが、
もうテープが伸びてきている。限界だ。寿命だ。
そのレンタル屋も親元の電気屋が倒産して今はない。
この映画、監督はR.フライシャー、
主演バラバ訳はアンソニー・クイン、
共演にシルヴァーナ・マンガーノ。
当時見つけたレンタル屋では
主演男優がアンソニー・クインだからなのだろうか、
アクション映画の棚に分類されていた。
アメリカ映画にしてはすっごくいいのに。
いい映画なのに・・・。
波乱万丈の果てに、
放火犯として投獄されたバラバは、
牢獄で20年ぶりに再会した使徒ペテロと問答する。
これから処刑されようとする2人の会話は、
作者の一番言いたかった事なのだろうか。
私はこれを深く読みたいのだが、
原作が手に入らないので映画の台詞(それも字幕)から
読み取るより他にない。
そんな訳で『バラバ』のテープは終わりの部分だけ
巻きが乱れてもうぼろぼろ。
(バラバ)
「はっきりしねえ神様だな。
いろいろな希望や天使や約束、みんなどこに消えた?
最後に残るのはいつも死体だけで何の成果もない。
犬死にだ。」
(ペテロ)
「殉教者の死は無益だと言うのか?
この20年の君の苦しみは無益だと言うのか?
いや、人間はそれほどつまらん存在ではない。
神から見れば1人1人が1つの世界であり
慈しむべき存在だ。」
(バラバ)
「おれは教えと正反対の人間だ。
イエスは何故おれの身代りに死んだ?」
(ペテロ)
「正反対だから近かったのだ。」
(バラバ)
「今でも近づいていない。」
(ペテロ)
「遠ざかってもいない。
主は常に君の近くにおいでになった。
よく聞きなさい。
君が心の中で激しい闘いを繰り返してきた事、
それ自体が神への道であり、神を知る道程だ。
その心の大波が王国を招く。
陣痛に似た心の闘争からやがて尊いものが生まれる。
我々は先立ちだ。
地上が神の王国になる姿は見られない。
しかし今こんな状況でも目的には到達している。
王国は我々の中にある。
恐れるものは何もない。」
作者が小説の中でペテロに言わせたこの台詞を
私は今も反芻している。
やっぱりちゃんと読みたい。
しようかな。古本屋巡り。
岩波文庫が確かあると思って探したら絶版になっていた。
イエス・キリストと引き換えに死刑を免れたバラバという男が
そのどうなったかは誰も知らないが、
バラバの人生に焦点を当てて想像を膨らませ、
葛藤の中で生き延び神を求める人間の姿が描かれている。
神を信じなかったバラバが硫黄鉱山での苦役の中で
一人のキリスト者と出会ってその殉教を目の当たりにし、
葛藤と試行錯誤を繰り返しながら
次第に自分の中に神を求める心を見い出していく。
バラバの神に対する反発や迷い、
葛藤に共感するところがたくさんある。
もっと詳しく原作を読んで考えたいと思っても、
原作の岩波文庫は絶版で再版の見通しもないらしい。
(ノーベル賞受賞作なのだそうですが。)
映画としても面白くてすごくいいのに、
VHSも廃盤、DVDもなし。
大昔、近所のレンタル屋でダビングして貰ったものが
手元にあってたまに見るが、
もうテープが伸びてきている。限界だ。寿命だ。
そのレンタル屋も親元の電気屋が倒産して今はない。
この映画、監督はR.フライシャー、
主演バラバ訳はアンソニー・クイン、
共演にシルヴァーナ・マンガーノ。
当時見つけたレンタル屋では
主演男優がアンソニー・クインだからなのだろうか、
アクション映画の棚に分類されていた。
アメリカ映画にしてはすっごくいいのに。
いい映画なのに・・・。
波乱万丈の果てに、
放火犯として投獄されたバラバは、
牢獄で20年ぶりに再会した使徒ペテロと問答する。
これから処刑されようとする2人の会話は、
作者の一番言いたかった事なのだろうか。
私はこれを深く読みたいのだが、
原作が手に入らないので映画の台詞(それも字幕)から
読み取るより他にない。
そんな訳で『バラバ』のテープは終わりの部分だけ
巻きが乱れてもうぼろぼろ。
(バラバ)
「はっきりしねえ神様だな。
いろいろな希望や天使や約束、みんなどこに消えた?
最後に残るのはいつも死体だけで何の成果もない。
犬死にだ。」
(ペテロ)
「殉教者の死は無益だと言うのか?
この20年の君の苦しみは無益だと言うのか?
いや、人間はそれほどつまらん存在ではない。
神から見れば1人1人が1つの世界であり
慈しむべき存在だ。」
(バラバ)
「おれは教えと正反対の人間だ。
イエスは何故おれの身代りに死んだ?」
(ペテロ)
「正反対だから近かったのだ。」
(バラバ)
「今でも近づいていない。」
(ペテロ)
「遠ざかってもいない。
主は常に君の近くにおいでになった。
よく聞きなさい。
君が心の中で激しい闘いを繰り返してきた事、
それ自体が神への道であり、神を知る道程だ。
その心の大波が王国を招く。
陣痛に似た心の闘争からやがて尊いものが生まれる。
我々は先立ちだ。
地上が神の王国になる姿は見られない。
しかし今こんな状況でも目的には到達している。
王国は我々の中にある。
恐れるものは何もない。」
作者が小説の中でペテロに言わせたこの台詞を
私は今も反芻している。
やっぱりちゃんと読みたい。
しようかな。古本屋巡り。