行く末遠ければ

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地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

天敵を撃破し、今季アウェイ初勝利!価値ある勝利を手にする FC今治戦

2024-05-07 06:55:04 | カターレ富山
2-0で勝利!
ゴールデンウイーク最終日、前節から中2日という過密スケジュールのなかで、全国各地で開催されたJ3リーグ第13節。
いつにも増して準備期間がないなかで、選手コンディションを考慮しながらのメンバー編成。各クラブとも、難しい対応を迫られたことでしょう。
それ故に、ということでしょうか。
各地で波乱が続発。
ここまで無敗であった首位・大宮についに黒星がついたとか。ここまで未勝利であった讃岐についに白星、最下位を脱出したとか。
前節終了時点での1位から5位までが、全て敗れるという大波乱。さらには6位と7位の直接対決もドロー。その結果、2位から11位までが勝ち点差3以内という大混戦に。
そんななかで。
波乱を演出した対戦のひとつが、今治-富山戦。
同カード7試合連続負けなしという圧倒的な戦績であった今治が、ホームで敗れるという。
今治にとって手堅い対戦であったはずのところ、それを覆してみせたカターレ。
今シーズンここまでアウェイ未勝利であったカターレが、ついに掴んだ今季初勝利となりました。

前節のスタメンから今治は8人、カターレは7人と、それぞれ大幅に変更して臨むこととなった今節。
連戦ゆえの準備期間不足、しかもカターレにとってはアウェイ戦。さらには「天敵」今治が相手ともなれば、いつにも増して難しい対応が迫られたところ。
それでも、試合は待ってはくれません。
チームのチカラを信じて、思い切りぶつかっていくよりほかなかったかと。
田川、安光、瀬良、布施谷の4人が、中2日ながら連続スタメンとなった一方で。
守備陣には、下堂と脇本のCBコンビ、右SBに西矢を起用。
ボランチに河井、トップ下には、今節の出場がJ通算100試合となった井上。
サイドには今シーズンリーグ戦初スタメンとなった椎名。
1トップにはマテウスを起用。松本の出場を予想していましたが、コンディションのほか、戦略上の都合もあったかもしれません。メンバー外となっていました。
ショウセイやヨシキといった前節のスタメンが控えにまわるなかで。
サブメンバーに、ガブリエル エンリケの名が。
昨年6月の天皇杯京都戦に出場するも大怪我、長きに渡って戦線離脱。
手術、母国ブラジルでのリハビリを経て、あれから約11ヵ月。とうとう戦列に戻ってくることに。
復帰を待ちわびたファン・サポーターにとっては感慨深い、嬉しい報せとなりました。

今治のほうも、中盤のユーティリティープレーヤー・新井 光が不在など、必ずしもベストなメンバーではなかったようですが。
それでも、昨シーズンハットトリックをくらったマルクス ヴィニシウスがキャプテンマークを巻き。ホームでの対戦で2年連続ゴールを決められてしまったMF近藤 高虎が、キックオフ直後に果敢にシュート、カターレゴールを脅かすなど。
不甲斐ない内容に終わってしまった前節・宮崎戦を引きずるようなことがあれば、苦戦は免れないばかりか、敗戦は必至でもあったことでしょう。
それでも。
脅威となるヴィニシウスには、下堂がしっかりとマークして好きにはさせず。
近藤には西矢が果敢に挑みかかり、集中したディフェンスを見せました。
それぞれの選手が、しっかりとうやるべきことをやるーーーそんな意志を感じるプレーぶり。
攻撃面においても、河井が中盤でしっかりとボールをコントロール。布施谷や瀬良がつなぎ、前線ではマテウスが持ち前のテクニックとともに攻め込む、と。
劣勢のままに時間が過ぎ、なおかつ改善していかなかった前節とは、明らかに集中力が違う。
どちらかにペースが偏るということもなく、まさに、鍔迫り合い。
前半が0-0で終わったのも、ある意味では納得というほどに。攻め切れないところはあったにせよ、相手にも主導権は渡さない。
ジリジリとした展開のまま、試合を折り返すことに。

上位につける今治を相手に、互角の展開。「天敵」を相手によくやっている、という見方もできたところですが。
それだけじゃ、駄目だ。足りない。
アウェイでドローなら良し、という試合じゃない。
我々は、勝たねばならんのだ!と。
現在12位、浮上のためには上位クラブと言えども・・・いや、上位クラブだからこそ。しっかり撃破し、順位を上げていかねばならないのだから。

そんななか迎えた、後半開始からすぐのことでした。
49分、相手陣内左サイドからFKという場面で。キッカーは、今シーズンリーグ戦初スタメンの椎名。
ゴール前に並ぶ選手たちに向けて、利き足である左足から蹴り出されたボールがキレイな弧を描くと。
中央で競り勝った下堂がヘッドで繋ぐと、そこへ猛然と走り込んできた安光が、頭で合わせて押し込む!
練習してきたかたちだというセットプレーが見事に決まり、先制に成功!安光の今シーズン3点目により、欲しかった先制ゴールを奪うことに成功したのでした。
今シーズンここまで、先制された試合は勝てていないという今治。カターレもそうなので、ヨソのことをどうこう言えなくはありますが、それでも。
だからこその、価値ある先制ゴール。今治戦の連続勝ちなしの阻止に向けて、勝利に向けて。しっかりと道筋をつけたのでした。

後半開始からわずか4分のゴールによって、追う立場となった今治ですが。
その失点から、やはり4分後の53分。
FW弓場 堅真にこの日2枚目のイエローカードが出され、退場。
ハイボール対応にジャンプした西矢に対し、ボールではなく体に向けて体当たり、という。解釈の分かれる微妙なプレーとは言えない、そりゃイエローも妥当でしょうよ、というもの。
ただでさえビハインド状態であった今治ですが、さらに数的不利まで抱え込むことになったのでした。
先制ゴールでリードし、しかも数的優位。勝利に向けて、カターレにとってさらなる追い風。
とはいえ。
ここで気を抜くわけには、断じていかない。
ヴィニシウスや近藤など、個の力で状況を打開できる選手がいるのが、今治。それに、今シーズンここまでにもあったように、ヘタをこいてPKでも与えてしまおうものなら。たちまち同点になってしまうでしょう。
どうしても勝ちたい一戦、ドローにでもなろうものならば、それは負けと同じ。
なにがなんでも、勝つ!
情けは無用。有利であるからこそ、非情なまでに勝ちにいかねば!

より勝利を大きく手繰りよせるべく、次の1点を目指していくなかで。
66分に、ショウセイとヨシキを同時投入。明確にゴールを狙っていくというメッセージ。
スタメン起用の西矢、瀬良と合わせて、今シーズン新加入の大卒ルーキーカルテットが、リーグ戦で初めて揃い踏みとなりました。
すると、その交代からわずか2分で。
相手陣内で、今治のパス回しが中途半端になった隙を見逃さず、布施谷がボールを掻っ攫って一気にドリブルで仕掛けていくと。
布施谷はそれまでにも2回ほど、攻勢をかけたなかで転がってきたボールを蹴り込むも、大きく外れて枠外、という場面がありました。
ゴール付近まで迫っていくなかで、こんどこそ決めるべくシュートに来るのでは?という判断も、今治側にはあったのではないかと。
しかし、布施谷は冷静でした。
シュートにはいかず、鋭い横パス。相手選手に囲まれたマテウスにつながると、マテウスもまた瞬時にボールをそらし。
そこに走り込んできたのは、ショウセイ!
グラウンダーのシュートが決まり、追加点!ショウセイの2試合連続ゴールによって、さらに勝利に近づけたのでした。
1点目のセットプレー同様、このパターンもまた、練習で何度も繰り返してきたものであったとのこと。前節までのような、手詰まり感や責任回避にさえみえた、消極的なプレーとしてのゴール前パスではなく。明確な意思を示しながらの、デザインされたプレー。
決定力不足のカターレにあって、その練習がしっかりと報われたゴールとなったのでした。

勝利を大きく手繰り寄せたものの、まだ油断は禁物。
実際に、今治のミドルシュートを田川が正面で弾き、それを押し込まれそうになりつつも枠外、という危ないシーンもあったり。
2連敗中の今治、焦りもあったなかで、ビハインド状態、さらには数的不利。精神的にもきつかったことでしょうけれど。
それに同情したとして、勝敗については話が別。上位撃破を成し遂げねばならないカターレに、相手の状況を慮る余裕などあるものか!
絶対に、勝つ!勝ちきってやるんだ!

そんななか、迎えた75分。
ついに、ガブがピッチに。11か月ぶりに、公式戦出場を果たしたのでした。
ルーキーイヤーであった2022年10月、左ひざ前十字靭帯損傷の大怪我で戦線離脱。そこからの復帰戦であった、昨シーズン天皇杯京都戦。
高校時代を過ごした思い入れのある京都の地。そこでの復帰戦に気合も入っていたであろうに・・・再びの、悲劇。その復帰戦で、またしても前十字靭帯損傷。
希望が一転しての絶望。その心中は、察するにあまりあるかと。
ただ、それでもくじけなかった。復帰を目指して努力を重ねてきた。
そして迎えた、今節。
出場してから早々にイエローをもらってしまった場面などがあったりもしましたが。
いや、それですら、出場したからこそとも言えるわけで。
独特なリズムを持ったボールタッチ、果敢に前線まで駆けだして攻勢に出る場面も。
今の状況は100%ではないかもしれませんが、それでも。
久しぶりに実践のピッチに立った姿は、一昨年のリーグ戦出場でワクワクさせられたプレーぶりそのもの。
おかえり、ガブ!
ファン・サポーターにとっては、何事もなくプレーしてくれるその姿に、まずはありがとうと。

元カターレの松本 雄真の投入など、数的不利にあってもあきらめることなく向かってくる今治。
それを跳ね返しながら、集中力を切らさずプレーを続けるカターレ。
欲を言えば、たたみかけるように追加点を奪えたら、なお良かったのですが。
それでも。
窮鼠猫を噛むではありませんが、追い詰められた今治がひょんなことから得点、などということがあっては、流れを奪われかねない。
そうはさせじと。流れも得点も、奪われてたまるか!
必ず、勝つ!
勝って、今シーズンアウェイ初勝利を成し遂げる!!
反撃を跳ね返し続け、集中力をきらすことなくプレーを続けた、カターレ。
そして。
タイムアップ、試合終了。
8戦ぶりに「天敵」今治を撃破。今シーズンここまで勝てていなかったアウェイで勝利を挙げ、ただの1勝にとどまらない、価値ある勝ち点3を手にすることができたのでした。

試合終了後のインタビューには、先制ゴールの安光が。そのなかで、ガブの復帰に言及。
高卒と大卒の違いこそあれ、ともにカターレ富山でプロキャリアをスタートさせた同期。普段からも仲が良い間柄ということのようで。
大怪我に見舞われながらも、不屈の闘志で戻ってきたガブ。その努力を見ているからこそ、感慨もひとしおだったということなのでしょう。
出場出来ないガブの分まで頑張る!という決意が、安光を今やカターレに欠かせぬ頼もしい選手に成長させた、という面もあるのではないでしょうか。
実戦復帰を果たしたガブと、安光。再び並び立つこととなった2人。
法政大の後輩・ヨシキをはじめとした大卒カルテットなど、頼もしい仲間も加わったカターレ。
実戦を通じて彼らのチカラが花開くことを、楽しみにしています。

前節の12位よりひとつだけ順位が上がり、11位。
しかしながら、上位陣総崩れによって、勝ち点差が縮まり。
初黒星の首位・大宮との差は12と、依然大きいものの。その一方で、2位・沼津との差が、11位だというのに、わずかに3。
大混戦どころの話ではなく。
次節、やはり上位のFC大阪との対戦となりますが、そこで首尾よく勝利を、連勝を成し遂げたならば。一気に大幅ジャンプアップも果たせようというもの。
それもこれも、今節の今治戦でこれまでどおりにあえなく敗れていては、たどり着けなかったチャンス。勝った意味の大きさを、あらためて感じます。
やれば、できる。
その手応えを、さらに強固に、確実なものとしていけば。
久しぶりに得失点差をイーブンに戻すことが出来たからには。それを、プラスに転じさせ、さらに積み重ねていかねばなりません。
大きな勝利を掴み取った今節の成功を、さらなる飛躍へとつなげていくために。
しばらくホームでの試合が続くこととなる、この5月。
この先、次節のFC大阪をはじめ、沼津、大宮といった上位陣との直接対決に勝つために。
しっかりと足場を固め、勝っていく、連勝していくために。
この成功体験を、しっかりとフィードバックしていかねばなりません。

戦いは、続きます。
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