すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

ただただ懐かしいと思うとき

2012年02月07日 | 教育ノート
 来週の入学説明会の挨拶を考えていて,ふと自分が一年生担任だった頃に「伸びていく子の特徴」という記事を学級通信に書いたことを思い出した。それを入れ込んだ形で話してみようと決めた。

 家へ帰って,いつも整理中の2階の書棚から当時のものを探した。合本にしたのがあるはずだが,その前に「学級通信増刊号」と銘打った「親子文集」が出てきた。

 「子どものページ」「思い出のページ」「親のページ」という構成である。わずか9名の学級だったので量的には少ないが,思い入れがたっぷりと詰まっている冊子である。

 「思い出のページ」は日刊で発行した学級通信から数編選び出しており,そのなかに「伸びていく子の特徴」もあったのでほっと一安心。

 さて,それはともかくどうしても他のページに目がいって読み込んでしまう。

 4月のひらがなの授業の様子,ひたすら「はてな」を書かせ続けたこと,「ねえねえ,お母さんって忙しいんだね」と訊くことから始まる宿題,「かぞえぼうつかみどり大会」の算数学習…かすかに記憶として蘇ってくる。

 我ながら,ああいいなあと思ったのは,「12月3日 1時間目のこと」と題した記録だった。
 その日は冬一番の寒さが,ずいぶん強く霜がついた。そして空は真っ青。朝から子どもたちを外へ連れ出して,「影」や「氷」について体験させ,文章を書かせたようだ。
 子どもたちの作文を紹介したあとに,次のように結んでいる(どちらかというと補足だが)。

 「氷で空手」「霜柱ふみ,ぶつけ」などずいぶん遊んだので,服がかなり汚れた子もいました。すみません。学校の池の水溜まりで,震えていた魚の小さな命を二つ救ったことに免じてお許しください。

 ああ,こんな瞬間があったんだなあと今更ながらにただただ懐かしい。
 
 あとがきには,一年生担任になれた嬉しさが綴られていた。
 「教師冥利につきる」という言葉もある。
 また,実にエラそうだが,「共育」~共に育つが親や教師の資質,なんてことまで…。

 92年3月の刊である。
 あれから20年,ずいぶん離れてしまったけれど…。